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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

別項 (2) ヤマト2199の登場艦艇考察 地球艦隊編

 比較的緻密に設定され、説得力の高いガミラス側の艦艇の設定に比べ、地球側の艦艇の設定には矛盾が
多く、その差は驚くべきものがある。

 これはもはや地球防衛艦隊が組織的行動をほとんど出来なくなった、冥王星会戦しか描かれなかったので
仕方のない事かもしれないが、それを踏まえて地球防衛艦隊の諸艦艇を分析してみたい。

宇宙戦艦「キリシマ」
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この艦の命名法の誤りについては第28章で既に取り上げたのでここでは述べない。

この艦の主砲配置は宇宙戦艦として理想的と言って良い勝れた設定である。

特に艦橋と第2砲塔を一体化し、艦橋による死角の発生をなくした発想は後世にまで残る秀作である。

だが、その主砲が高圧増幅光線砲という内容の良く判らない兵器なのはどうした訳であろうか?

冥王星会戦ではどうせガミラスに通用しないのであるからどんな兵器でも良かった・・・といえるが、

それなら尚の事、陽電子衝撃砲にして波動エンジンを持たない地球側はガミラスの様に大出力が出せず、

ガミラスの軽巡にすらそのビームが弾かれてしまったとした方が説得力があったのでは?と疑問を持った。

また、艦首に36cm陽電子衝撃砲を1門、固定装備しているが、この兵器を積んでいるが故に、主砲の種類を
高圧増幅光線砲としたなら、なぜ、冥王星会戦ではそれを積極的に使う場面を用意しなかったのか、疑問を
持つ。

何故なら、冥王星会戦で地球艦隊は大敗を喫するものの、陽電子衝撃砲で多少なりとも戦果を挙げていれば、
後に「ヤマト」がそれを主砲として装備して登場した時、その威力に説得力が増すからである。

陽電子衝撃砲は艦首に装備されているのでガミラスが挑んできた併行戦では使う機会がなかったか・・・と
言うとそうでもない。

ガミラス側は第2次火星沖会戦でその威力を示した地球艦隊の陽電子衝撃砲を封じるため、地球艦隊の
後方4時の方向から接近、併行戦を挑んでくるが、地球側は両艦隊が並んだ所で、前方推進を止め、
艦首を右に振って陽電子衝撃砲をガミラス艦隊に向けて発砲、撃沈とまでいかなくても何隻かのガミラス艦に
損傷を与える事は出来たはずである。

もちろん、この態勢を作るまでの間、地球艦隊はガミラスに攻撃されまくりなので多大な損害を出すし、
この反撃の成功も一時のもので艦首を向けなければ戦えない地球艦隊は自由に回る砲塔から陽電子ビームを
発射出来るガミラス艦に次々と撃破されて行く結果になるはずである。

また、高圧増幅光線砲であるが、過去の戦いでガミラスに通じないのは判っていたはずで、沖田は
何故それをわざわざ使って味方を苦境に追い込んだのか、理解に苦しむ。

第1次火星沖会戦の時、既に使って無効なのは判っていたはず、出力増加の改良でもしたのであろうか?



また、これは本編とは離れるが、沖田は第2次火星沖会戦でガミラスの地球直接侵攻を防いだ英雄だと
語られる。(この時、地球艦艇の艦首に装備された陽電子衝撃砲が威力を発揮したと考えられる。)

しかし、それならば、第1次火星沖会戦の内容は一体どの様なものだったのであろうか?

もし、ガミラスが一方的に勝利したとするなら、第2次火星沖会戦は行われない、そのまま地球侵攻作戦に
移行してしまうと考えられるからである。

もし、地球艦の艦首装備陽電子衝撃砲が既に威力を発揮して互角の勝負をした結果、ガミラスが一時退却、
戦線を立て直して再度、来襲して来た時のみ、第2次火星沖会戦は起こりうる会戦になる。

であれば、この時すでにガミラス側は何らかの陽電子衝撃砲対策を行っていたはずでそれを打ち破ったと
すれば確かに沖田は名将であり、英雄にふさわしい男となる。

宇宙巡洋艦「ムラサメ」
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この艦の命名法の間違いについては第28章で既に述べたので割愛するが、それにしてもその存在の意味が
良く判らない艦である。

内惑星戦争時、戦時計画によって量産された艦というふれこみだが、武装は一応、大口径の光線砲塔を
持つが、20cm2連双砲塔3基と最小限のものしか、持っていない。

内惑星戦争は結局、地球側が火星側より艦隊勢力で勝っていたため、地球側の勝利となったらしいが、
この最小限度の武装を持つ「ムラサメ」型宇宙巡洋艦を多数量産した事が勝因だったとは地球、火星側
双方にとってなんとも情け無い話である。

語られないので判らないがこの宇宙巡洋艦の特徴は一体、何なのであろうか、速度か?航続力か?はたまた
偵察力なのか?全く判らない。

冥王星会戦の地球艦隊の艦隊らしさを演出するためだけに設定されたとしか思えない凡庸な艦である。

しかし、この艦とて艦首の陽電子衝撃砲は持っている設定になっているので戦艦「キリシマ」のところで述べた
様に、ガミラス艦隊と併行戦をしつつ、沖田の号令一下、艦首をガミラス艦隊に向けて陽電子衝撃砲で
反撃するといった、映像があれば、この凡作にも見せ場が出来たのでは?と残念でならない。

突撃宇宙駆逐艦「ユキカゼ」
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地球艦隊の内、唯一、ガミラス艦隊に一矢を報いる突撃艦「ユキカゼ」・・・。それはそれで絵になるのだが、
それでは何故、他の突撃駆逐艦は艦隊の列から出ようとはせず、一方的にやられてしまうのであろうか?

これは私が本文で書いた様に航続力が大きく影響していたとしか、考えられない。

本来、「イソカゼ」型突撃宇宙駆逐艦は艦隊行動をするための設計がなされていない。

このデザインから感じ取れる用兵思想は航空機型の戦術を多様する設計だという事である。

すなわち「メ号作戦」は陽動作戦であったものの、その遂行は本気でなされており、出来る事ならガミラスの
冥王星前線基地に攻撃を加えるはずであった。

その時、主力となるのは戦艦「キリシマ」ではなく、多数引き連れていた突撃艦であったはずである。

基地などの施設破壊にはビームなどの光速兵器より爆発物を仕込んだ実体弾(ミサイル含)の方が向く。

となればおのずと主力は突撃艦なのだ。

ただし、本来、地球近傍の宇宙空間での使用が前提の突撃艦は後続力が短く、増装を着けて、搭載ミサイルの
量をガミラス基地攻撃の1連射のみに絞って初めて冥王星までの往復が可能になったのである。

したがって、「ユキカゼ」以外の突撃艦はその最後の突入を目指してただ一方的なガミラスの攻撃を耐えて
いたとすれば、あの悲壮な艦隊戦も納得のいくものとなるのである。

劇場で売られたパンフには「ユキカゼ」が「試製空間魚雷を積んでいた。」とあったようだが、1隻だけ特別な
兵器を積んでも大した効果は挙げられないのでもともとの「ヤマト」の設定の通り、「光速兵器はガミラスに
通用しないが、ミサイルなどの実体弾は通用する。」という設定の方が説得力があると思う。

色々矛盾の多い地球艦隊だが、もはや壊滅してしまったので何を言っても始まらない。

後はガミラス艦と「ヤマト」そのものの設定に期待するだけである。
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by YAMATOSS992 | 2012-07-08 21:00 | 考察 | Comments(2)
Commented by HAL0999 at 2015-02-14 23:50 x
こんばんはHALです。
古い記事へのコメントをお許しください。
陽電子衝撃砲の設定は2199で追加されたのでしたっけ?
のちにヤマトの主砲となるようですが、おそらくその出力にみあった冷却ができなかったので砲塔化できなかったのでしょうか?
ヤマトの波動エンジンの出力があったからこそ、その冷却が効率的に行われた結果、砲塔として成り立ったのでしょうね。
接近戦を強いられるが、ゆきかぜによるミサイル(実体弾)による攻撃がガミラス艦に有効だった件に関しては、後のヤマトの三式が活躍する事につながっているので、そこはよく考えられているなぁと思いました。
Commented by YAMATOSS992 at 2015-02-15 07:42
HAL0999さん、再度のご訪問感謝いたします。
さて、地球艦隊の陽電子衝撃砲の艦首装備ですがこれは2199で採用になった新設定です。
艦首へ一門だけ装備したのは私は”本編”で書いた様にエネルギー供給の問題から小型化出来なかった事と真空・無重力の宇宙空間で長い砲身を安定させる事の難しさによって決まった配置だと考えています。
それが証拠に初期には地球軍艦艇もガミラス軍艦艇も無砲身砲塔を採用しています。
しかしヤマトは一撃でガミラス艦を葬れる威力を求めて長砲身の砲を採用しました。(砲身の安定化はどうしたのでしょうね?)
まぁ、長い砲身を振り立てないヤマトなんて誰も見たく無いでしょうから余り固い事は言うべきでは無いのかもしれませんが・・・。