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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

97. 使命の神託ー(16)

 「いいのォ、それに乗ったら 『同胞』 に向かって ”引き金” を引く事になるかもしれないのよ。」

ビーメラ星系のゲート・システム衛星で鹵獲した「ツヴァルケ」のコクピットに座ったメルダにここ、第三格納庫
まで案内してくれた山本 玲三等宙尉が聞いた。
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<これは同じ”ツヴァルケ”でも初期の型だ。私の愛機とは計器の配置が違う、後でテスト飛行をさせて貰
おう・・・。> 山本の質問を頭の隅で聞きながらメルダの心は新しい”愛機”の事で一杯だった。

「それはお前たちしだいだ・・・。」メルダは 『ヤマト』 が 『ガミラスを叩こう』 としなければ何も問題ないと正論を
言った。

しかし、「ヤマト」の敵、「ガミラス」と「ヤマト」の目的地、「イスカンダル」が二重惑星である以上、何がしかの
戦いはある、とメルダは覚悟していた。
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「ヤマト」が攻撃しなくても、あの「デスラー」は必ず、攻撃を「ヤマト」に仕掛けて来るだろう、それは避けられない
事だとメルダは思っていた。

<だとしたら、私はどうやって自分の「使命」を果たす? しかし、そもそも私の『使命』とは何んだ?> と
メルダは己に己の覚悟を問いかけた。

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「ヤマト」と「真ガミラス同盟・幹部」が収容所惑星「レプタポーダ」を出発する日の朝、メルダは父である「ディッツ
提督」に呼び出された。

ディッツは前収容所長、「ボーゼン」が使っていた部屋を収容所内外の情報が集約出来るので「情報収集室」
として部下達に使わせていた。

そこで自分の”個室”は独房の一つを少し小奇麗に改装して使っていたのだ。

狭い独房の内、親子は久振りの水入らずの対面を果たした。

<何故、今になって対面する? 今までだって何時でも会える機会はあったはずだ・・・。>メルダは緊張して
「父」のいや、「提督」の言葉を待った。
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「メルダ・ディッツ少尉、君に 『連絡将校』 の任を与える、『ヤマト』 に乗艦し、『イスカンダル』 までの旅を共に
する事を命ずる!」ディッツ提督は思いがけない事を言った。

「はっ、了解しました。 私、こと 『メルダ・ディッツ』 少尉は 『ヤマト』 に乗艦し、『イスカンダル』 までの旅の間、
『真ガミラス同盟の連絡将校』 としての任を果たします。」メルダは軍人だった、骨の髄まで軍人だった、命令に
質問は許されない、メルダは気を付けをして敬礼した。
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大きな疑問は心に残ったが、メルダは”命令”を復唱した。

「よし!」提督がメルダの行動に賛辞を示した。

しかし、メルダが退室しようと”回れ右”をすると改めて声を掛けた。

「『命令の文章』 は判ったようだが、『命令の意味』 も判ったのかな?」今度は『父』の顔だった。

「『連絡将校』 の任務とはどのように遂行するべきと考えている?」メルダは意地の悪い質問だと思った。

<そういえば、「ヤマト」は「イスカンダル」へ、「真ガミラス同盟」は「他・収容所惑星の解放」へと表面上は全く
違う道を歩む事になる。

お互い、協力しあえる事など何も無い、ガミラスに関するデータなら既に詳細な物が渡されている・・・。
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私が「ヤマト」に残っても「真ガミラス同盟」と連絡する手段は私には何もない、『連絡将校』 って、一体、何を
すれば良いんだ?>メルダは困惑し切った表情になった。

そんなメルダに後手に手を組んだディッツが肩越しに振り返りつつ、言った。

「『学習』じゃよ。 『テロン』 は 『ガミラス』 によって滅亡の淵に立たされてはいるが、その持っている 『文明や
文化』 は 『軍事』 に特化した 『ガミラス』 とは違い、非常に多様で高度だ。

これからの 『ガミラス』 は 『デスラー・政権』 の二の舞は踏んではならない。

それには 『軍事』 に偏らない 『文明』 になる必要がある。

今、 『テロン』 と わが 『ガミラス』 は交戦状態にある。

だから、いかに、我等が ”反政府組織” だと言っても簡単には 『テロン本星』 は受け入れては暮れまい。

しかし、『ヤマト』 なら、あの 『オキタ』 の指揮する 『ヤマト』 ならメルダ、お前を 『連絡将校』 として受け入れて
くれる。
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前の会談はお互い「公的」なものだったから、 『物別れ』 に終わったが、今回の「連絡将校」の件は詳しい
真意をこちらにたずねる事もせず、簡単に「了承」してくれた。

だから、お前は後、『ヤマト』 の旅は幾らも残っていないが、学べるだけ、『テロン』 の事を学んでこい!」ディッツの顔は「提督」に戻っていた。

「はっ、了解しました。」メルダが敬礼して回れ右をして後を向くと彼女の右肩に手を掛け、ディッツはメルダの
耳元で囁いた。

「後、一つ、『密命』 がある、こちらが 『本命』 だ。」

メルダはディッツの言葉に顔をしかめた。

                                        98. 使命の神託ー(17) → この項、続く
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by YAMATOSS992 | 2013-10-02 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(4)
Commented by gloryofgarmillas at 2013-10-03 16:31
文化を学ぶ…
私はデスラー総統の椅子の上の方にあった壁画(?)を見て不思議に思いました。もしもあの壁画がその時代背景と合致していた場合、旧作の通りガミラス人が他の惑星から移住したという設定なら、ガルマン民族は宇宙時代まで地球で言う「古典的」騎士の文化があるのか、と

もしかしたら先生の言う通り、ウン百千年前から戦争をしっぱなしだったのか、それとも『>『ガミラス』 とは違い、非常に多様で高度だ』の様にガミラス星全体が均一化された文化だったので発展が遅れたのか…または両方?

先生の設定では繋がっていないのかも知れませんが、色々考える事のできる…(浅い段階ですが自分的には考えるヒントがある)話でした
Commented by yamatoSS992 at 2013-10-03 18:47 x
設定によればサレザー恒星系で103年前ガミラス大公国と呼ばれ、複数の王侯貴族によっていたが、デスラーの叔父、エーリク・ヴァム・デスラー大公が国家を統一、その死後の混乱を収めたのがアベルト・デスラーであり、ガミラス大公国は解体されガミラス大帝星になりアベルト・デスラーは永世総統の座に着き、デスラー・ドクトリンに基づき、他星系への侵略を行い始めた・・・とあります。
                                   (続く)
Commented by yamatoSS992 at 2013-10-03 19:13 x
デスラー紀元1000年を祝う式典が行われていた所をみると、デスラーの血筋は1000年は続いている事になります。

貯えに貯えた力を103年前に使ってガミラス大公国を統一したのでしょう。
そして、デスラーは”表向き”は”イスカンダル主義”に従って
勢力拡大をはかっていますが、私は国の外に常に”敵”を作る事で国内を”纏める意図”が
丸見えです。

軍の高官が非常に多いのもこうした拡大政策のため管理者が必要だからです。

そして(あくまで私はですが、)国内を統一するため文化(美術や音楽)や医療など地球では
当たり前に発達しているものも抑圧されて程度の低いものしかない・・・。と考えます。

クローン兵士が居るからと言って即、高医療文化があるとはいえません。

騎士道、武士道、どちらも正々堂々とした物だと思われていますが、それは後期の完成された
ものであって初期は”追いはぎ貴族”から始まったのです。 
これは当事の農民の生産性などと大きく係わりがあるのでとてもここでは語り切れません。
                               (続く)
Commented by yamatoSS992 at 2013-10-03 19:40 x
”エントロピー増大の法則”と言う”熱力学の言葉”を聞いた事がありますか?

簡単に言えば”放っておけばどんどん物事は乱雑になる”と言う事です。
たとえば自分の部屋、生活しっ放しだとどんどん散らかります。
そこで(エネルギーを使って)整理・整頓・掃除をして綺麗にします。
ここで言うエネルギーは”労働”の事ですが、政治・経済にもこの法則は
当てはまるのです。

たとえば”北朝鮮”、”国内政治の破綻”を”国外に敵”を作る事で
辛うじて”国体”を保っている。

ガミラス・デスラー政権はその”北朝鮮”に似ています。
国民の目を国内に向けさせない、国内は文化や文明を最低限に
抑えて国力最大限、軍事につぎ込む・・・。これが私が考えるデスラー政権の姿です。
 だからこそ、反政府勢力が生まれるのです。