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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

74, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(16)

 <第一次内惑星戦争>

 この戦争については「ヤマト2199」の物語のなかで唯の一度も名前すら出てこない謎の戦争である。

しかし、<第二次内惑星戦争>については僅かながらに語られている。

当然、<第二次・・・>があった以上、<第一次内惑星戦争>が存在したものと考えなければならない。

前記事で「村雨」型巡洋艦は戦時急増型の設計がなされている事を述べた。

その要求は大航続力と隻数を揃える事であった。(量産性の考慮はこの為である。)

この要求が出されるもっとも大きな理由として考えられるのは通商破壊・保護作戦に使用する事である。

 第二次内惑星戦争の要因の一つに地球側が火星側に独立を許すと木星にある資源・エネルギー・プラント
から地球に資源やエネルギー(メタンや水素)を運ぶ補給線をブッタ斬る形で火星に反地球勢力が存在する
形になるのを地球側が嫌った事が大きい。
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そうでなければ、さっさと独立させて自治を認めた方が地球側にとっても余計な経費が掛らず都合が良い。

しかし、堂々と反地球を叫んでいる連中が地球ー木星間の補給線に手を出さないはずは無かったからである。

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 第一次内惑星戦争はまだ地球外にそうした反地球勢力の存在は無くても、国家間の争いはまだ続いていた
時代に起こった。

しかし、地球内部で再び核戦争を画策する程、人類は馬鹿ではなかった。

そのかわり、戦争の形態は大きく変わり、物理的な破壊力をぶつけ合う戦争は影を潜め、代わりに情報戦、
サイバー・テロが日常的に行われる様になった。

昔の様に宣戦布告してから戦争を行うという、ある意味のんびりした時代ではなく、1年365日、ありとあらゆる
時が戦時となってちょっと気を緩めると姿の無い敵にインフラを破壊されたり、重要な国家機密を盗んだり、
盗まれたりと気の休まらない戦闘が今でも続いている。 (2013年現在の現実も同じ。)

但し、直接、血が流れないので戦争をしている実感は国民にはなかった。

第一次内惑星戦争はそうした情報戦の果てに一つの国家が昔ながらの通商破壊戦を周辺国家に挑んだ事が
発端である。

2168年、EUの加盟国の一つ、ドイツの政権がネオ・ナチスに奪われ、ドイツはEUを脱退すると同時に周辺国家に対し宣戦を布告した。

慢性的に何十年も続いた不況は再びナチスの悪夢を呼び覚ましたのだ。

2169年、慢性的に続いていた、情報戦では埒が明かない事に気が付いたドイツは戦略を大きく転換した。

木星ー地球間の補給線を襲って敵を干上がらせる伝統的な戦略に切り替えたのである。
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地球上では未だにPGM技術に裏打ちされた核攻撃戦力を互いに維持していたので地上では物理的戦争を行う
のは自殺行為であったが、宇宙でなら核兵器も使い放題、比較的小型の船舶でも核武装すれば立派な通商
破壊艦として機能したのである。

 そうして最初は普通の民間船に核武装させた仮装巡洋艦が活躍したが、英国を初めとする他のEU諸国は
正規の巡洋艦を通商路保護の為に投入して来た。

ドイツも通商破壊作戦を始める前に仮装巡洋艦ではなく、正規の通商破壊艦たる装甲艦「ドイッチェ・ランド」級を
4隻と軽巡洋艦「エムデン」級を8隻、建造してこの任に充てた計画で、2169年には実戦投入した。

しかし、装甲艦「ドイッチェ・ランド」級は「自艦より砲力の強い敵よりは早く、自艦に追いつける敵よりは砲力が
強い!」事が売りだったが、米ソや日本がこの通商保護の為にEUに協力して艦艇を送り込む様になると、特に
米国の「レキシントン」級の巡洋戦艦に対しては砲力、速度共に劣り、旧式化してしまった。(2169年末)

当然、ドイツ側も米国の参戦と「レキシントン」級の投入は予想しており、新型通商破壊艦「シャルンホルスト」級を
計画、建造した。
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4隻計画されたが2隻、「シャルンホルスト」は完成、「グナイゼナウ」は完全に作戦可能なまでに慣熟訓練まで
済んでいた。

しかし、後の2隻「デアフリンガー」と「リュッツオー」は建造途中で終戦となり、完成しなかった。
                                                      ( 2171年初、終戦 )

ドイツが破れたのは別にドイツが通商破壊戦で破れたためではなく、ドイツ本国、首都ベルリンに米ソの空挺
部隊が北と南から同時に送り込まれ、実力で制圧されてしまったからである。

米・ソは対立はしてはいたが、ネオ・ナチスの様な無法者を世界の警察を自任する米とそれに負けじと対抗する
ソ連が許しておく訳はなかったのである。

ネオ・ナチスが建造した通商破壊艦は全て廃艦となった。

これが後の対ガミラス戦で役に立つ事になるのだが、それは別の話とする。(記事No.8)

何故、今まで情報戦やサイバー・テロだった戦争が宇宙戦とは言え、実力行使の物理戦闘になったのか?

それは長引く世界的不況と戦争がサイバー化してしまって今まで栄えてきた軍需産業が干上がってしまった
事に大きな原因がある。

戦争とは全く非生産的な破壊行為であり無用の物であるべきだが、実際はそれを糧として来た人々がいた事を
忘れてはならない。

ミサイルにしても銃弾にしても消耗品であり、何を生むものでもないのだが、実際の戦争では莫大な量のそれら
消耗品が使われる事は軍需産業にとって必要な事だったのだ。

これは勿論、艦艇や航空機などそれらの消耗品を消費する存在も同じく軍需産業を潤すものだった。

日本国防軍の「村雨」型宇宙巡洋艦の量産などもEUとドイツの戦争なのだから、本来、無関係で必要なかった
はずであるが、国内の軍需産業の維持の為、無駄を承知で自国プラントと補給線の確保の名目で少数が建造
された。

(大量に量産されたのは戦争の当事国だった、第二次内惑星戦争時と考えられる。)

もちろん、自国プラントの防衛も必要だったので「金剛」型戦艦も4隻、建造された。

2隻づつ、1個の戦隊を組み、交替でエネルギー・プラントを防衛する計画だったが、「金剛」型戦艦の完成は
1971年までかかり、第一次内惑星戦争には間に合わなかったのである。

 しかし、この戦争がその舞台だった木星ー地球間の宇宙空間は完全に外惑星空間であったのにも係わらず、
「内惑星・・・」と呼ばれるのは紛争当事国が地球上にあった為である。

これは「第二次内惑星戦争」でも同じ事で敵が「火星」であり、「外惑星」であっても、「地球」は「内惑星」だから
「第二次内惑星戦争」と呼ばれるのである。

次回は第一次内惑星戦争に用いられた駆逐艦について考えてみたい。


追伸:今日 「宇宙戦艦ヤマト2199 公式設定資料集 [EARTH] 」 が届いた。

ウーム、私の設定とかみ合っていたり、いなかったり、と随分楽しませて(悩ませて)もらった。

ここまで詳細な設定が出来るのはやはり「ヤマト」だからに他ならない。

製作者達の「ヤマトとその世界」に対する「愛」がこんな形で凝結する時が来ようとは誰が考えたであろうか?


      75, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(17) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-08-01 21:00 | 考察 | Comments(0)