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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

58, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(1)

 「宇宙戦艦ヤマト2199」は1974年にTV放映された「宇宙戦艦ヤマト」のリメイクとして現代にそぐわない部分
(旧作では例えば女性乗組員が一人しかいなかった事など等、)は修正するにしても極力、オリジナルの良さを
損なわない様、細心の注意が払われているのは感心するばかりである。

旧作では壊れ易い物の代名詞だった「第三艦橋」は「2199」では新しく設定された「波動防壁」や
「慣性制御システム」の中枢として「ヤマト」中で最も壊れ難い部分となって生まれ変わった・・・等、その工夫は
枚挙に暇が無い。

「『ヤマト』の波動エンジンは真空中から無限にエネルギーを取り入れる特性を持つ・・・」と第十話
「大宇宙の墓場」で述べられているのに現れている様に科学考証どころかSF考証にすら耐え切れない部分も
あるのだが、これは「宇宙戦艦ヤマト2199」がやはり「宇宙戦艦ヤマト」の物語である事の表明なのだと私は
思っている。

 今回劇場公開「到達!大マゼラン」では、ヤマ場の一つ、「七色星団の決戦」が描かれた。

このエピソードは「宇宙戦艦ヤマト」がその後の宇宙戦争アニメの雛形となったと言う意味で非常に重要な
エピソードである。

おおまかに言って戦闘の展開は1974年版「宇宙戦艦ヤマト」も「宇宙戦艦ヤマト2199」でも同じである。

ドメルは四隻の空母を率い、瞬間物質移送機を駆使して艦載機による攻撃隊を送り込み、「ヤマト」の
レーダー等を破壊、「ヤマト」の探知能力を大幅に低下させるとドリル・ミサイルで波動砲を封じ、
ドリルミサイルが艦内奥深くに達してから時限信管によって「ヤマト」を内側から破壊する作戦を採ってきた。

しかも、「ヤマト」撃沈を確実なものにするため、大型空間魚雷を抱いた雷撃機での攻撃も実施している。

ドメルは「ユリーシャ(森雪)拉致作戦」というもう一つのデスラーからの命令も実施したが、これは旧作には
ない作戦であり、また、本論で語ろうとしている宇宙戦闘における航空兵力の役割と位置づけには関係しないの
でここでは語らない。

「七色星団の決戦」は表面上、旧「ヤマト」でも「ヤマト2199」でも表面上の内容はほとんど変わらない。

しかし、航空宇宙戦力の運用と言う意味では真逆とも言える設定の違いを有している。

それは旧「ヤマト」ではドメル艦隊が大型空母三隻と戦闘空母一隻を有した最新鋭の精鋭部隊であった。
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しかし、「ヤマト2199」ではたまたまドック入りしていた旧式のガイペロン級多層式航宙母艦三隻と試作艦と
して長らく放置されていたゲルバデス級航宙戦闘母艦一隻となり、内容的にはかなりグレードダウンした感が
いなめない。
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しかもそれに乗り組む兵は少年兵と退役軍人をかき集めた老人兵という悲壮な設定である。
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せめてもの救いはガミラスでも最新の超ド級戦艦「ドメラーズⅢ世」が指揮を執る事位であろうか?



何故、監督はこの様な手の込んだ設定を設けなければならなかったのだろうか?

もちろん、旧「ヤマト」とは比較にならない位、強大に描かれたガミラス帝星とたった一隻で「2199ヤマト」は
戦わねば成らなくなった。

だからこそ、バラン星域にガミラス航宙主力艦隊を置き去りにしてガミラス本星を手薄にする必要があったのだ。

 航宙艦隊と親衛隊の間には確執があり、ドメルは親衛隊の艦を使う事が出来ず、ドック入りしていた戦闘艦の
うち、戦闘に耐えるものを選んで作戦を立てるしか方法がなかったと考えるのが妥当である。

そして「七色星団の決戦」には無くてはならない兵器、「瞬間物質移送機」(「ヤマト2199」では「物質転送機」)も
登場するが、これは旧「ヤマト」ではドメル将軍の発案した秘策であり、PSゲーム版ではドメルの師匠が
練っていた作戦だったが当時はそれを実現出来る技術力が無かったとされていた。
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「2199ヤマト」では「物質転送機」は開発中の兵器とされており、(ドメル将軍の親友、ヴェルデ・タラン軍需・
国防相談)、この新兵器は後記する理由で開発は棚上げになっていたものと私は判断する。

この様に「七色星団の決戦」は同じ展開ながらも航空宇宙兵力の運用の違いと言う意味でその内容の解釈は
大きく違う物となる。

 次回から「七色星団の決戦」を分析し、「2199ヤマト」の航空宇宙兵力の運用と位置づけを調べてみたい。


59, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(2)
ドメル艦隊は何故空母機動部隊である必要があったのか?              (この項、続く)
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by yamatoss992 | 2013-07-13 21:00 | 考察 | Comments(0)