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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

102.プラート 雷神の宴 (1)

 「古代さん、今まで有難う御座いました。 最後に一緒に地球を見たかっ・・・。」 そこまで言うと国連宇宙軍
二等宙尉、田中 卓二 は息を引き取った。

戦闘の傷が悪化し、感染症を引き起こした結果だった。

「田中・・・。 」 古代 守 は自分の部下が自分の ”意地”の為に死んだ様な気がしてやりきれなかった。
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「艦長、田中 はまだマシな方です。 我々は多数の敵を撃破出来ました。

しかし、艦隊の大半の者は戦果を上げられず、『ガミラス』に一矢も報いる事も出来ず死んでいったのです。」

副長の 一等宙尉、石津英二 が落ち込む国連宇宙軍突撃宇宙駆逐艦 「ユキカゼ」 艦長、三等宙佐、古代 守に
慰めの言葉をかけた。

「そして俺達は生き残って 『ガミラス』 の捕虜となり、『何処か?』 へ輸送中って訳か・・・。」守は悔しさに
胸が張り裂けそうだった。
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一番、若い 山根 章 三等宙尉 は部屋の隅で体を縮ぢ込ませて泣いていた。

それはそうだろう、この先の、自分達の運命が”死”よりも恐ろしいものだと想像すればどうしたってそうなる・・・。

今、死亡した 田中卓二 二等宙尉を含めた四人は 国連宇宙軍第一宙雷戦隊所属、突撃宇宙駆逐艦
「ユキカゼ」 のブリッジ・クルーだった。
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「メ号作戦」 で国連宇宙軍第一艦隊が 「ガミラス」 艦隊を引き付けている間に各戦線から集められた最期の
突撃宇宙駆逐艦十二隻で構成された 第一宙雷戦隊 は全力で「ガミラス」軍、「冥王星前線基地」 を叩く作戦 だった。

「冥王星・前線基地」 は今、地球を死の淵に追い詰めている 「遊星爆弾」 の発射基地 なのだ。
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しかし、オーストラリア大陸程の大きさしかない 「冥王星」 にあるはずの 「ガミラス軍」 の「前線基地」は発見
出来なかった。

 そこで 「ユキカゼ」 は先遣艦として 「冥王星」 に接近を図り、国連宇宙軍 が絞り込んだ幾つかの 候補地 の
どれが 「ガミラス冥王星前線基地」 なのか、特定、第一宙雷戦隊 を誘導する使命を帯びて 「冥王星」 に接近を
図っていた。
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だが、「冥王星」 から二十万キロの空間点まで達しても敵の迎撃はなかった。

「凪いだ ”海”です。 怖いくらいだ。」 石津副長が呟いた。
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<おかしい・・・。 今までの「ガミラス」軍の戦闘距離から考えてもう、とっくに敵は「ユキカゼ」を探知している
はず・・・。」 守は周囲の空間とまだ予定距離には達していないが 「冥王星」 表面の探査を情報士官に行わせた。

「全く、周囲には何も居ません、冥王星表面にも何もありません・・・。」 情報士官 は絶望的な事を伝えた。

「ユキカゼ」 が敵基地を探知出来なければ、第一宙雷戦隊 は 攻撃目標 を決められないのだ。

「第一艦隊から入電、『我、敵の奇襲を受けつつあり、貴艦は至急、攻撃目標の特定に努められたし!』」 ブリッジ・クルーの内では一番若い通信士・里見三尉が報告した。

守は「冥王星・前線基地」 の探査を諦め、そして反転、最大戦速で味方艦隊の元へと向かった。
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たぶん、敵基地はなにがしかの”スティルス化”が図られている。

今、その発見に努力しても「ユキカゼ」の探知能力では絶対に不可能だ。

だが、「ユキカゼ」 は先遣艦として「ガミラス」艦の妨害を排除して「冥王星」 へ接近を図れる様、

新型の試製空間魚雷を二連射、六発搭載していた。

<親友の真田が明かしてくれたのはこれが 『三式弾』 だという事だけだった。
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今は2199年、『三式』 という事は2203年に採用される予定の兵器だと言う事だ。>新式も新式、開発途上の
しろものだった。

しかし、あの秀才、真田技術・三佐が渡してくれたのだ、その ”威力” は期待して良かった。

だが、他の第一宙雷戦隊の 突撃宇宙駆逐艦 は「冥王星・前線基地」施設破壊用に 『反物質弾頭』 を持った
空間魚雷を積んでいた。

今までの経験では 『反物質弾頭』 ではガミラス艦は余程、当たり所が良くないと撃破出来なかった。

今、国連宇宙軍はその残存兵力の殆ど全てをこの 「メ号」作戦 に投入している。

しかし、敵基地が発見出来ない以上、この作戦は失敗だ、速やかに撤退しなければならない。

そして「ユキカゼ」 が戦線に復帰出来れば、新兵器の威力でガミラス艦の追撃を抑え、幾ばくかの艦艇を撤退させ、再起を図る事が出来る。
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そう考えて守はあえて命令違反を犯した。

                                     102.プラート 雷神の宴(2)→この項、つづく
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by YAMATOSS992 | 2013-10-12 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(2)
Commented by チハ兄さん at 2013-10-14 16:56 x
サイドストーリー開始ですね。
古代(兄)が何時何処でどの様に捕虜になったかは、本編では明確に語られないままになって居ましたが、このストーリーで明らかになるんでしょうか?続編楽しみにしております。
追伸 件の藪機関士は彼の国で立派に就職して先方のお役に立っているので、安心致しました。
Commented by yamatoSS992 at 2013-10-14 19:09 x
私はヤマト2199の熱烈なファンではありますがそのためかえって不満を抱く部分も多々あります。
この2199挿話はそうした鬱憤を晴らす意図もあって初めました。
1.スターシャが地球人に不安を抱いたまま「コスモ・リバース」を渡した事。
2,守が「私心」で進のために「コシモ・リバース」を使った様にしか見えない事。
3,「74ヤマト」と「ヤマト2199」のテーマが異なった物になったのに
製作サイド内でその事が徹底されていなかった事です。
1.2.については長編{使命の神託」で明らかにしたつもりです。
そして3、について「プラート 雷神の宴」、ともう一つ連作を用意していますのでお楽しみに!