ブログトップ

宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

88. 使命の神託ー(7)

 「ヤマト」は惑星「ガミラス」の外殻に開いた穴を潜り抜け、帝都のある内郭表面に降りていった。

不思議な事にまだ、ガミラスの本格的な迎撃は受けていなかった。

親衛隊・宙母艦載機による攻撃があっただけで、それも「ヤマト」から発進したファルコン隊が宙母もろとも
退けていた。
e0266858_6341780.jpg

<やはり、敵中枢は以外と手薄だ・・・。しかし、油断は出来ない!>沖田はかつて太陽系でも遊星爆弾迎撃
システムがガミラスの奇襲によって二度も、破壊された苦い経験を思い出していた。

敵がワープによって中枢部にまで簡単に侵入出来る事に誰も気付かなかったため、起こった悲劇だった。
e0266858_423792.jpg

 「島、高度を50m以下に抑えろ! 本艦の底部の装甲は厚いが敵艦に撃たれ続けたら危ない!

だから地表と本艦の間に敵艦を入れるな! 

対空砲火はこの速度の本艦には追従出来ない! 進路、『バレラス』、このまま『デスラー総統府』を突く!」
沖田のあまりに大胆な命令にメルダは舌を巻いた。
e0266858_2114411.jpg

「了解しました、進路、『バレラス』、目標、『デスラー総統府』、速度第三戦速、高度50!」島が復唱した。

全長300mもある巨艦を高度50mで飛ばす!しかも遷音速でだ!しかし、メルダの左脇で舵を執っている
島航海長はいたって冷静な声で沖田の命令に応えた。

<この状況は私がツヴァルケで高度十mを飛び続けるのに等しい。 こいつの神経はどうなっているんだ!>
メルダはテロン人の無茶苦茶さ加減にかえって歓びを感じた。
e0266858_2132209.jpg

高度を上げず、遷音速の速度のまま「ガミラス」の帝都、「バレラス」を目指す「ヤマト」。

高度があまりにも低く、速度が速いため、「ガミラス」の対空砲火や対空ミサイルはその指揮所の探知機が
「ヤマト」を捕らえた時にはもう手遅れになっていた。

「ヤマト」はディッツ提督から託された「ガミラス」の情報を詳しく、研究・分析し、「バレラス」近傍の対空防衛
サイトにハッキングを仕掛け、その位置をおおまかではあるが、割出していたのだ。

そして、艦底部にある八基のVLSや艦体両側面にある8連装発射管から発射されたミサイルはその位置に
次々とピン・ポイントで着弾した。
e0266858_7474289.jpg

また、ニセの情報もガミラス・コンピュータ・ネット・ワークに流され、ガミラスの防衛網は混乱し切ってしまった。

「まもなく、『バレラス』の市街地に入ります。」地表の観測を行って島に航路情報を送っていた、太田気象長が
報告した。
e0266858_21175937.jpg

遠距離の探知・観測は岬 百合亜が担当していたが、今は気象よりも地表の状態を走査すべきと判断した彼は
ドローン(無人偵察機、魚雷発射管から射出・出来る。)を二機飛ばし、「ヤマト」より高い高度で先行させて
地表スレスレを飛ぶ「ヤマト」が山や高く繁る植物、高層建築に衝突しない様、進路上の地表を探査、島の
躁艦を助けていた。

「市街地・・・か、速度を落とさんと地表に被害が出るな、島・・・。」と沖田艦長が命令をしようとした時、メルダが
その命令に割って入った。

「いけません! 速度は維持すべきです。 本艦の速度は遷音速ですから地表の被害は甚大ではありまん!」と
主張した。
e0266858_21264852.jpg

「しかし、この速度では衝撃波こそ発生しないものの、本艦の通過した後には大旋風が吹き荒れるぞ・・・。

『バレラス』の郊外に住んでいるのは君達の言う二等臣民だろう? 守るべき対象ではないのかね?」沖田は
メルダに問い返した。

「構いません! これは彼等にとっても自由の為の戦いなのです! きっと解ってくれます!」メルダは一歩も
引かなかった。
e0266858_21342165.jpg

「艦長! 後から超音速でガミラス艦隊が迫って来ます! 」岬が報告した。

「南部!左舷の守りは任せた! 俺は右舷を守る!北野は臨機応変で!」古代が「ヤマト」の防御を南部、
北野と分担した。

本来、「ヤマト」の主砲、ショック・カノンは三連装砲塔、三基で同一目標を狙う様に設計されていた。

しかし、今の様に多方向から敵が来る場合、射撃指揮システムを敢えて使わず、多方向同時反撃も出来る様に
沖田は古代戦術長に戦術科員を訓練させていた。
e0266858_21361759.jpg

超音速で飛ぶ敵艦隊は見る見る「ヤマト」に追いついて来た。

横に並ぶ様に速度を「ヤマト」に合わせて来た、親衛隊のメルトリア級巡洋戦艦は陽電子ビーム・カノンを
「ヤマト」に浴びせ掛けて来た。
e0266858_21385729.jpg

「ヤマト」は波動防壁を前部に集中して展開していたので前部に当たったビームは弾き返したが、後部に
当たったビームは装甲版を貫通して被害を出した。
e0266858_21392522.jpg

その被弾のショックに揺れる第一艦橋内部で沖田は超音速で迫って来たガミラス艦が発生させた衝撃波で
地表の市街が滅茶苦茶に破壊されるのを見て心が痛んだ。

<戦争で被害を受けるのはいつも弱い者達だ・・・。戦う者はその事を判っていても戦わねばならん!
悲しいな・・・。>

だが、次の瞬間、沖田は猛将の顔に戻っていた。

「第一砲塔、第二砲塔、各個、打ち方始め!」沖田の命令を待っていたかの様に照準を済ませた南部が
第二砲塔を操ってメルトリア級を撃ち抜いた。
e0266858_21423472.jpg

唯の一撃で砕け散る敵艦、しかし、その落下先には無辜の住民が多数いるのだ。

古代も右舷同高度に射撃位置を専位しようと高度を下げつつ接近してきたケルカピア級高速巡洋艦に必殺の
ショック・カノンを叩きこんだ。
e0266858_6224122.jpg

この艦もまた地表のビルに衝突、被害を与えた。

<一刻も早く悲劇を終わらせる!>古代は沖田が一瞬、見せた悲しみの顔に戦う者の決意を見た思いだった。

                                         89. 使命の神託ー(8) → この項、続く
[PR]
by YAMATOSS992 | 2013-09-14 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(3)
Commented at 2013-09-15 16:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by YAMATOSS992 at 2013-09-15 19:33
 柚月なごみさん、コメント及びリンク有難う御座いました。
”2199挿話”の方がお好みですか?
まあ、”ヤマト前史本文”は技術SFに偏っていますから、色気はありません。(笑)
でも”メカ”が恋人の私としてはそちらも読んでいただければ幸いです。
どうか、これからもよろしくお願いします。
Commented by なごみ at 2013-09-15 22:48 x
早速のお返事、ありがとうございます!
私はファースト世代なので、色気の多い(多すぎる)2199は、いささか引いていますし、こちらの前史にとても興味があります。
メカも大好きです。しくみもまったく分かってませんし、漫画をいたずら程度に描くくせにメカは描けませんし、プラモも作れませんけど、メカ好きです。頑張ってるメカは、愛しさが爆発して、つい彼とか彼女とか呼んでしまう事がありますが、姿まで擬人化したりはせず、メカの形のままで充分愛でられます。
ところで、この書き込みは無事に届くのか心配です。
三度目のチャレンジです。なかなか転送が出来ずにいます。
私の方へもコメントくださいましてありがとうございました。
お返事は申し訳ありませんがブログの方でさせて頂いてます。
この度はどうもありがとうございました。