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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

98. 使命の神託ー(17)

 女王 , ”スターシャ・イスカンダル” は ”コスモ・リバース・システム” を 「ヤマト」 に渡すため、来艦した。
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そして、 ”何故、コスモ・リバース・システムの供与を保留” にしたか、その理由を説明した。
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それは一番初め、波動エネルギーの ”兵器” への転用をしたのが ”イスカンダル” だった事、そのために
「大マゼラン雲」は戦火に塗れた事、そしてそれが ”イスカンダル滅亡” の ”遠因” になった事だと語った。
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地球人もまた、『波動砲』 を手にしていた、だから、「コスモ・リバース・システム」 の ”供与” を躊躇ったのだと。
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それを聞いた沖田はしばらく目を瞑って考えにふけった。

しかし、かっと目を見開くと沖田は目の前に座った”女神”に遠慮なく言葉をぶつけた。

「女王、 ”スターシャ” 、あなたは ”大きな勘違い” をしておられる。」 沖田はとんでもない事を言った。


「こんな事を言えば、あなたに ”コスモ・リバース・システム” を渡していただけないかもしれない。

でも私は真実を曲げてまで生き様とは思わない。」 沖田は相手が ”女王” だろうと決して、媚びなかった。


「 ”波動砲” は単なる ”物体” に過ぎません。 それ自体が ”勝手” に死を撒き散らす事などはない!

全ては使う者の ”心” です。」 沖田は自分の信じる事を全て告げるつもりだった。


「確かに、『波動砲』 は星さえ殺す、『大量破壊兵器』 です。
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ですが、破壊力が強すぎる故、 『侵略』 には使えません。

『侵略』 とは ”誰か” を ”攻め” その持てる ”財産” を奪う行為です。

『波動砲』 で攻めたら自分達が欲する ”財産” を持つ、相手の ”抵抗” ばかりか、その ”財産” を含めた全てを
無に帰してしてしまいます。

そんな馬鹿な 『侵略』 があるでしょうか? 

あの 『デスラー』 ですら 『波動砲』 は ”防御” にしか、使えませんでした。
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波動エネルギーを開発したあなた方、イスカンダル人がその事に気付かなかったはずはありません。」

女王、スターシャはあっけにとられていた。
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彼女は 『波動エネルギー』 を兵器として使う事は ” 悪 ” だと信じていたからだ。


長い沈黙が一同の間に流れた。


「真田君、後の戸棚から 『陸奥守包保』 をとってくれたまえ・・・。」 沖田がおもむろに副長に命令した。

「艦長、ですが、あれは・・・。」 真田は沖田の唐突な命令に戸惑った。

「単なる”美術品”だ、今となっては・・・な。」 沖田は再度命令した。

真田は一振りの刀を戸棚から取り出し、抜刀すると刀架けに架けて”スターシャ”の前に置いた。

「いかがかな・・・。 この ”刀”、 『陸奥守包保』 をどう見られますか?」 沖田は女王にたずねた。
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「美しい、”怖い”・・・くらいに美しいですわ。」 スターシャは ”日本刀” の壮絶な美しさに身を引いた。

「そうでしょう。 これは何百年も前に私の故郷で造られた ”人殺しの道具” です。」沖田は躊躇いもなく真実を
告げた。


スターシャは沖田の真意を測りかねて刀からゆっくりと目を上げて沖田の顔を見た。
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「ですが、この ”刀” を持つ者、”侍” は ”いつ”、”どこで”、”何の為に”、この ”刀” を振るうのか、常に己に
問いかけ続ける事、”修行” を己に課しました。」


「そして、その ”侍” の心は刀を造る者、 ”刀工” にも ”業” の向上を促しました。

その結果、単なる ”人殺しの道具” はその本来の目的を突き抜けて、”壮絶な美” を追い求め続ける
”美術品” と成り、今、ここに有ります。」沖田は颯爽と語った。


「 ”力” を持つものはその ”力” の ”使い方” を常に考え続ける・・・と言うのですね。
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だから、 『波動砲』 を 『コスモ・リバース・システム』 に造り変えるのは許さない・・・と。」 スターシャはキッとした
目で沖田を見つめた。


「確かに 『波動砲』 は我々の旅に欠かせない 『装備』 の一つでした。 そして、そのおかげで我々はここまで
来れました。

でも、『波動砲』 が無くなって、帰りの旅が少し 『困難』 になったとしても、一度、出来た旅です。

もう一度出来ないはずはありません。

『ヤマト』 を 造り変える事で 『コスモ・リバース』 が手に入るなら、それはそれで願ったり叶ったりです。

何の異論がありましょうや。 」 沖田は微笑んだ。


スターシャは顔を覆って涙した。

「私はあなた方を試しました、そんな権利など、どこにもないのに・・・。
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恥かしい、やはり、あなたは、あなた方は 『ユリーシャ』 の言った通り、『使命』 の 『神託』 を持っているの
ですね。
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これで安心して 『コスモ・リバース・システム』 をお渡し出来ます。」 スターシャは晴々とした顔で言った。

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そして、幾ばくもなく、 『ヤマト』 を 『コスモ・リバース・システム』 に造り変える作業が始まった。


                                        99. 使命の神託ー(18) → この項、続く
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by YAMATOSS992 | 2013-10-04 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(2)
Commented by 古世人 at 2014-07-04 14:10 x
あちこちでのコメント、失礼します。この使命の神託、非常に興味深い作品なので、読み返しております。ところで、この頁で使われている画像にもある数発の波動砲で破壊される地球型惑星について、先生はどう考えていますか?私は惑星ジレルと考えています。
Commented by YAMATOSS992 at 2014-07-04 17:14
「使命の信託」読み込んで頂いているとの事、お礼申し上げます。

「ジレル」ですか・・・。 確かに精神攻撃にたけた種族が四方に侵略の手を伸ばしたとしたらその精神攻撃の
及ばない遠方から波動砲で種族毎根絶やしにする事は考えられるかもしれません。
ただ種族根絶やしというのはイスカンダルのその後の方策を見てもとても採用しそうもない方法です。

また、母星を破壊され取り残されたジレル人達がその星々で魔女狩りに会い少しづつ滅んでいったと言うのも
ありそうな話ですが彼等が持つ精神攻撃と言う武器の強力さから言って考え難い運命です。

もしかするとガミロイドはジレル人と戦う為に生み出された兵器なのかもしれません。