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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

60, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(3)

2、「ヤマト2199」における「七色星団の攻防」から読み取れる航空宇宙戦力の有り方に対する考察。

1974年版の「ヤマト」においてドメル艦隊は最新鋭の強力な戦力を有していた。

しかし、「ヤマト2199」では「ヤマト」によるバラン星のコントロール・ゲートの破壊によってガミラスの航宙艦隊
主力の大半が90日の彼方に置き去りにされ、ドメル将軍が使える戦力はガミラス本星でドック入りしていた
旧式なガイペロン級多層式航宙母艦「バルグレイ」、「ランベア」、「シュデルグ」の三隻と試作艦的な要素の強い
ゲルバデス級航宙戦闘母艦「タロルド」であった。
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旗艦のみはドメルが元々座上していたガミラス屈指の超弩級一等航宙戦闘艦「ドメラーズⅢ世」であった。
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ガミラスは地球人と違い、航宙母艦に多種の艦載機を積まず、戦闘機専用の母艦、攻撃機専用の母艦、
爆撃機専用の母艦と艦載機の種類を統一する考えを持っていた様だ。

これは多分、ガミラスの航宙母艦とその艦載機の用法に特徴があるためと考えられる。

また、多層式航宙母艦が旧式化していったのもこの艦載機の運用方法に関係していた。

艦載機は小型で有人である。

当然、後続距離は多分、水雷艇にすら及ばないと考えられる。

しかも攻撃が終わったら当然、帰艦しなければならない。

すなわち、元々短い航続距離の半分の距離しか攻撃には使えないのだ。
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これでも通常の光速兵器であるレーザー・ビームや陽電子ビーム砲に比べれば比較に成らない射程距離を
持つので多層式航宙母艦とその艦載機は開発・運用されて来た。

何故なら光速兵器はエネルギー兵器である性質上、重大な欠点を持っていたからである。

それは「その兵器から発せられたビームは発射点から距離が離れれば離れる程、威力が落ちる」のである。

そのエネルギーの減衰は距離の2乗に比例して下がってゆくのであり、これは避けられない。

これは過去の「戦艦」の砲の射程距離と空母艦載機の航続距離の長さが大きく違っていたのと同じでいくら
ガミラスの陽電子ビーム砲が高性能でも艦載機の航続距離には遠く及ばないし、艦載機の方はその持てる
破壊力は全航続距離のどこで発揮しても同じ破壊力を解放出来るのだ。

この長所はガミラス航宙艦隊でも重視され、ガイペロン級の多層式航宙母艦は艦隊戦力の中心として長らく
活躍してきた。

だが、時代が下るにつれ、現場から艦載機の運用方法に疑問の声が上がり始めた。

それは艦載機の長い航続距離をフルに生かした攻撃が出来ないか、・・・であった。

つまり、艦載機は帰艦さえ考慮しなければ今までの倍の射程距離を得られるのである。
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ただ、この場合、搭乗員も確実に戦死する事になってしまう。

第二次大戦末期の大日本帝国の様に追い詰められた状態ではなかったガミラスでは熟練した搭乗員ほど
重要な戦力はない事が充分周知されており、このような特攻作戦が実施される事はなかった。

代わりに浮上してきたのが艦載機のシャトル運用であった。
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これは用法は上記の物と同じだが、艦載機は航続距離ギリギリのところで戦闘を行った後、そのまま戦場を
慣性航法で通り越して戦場から充分離れた安全圏内に達した所で別の航宙母艦に回収してもらい、燃料・
推進剤の補給と爆雷装して再度、敵艦隊の攻撃に向かうというものであった。

これはバトミントンのシャトルと同じ様な動きを艦載機がするため、地球側では「艦載機のシャトル運用」と
呼んだ。

この戦術には二隻の宙母が必要であるかの様に見えるが、搭乗員や宙母乗組員が充分練達していれば
一隻の宙母で実施可能な戦術であった。

すなわち、宙母は艦載機を全機発艦させたのを確認した後、予定した艦載機とのランデブー地点へゲシュタム・
ジャンプして燃料・推進剤、爆弾・魚雷を使い果した艦載機を向かえて収容し、再度補給して戦場に向かわせる
というものだった。

これで艦載機の航続距離をフルに活用する戦術が確立出来たかに見えたが、実際に運用してみると数々の
問題点が浮上して来た。

それは艦載機が敵艦隊に対して攻撃を加えたあとその空域を脱出する際、既に推進剤・燃料を使い果して
いるので敵艦隊が飛ばしている護衛戦闘機群に捕捉、撃墜される確率が高く、戦果は上がったものの、
払った犠牲も少なくなく、実際には脱出に必要な燃料・推進剤を確保するため戦闘宙域までの距離を少し減らす
必要が出てきた事だ。

これでは折角の「艦載機のシャトル運用」の効果が半減してしまう。

そこで計画されたのが「最前線補給用基地宙母運用戦術」であった。

そして試験的に建造されたのがゲルバデス級戦闘航宙母艦「ゲルバデス」、「タロルド」であった。
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艦載機の到来を敵艦隊の目前で待つ必要があった「ゲルバデス級戦闘航宙母艦」は非常に強力な砲頓兵装が
施されていた。
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ただ、ドメル将軍はこのゲルバデス級戦闘航宙母艦「タロルド」を本来の最前線基地宙母としての役割では
なく、「ヤマト」の波動砲を封じる特殊削岩弾(通称ドリル・ミサイル)を搭載する空間重爆撃機DBG88「ガルント」を運搬する役割と同時に、「ヤマト」と直接砲戦を交わす事態になった時、「ドメラーズⅢ世」と艦隊を組んで
「ヤマト」に対戦する計画だった様だ。

これは多層式宙母群の全通甲板の長さが短く、空間重爆撃機DBG88「ガルント」の運用に適さなかった事が
上げられる。

また、「ヤマト」との砲戦になった場合、超弩級一等航宙戦闘艦である「ドメラーズⅢ世」は単艦でも充分
「ヤマト」を圧倒出来たと考えられるが、有る程度強力な僚艦がいた方が戦いは確実に有利に進められるので
ドメル将軍の選択は全く理にかなった物であった。

次回はドメル将軍が「七色星団の攻防」で行った「物質転送機」を使った作戦と重爆撃機DBG88「ガルント」と特殊削岩弾(通称:ドリル・ミサイル)の運用について分析してみる予定だ。


61, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(4) → この項続く
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by yamatoss992 | 2013-07-17 21:00 | 考察 | Comments(0)