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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

51.次元潜航艦との死闘ー(1)

 はじめに

 この物語は宇宙戦艦「ヤマト」2199をベースに私なりの解釈を加えたものです。

公式設定や実際の物語と異なっていたり、以前に私が書いた物語と食い違いを生じている部分もあります。

それを承知で楽しんでいただければ幸いです。 (YAMATOSS992)

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 「なんとか、原始星系に逃げ込む事に成功した。

今のところ、敵もこちらの位置を掴めなくなっているはずだ。 

森君、敵の反応はまだ掴めないか?」真田副長は倒れた沖田艦長に代わり、全艦の指揮をとっていた。

「空間魚雷出現!! 雷数4!」森探査主任は報告した。

しかし、魚雷は「ヤマト」まで届かず、次々と宇宙塵に衝突して爆発した。
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「魚雷の来た方向に敵艦の姿はありません・・・。」森探査主任は蒼ざめた顔で報告した。

「艦長が倒れる前、微弱な次元振動を観測した。

新見くん、今の魚雷が来る直前、その振動が僅かでも増えなかったかね?」副長は新見情報長に尋ねた。

「はい、本当に僅かですが一度増えて、また減りました。

そして、次元振動波が減ったのは空間魚雷の探知とほぼ同時です。」新見情報長は報告した。
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「やはり、今、相手にしている敵は、この前、『ヤマト』が落ちた次元断層に自在に出入り出来る次元潜航艦と
考えて間違いはない。

自分は安全な次元断層の中に留まり、そこから魚雷攻撃を仕掛けてきているんだ。」副長は腕を組んだ。

「『ヤマト』に対潜装備なんてありませんよ! どうやって戦んです。」南部が浮き足だった。

南部砲雷長は家が南部重工業という兵器の専門家の息子だったが、かえってこういう突発事態には弱かった。

「落ち着け!! 南部、諦めなければ勝機はいつでもあるさ。」古代戦術長が諌めた。

その様子を見た真田副長は古代戦術長の成長に感心した。

新見情報長が意見具申をした。

「敵の位置が掴めないのはこちらにとって圧倒的に不利です。

しかし、本艦にはワープ航法をする前に目標空間の安全性を確認する為のコスモ・レーダーがあります。

そして、その中心となる機構は亜空間トランス・デューサーです。

これを単独で運用すると近距離の次元断層内にピンガーを打つ事が可能になります。」

「亜空間アクティヴ・ソナー・・・と言うわけか。

この前、次元断層に落ちた時かなりのデータが収集出来たから、それは充分に可能な方法だ。

だが、必要なパラメーターは入力してあるのか?」真田副長が尋ねた。

「いえ、それはまだです。」新見情報長は申し訳なさそうに言った。

「魚雷接近!! 雷数1 近くの宇宙塵に着弾します!」森探査主任が報告し終わると同時に「ヤマト」は猛烈な
爆風に揺さぶられた。
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「何をやっとるんじゃ。 こんなに艦が動揺しては危なくて艦長の手術など出来ん! 

一度、艦長の体温を絶えられるギリギリまで下げて、戦闘が終わるのを待つから、それまでに何とかしろ!」
佐渡医師が「C.I.C」に怒鳴り込んできた。

「佐渡先生、どれ位、手術までの時間は待てますか?」逆に真田は佐渡に許容時間を聞いた。

「良いとこ、2時間が限度じゃな。 それを超えたら戦闘中でも何でも手術は始める。」佐渡はツカツカと出て
行こうとしたが振り返るとこう言った。

「でも時間がないからと言ってあせるなよ。 わしは君等を信じとるよ。」そう言うと引きつった笑いを顔に
浮かべた。 

<着弾が確実に近づいて来ている。 このまま何もしないと次はやられるかもしれない。>真田副長は心の
中で思ったが、それを部下達に悟らせるわけには行かなかった。

「亜空間アクティヴ・ソナーを実現しよう。 新見君、一緒に来てくれ。」真田は艦長席から立ち上がった。

「待って下さい。真田副長!あなたが出て行っては、ここ『C.I.C』の指揮は誰が執るんです。」古代戦術長が
言った。

「君が執るんだ。 こと戦闘に関しては単なる技術者の私よりよほど専門家だろ。 ただし・・・。」真田は
釘を刺した。

「波動砲の使用は禁ずる。 

敵の亜空間魚雷によると思われる次元振の発生が不規則だ。  

この前の様にまた、次元断層の裂け目を生じる可能性が高い。 判ったな。」それだけ言うと真田副長と
新見情報長は艦首のコスモ・レーダーの作動・心臓部に向かって行った。
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動かない「ヤマト」に痺れを切らしたフラーケンはガミラス艦の推進機、特有の電磁波を放つデコイを星系外へ
向かって放出した。

森探査主任がこの星系を去ってゆくガミラス艦がある事を報告した。

「しめた!! 奴さん、諦めてくれたな!」太田次席航海士が喜んだ。

「駄目だ! これは罠だ。」古代はこの展開を信じなかった。

「どうしてだ? 古代、これは明らかにガミラス艦の反応だ。 根競べに負けて撤退したんだよ。」島航海長も
敵艦の撤退を信じた。

「俺だったら、こんなあからさまな撤退はしない。

今、俺達は戦闘をしている、戦闘とはどれだけ相手を痛めつけられるか、の比べ合いみたいなものだ。

お互い、相手の存在を特定出来ないまま、何かの理由で自分が撤退しなくてはならなくなった時、島、お前
だったらどうする・・・?」古代は聞いた。

「あっ、そうか、撤退した事を気付かせない様にする、そうすれば、敵は何時までもいない敵に神経を
使わなくてはならなくなって疲れ果てる。 これだって立派な攻撃だ。」島はさすがに古代の同期生だった。

「接近する時は自分の存在を消せるのに撤退する時は堂々と姿を現すなんてどんな親切な敵艦だよ。」
南部砲雷長が混ぜっ返した。

だが、<これは使える! 逆に罠に嵌めてやる!!>と古代戦術長はほくそ笑んだ。


                                         52.次元潜航艦との死闘ー(2) へ続く
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by yamatoss992 | 2013-05-22 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)