ブログトップ

宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

104.プラート 雷神の宴(3)

沖田さん、お元気で・・・。地球の事を頼みます。」古代 守は全てに最期の別れを告げるかの様に通信を切った。
e0266858_6162651.jpg

「さぁて、奴らの基地に一発蹴りを入れに行くとしますか。」石津副長が古代 守の心境を代弁した。
e0266858_5451758.jpg

敵艦はありとあらゆる所にいた、「ユキカゼ」・クルーにはその光景はかえって壮観に思えた。

守は六発しかない、試製魚雷は大事に使いたい、出来れば敵戦艦にぶち込みたいと思ったが、「キリシマ」を
追跡して行くのはまず、駆逐艦だと思い直して、「ユキカゼ」自体に向かってくる敵艦には主砲、五インチ三連装高圧増幅光線砲や艦尾八連装VLSの反物質ミサイルを使い、「キリシマ」追跡に向かいそうな敵艦に試製魚雷
を使う様、方針を徹底した。
e0266858_5472685.jpg

残り五発の試製空間魚雷はたちまち使いつくされた。

「しかし、敵艦も、「キリシマ」を追う素振りを見せた、駆逐艦三、巡洋艦一、戦艦一(デストリア級重巡洋艦、
地球では戦艦だと思っていた。)を撃破、喪失させていた。

<クソッ、コイツをもっと積んでこれれば・・・。>守は唇を噛んだ。

だが、「ユキカゼ」の奮戦を見た敵艦隊は奇跡的に「キリシマ」追撃を諦め、「ユキカゼ」撃沈に総力を上げて
きた。

<しめたっ、成功だ!>守は敵の陽電子ビームが飛び交う内、自分達の思いが神に届いた心境だった。
e0266858_555385.jpg

<もう、後はいかに敵に打撃を与えるか、それだけを考えれば良い。>

「左舷より接近する敵戦艦の艦橋を掠めろ!」守は大胆な命令を発した。
e0266858_5574232.jpg

「了解!」田中操舵手は完全に敵艦(デストリア級)の艦橋への衝突コースへ「ユキカゼ」を載せた。

「高圧増幅光線砲、全門、敵艦橋へぶち込んでやれ!」守の命令に我が意を得たりと、射撃管制官は眼前の
モニター一杯に映った敵艦の艦橋に照準を合わせた。

モニター内には敵艦の艦橋の窓越しに蠢く幾つかの影があった。

<コイツ等が『ガミラス』か、初めて『ガミラス』を見た地球人だな、俺は・・・。>そんな感慨も幾ばくも無く、敵艦の艦橋は彼の放った高圧増幅光線砲を浴びて吹き飛んだ。
e0266858_5594479.jpg

至近距離、二十mからの砲撃である、しかも外界観測用の”窓”がある艦橋だ。

装甲は厚くても”窓”から侵入し、内部に破壊を撒き散らす高圧増幅光線砲を防ぐ事は出来なかった。

このデストリア級は艦橋要員が全滅してコントロールを失い、宇宙の果てに消えていった。

「ユキカゼ」の後部が被弾した。

躁艦用のバーニャ・ノズルが密集する ”尾翼”の一枚が敵の陽電子ビームで削ぎ落とされた。

丁度、姿勢制御のため、ノズルを吹かしていた「ユキカゼ」は思いもよらない方向へ弾き飛ばされた。
e0266858_601970.jpg

直ぐ目前に敵の巡洋艦が迫る、敵も「ユキカゼ」が自艦の方へ来るとは予想していなかったのであろう、

すくんだ様にその敵艦は動けなかった。

「対艦砲用意!」守は今まで実戦では一度も効果を上げた事のない、”対艦砲” を使う事にした。

彼の内にある”何か”は何故か、”対艦砲”の使用を促していたからである。

<こうした、戦運がこちらに向いている時はこういう ”勘” に従った方が良い・・・。>守はもう手を延ばせば
届くかもしれない距離ですくんでいるケルカピア級高速巡洋艦の艦体に 「ユキカゼ」 の艦首を押し当てる
様にしながら ”対艦砲” の発砲を命じた。
e0266858_624786.jpg

五インチ口径の実体弾がケルカピア級の装甲をボール紙の様に打ち破った。

そして火薬庫を打ち抜いた訳ではなかったのにも係わらず、かのケルカピア級は誘爆を始めた。

「ユキカゼ」 クルーは知るよしもなかったが、ケルカピア級高速巡洋艦の主兵装はミサイル・魚雷であった。

しかも、前部上面六門、前部下面四門が集中して装備されていたのだ。

火薬庫こそなくてもその魚雷発射管密集部分を ”対艦砲” で打ち抜かれ、内部で核爆発を起こされたのだから 「キリシマ」 の主砲を弾いたケルカピア級もひとたまりもなかった。
e0266858_15422183.jpg

ただ、船体は頑強な装甲で守られていたため、爆発は直ぐには拡がらず、外にいた 「ユキカゼ」 には退避する
に充分な時間が与えられた。

だが、「ユキカゼ」の戦運もここまでだった。
e0266858_634412.jpg

乱れ飛ぶ陽電子ビームの一条が、どの艦が放ったかも判らない一条の陽電子ビームが「ユキカゼ」の後下部についていた推進剤タンクを直撃した。
e0266858_643156.jpg

大爆発を起こしたかの様に見える爆煙が広がり、「ユキカゼ」 は粉微塵になったと勘違いしたガミラス艦隊は帰還して行った。

                                      105.プラート 雷神の宴(4)→この項、つづく
[PR]
by yamatoss992 | 2013-10-16 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)