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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

63, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(6)

 宇宙で戦闘を繰り広げる場合、今のアニメや小説で用いられる事が一般的な兵器は二種類ある。

一つは光速兵器。 これはレーザーやビーム砲など指向性のエネルギー兵器である。
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近距離戦ではその迅速な攻撃力が大きな効果をもたらす。

その長所はその速度が光速か、それに近い非常に早く破壊力を敵に浴びせ掛ける事が出来る事である。

短所は前記したが「発射されたエネルギーは発射点からの距離が離れれば離れる程、破壊力が下がる」事で
ある。

これは「発射点のエネルギー量は到達点ではその距離の2乗に比例して下がってゆく」という大きな減衰力を
示す。

また、指向性エネルギー兵器の特性上、直線攻撃しか出来ず、着弾誘導も出来ない。

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二つ目は大質量兵器。 これは普通に物語で描写される場合はミサイルや砲弾、魚雷等の爆発物を内含した
               物であり、艦載機が運ぶ、空間魚雷や対艦ミサイルもその内に含まれる。

これには地球を滅亡の淵まで追い詰めた「遊星爆弾」や「ヤマト」の発進を阻止しようと「ガミラス冥王星基地」
から発射された「惑星間弾道弾」もこの分類になる。(反乱を起こした惑星「オルタリア」をガミラス親衛隊が殲滅
するのにも多数使用された。)
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対艦ミサイルも大質量兵器の分類に入る。
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このタイプの兵器の長所は射程距離内ならばどこで爆発しようと破壊力は同じであると言う事である。

発射点から直ぐ傍で爆発しても、射程距離ギリギリまで飛んで爆発しても弾頭は変わらないのだから破壊力は
全く変わらない、これは兵器として非常に重要な特性である。

また、指向性エネルギー兵器と異なり、その弾道を誘導出来る事も有用な特性である。

空対空ミサイルの様に敵機に喰らいついて撃墜するまで離さないとか、複数のミサイルを同時に発射して
各々のミサイルに別の目標を狙わせるとか、非常に融通の利く運用が可能なのだ。

また、本来、宇宙空間で使用する限り、この兵器に射程距離は存在しない。

ミサイル本体に積まれた推進剤が尽きても慣性の法則で無限に直線飛行し続けるからである。

しかし、誘導できなくなったミサイルは幾ら遠くまで飛ぶとは言ってもあまり有用な兵器とは言えなくなるので
敵艦隊に罠を張る場合の様な特殊な使い方をする場合のみ有効な特性となる。

短所は指向性エネルギー兵器の様な光速か、光速に近い高速度を持てず、「遅い兵器」であると言う事だ。

また、航宙戦闘艦に対して圧倒的に大きさが小さいので積める推進剤や誘導に使える推進剤の量が少なく、
有効射程は理論上、無限ではあっても現実にはそれらの推進剤の積載量が現実の有効射程距離となる。

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 さて、これからが本題である。

私は前回まで何回か「ガミラスには航空宇宙戦略の革命があったのではないか?」と書いてきた。

それは航宙母艦とその艦載機の用法に関するものであると考えている。

ガミラスの航宙艦隊の戦略思想は次の様に移り変わって来たものと推測される。

a) 航宙艦隊の主力が指向性エネルギー兵器(陽電子ビーム砲?)だった時代。
  
  地球流で言えば戦艦が主力と考えられていた大鑑巨砲主義の時代に当たる。

  しかし、いくら強力な指向性エネルギー兵器をもってしても艦載機の持つ航続距離には及ばず、主力の
  座を航宙母艦に明け渡さざるを得なくなった。

b) 航宙艦隊の主力が宙母機動部隊になった時代。

  指向性エネルギー兵器よりも格段に長距離を攻撃出来る艦載機(雷撃機)を積み、敵艦隊を完全にアウト
  ・レンジして一方的に攻撃を加える作戦が執れる様になった。

  そして、一度により多数の雷撃機を敵に向かわせるため、多層式航宙母艦「ガイペロン」級が建造された。
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  宙母本体は攻撃力は持っていないので主力は艦載機、特に雷撃機が主力となったが、ここで前記した様に
  艦載機が使える航続距離に無駄がある点が問題となった。
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  艦載機の持てる航続距離をフルに攻撃のみに活用し、帰艦は考慮しなければ宙母機動部隊は二倍の
  射程距離を持つ事が出来るが、それでは熟練したパイロットをたちまち消耗してしまう。
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  第二次大戦末期の日本の様に追い詰められた戦況下になかったガミラスにとって、この戦術は考慮外で
  あった。

  このため、艦載機のシャトル運用や最前線基地宙母(補給用戦闘空母)が検討され、一部実施されたが
  はかばかしい結果は得られなかった。
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  そこで新兵器「物質転送機」を用いた戦術が立案された。
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この戦術なら艦載機の航続距離は充分に生かせ、攻撃は奇襲を伴ってより有効となり、艦載機搭乗員の
生還率も向上し、良い事尽くめであった。

しかし、小型の投射型「ゲシュタム・ジャンプ装置である「物質転送機」の開発は困難を極め、開発は遅々として
進まなかった。

此の間に航宙艦隊側から、一つの革新的アイデアが出てきた。

それは対艦ミサイル、空間魚雷の航続距離の超延伸化であった。

つまり、艦載機が有人機であるが故に採用されなかった片道攻撃案を無人機を使う事で人的財産を失わずに
艦載機の倍の攻撃距離を得る事が出来る事に気が付いた者がいたのである。
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そして、この大射程対艦ミサイルに「精密誘導システム(P.G.M)」を組み合わせる事で有人の艦載機とほとんど
変わらない攻撃能力を持った対艦ミサイルが実用化されたと思われる。

この結果、ガミラス艦は対艦ミサイルと空間魚雷を主武装とする航宙駆逐艦を主力として採用する様になった。


      64, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(7) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-20 21:00 | 考察 | Comments(2)
Commented by st.1222 at 2013-07-20 23:10 x
この考察とてもよくまとめられてて関心しました

それでなのですが「バルグレイ」の先端の鋭角はガイペロン級後期生産型という事もありアップデートで付けた索敵装置という事らしいです
Commented by yamatoss992 at 2013-07-21 09:28
このブログを始めて一年と4ヶ月、初めてコメントを頂きましてありがとう御座います。

なる程、バルグレイは後期生産型なのですか。

付けられたのは索敵装置とは気が付きませんでした。

私は艦載機と航宙母艦がすたれた後、魚雷発射管から無人探査機を
打ち出して前方探査を行う様になったと考えましたが、その前に
航宙母艦の前方探査能力を増やす必要性にかられ、多層甲板の
前端に強力な探査装置を装備した事は理に叶う措置だと考えます。

貴重な情報を有難うございました。