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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

129.「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における光速兵器について(3)

 私は「光速兵器」は接近戦でのみ、効果を発揮する兵器で地球の海軍が大艦巨砲主義になって行ったのと同じ経過を
辿って航空宇宙戦力を充実させる必要が出て来た事を今まで述べて来た。(記事No.62~77)

しかし、前にも何度か触れたが、戦闘艦が『転移(ワープ、ゲシュタム・ジャンプ)』の能力を持つ場合、”別の戦術”が
考えられる。

(1)一撃離脱戦法 (ヒット・エンド・ラン)

これは敵艦に『転移(ワープ、ゲシュタム・ジャンプ)』で接近し、一撃を加えたら直ぐに再度、『転移』してその場を去るか、
『連続・転移』が出来なければ、全速でその場を去って安全圏に逃れ、再度、『転移』出来るまで機関が回復したら再び
攻撃を行うと言う”戦術”である。
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(この”戦術”については『宇宙戦艦ヤマト前史』本文で何度も使わせて貰ったので出来ればそちらも参照して頂きたい。)

旧・宇宙戦艦ヤマトでは『さらば宇宙戦艦ヤマト』で復活したデスラーがヤマト近傍へガトランティス駆逐艦を送り付け、
攻撃をさせた。

これがまさに『一撃離脱戦法(ヒット・エンド・ラン)』であった。

但し、本来、ガトランティス駆逐艦は『転移』の能力を持っていたはずであり、『瞬間物質移送機』を使う必要があるのか、
はなはだ疑問ではあったのだが、『精密照準』するには『瞬間物質移送機』が必要だったのでは?と私は解釈している。



(2)「転移」が可能な艦載機を使った超長距離航空宇宙戦力の運用

ヤマト2199第十話「大宇宙の墓場」でともに次元断層に落ち込んだヤマトとガミラス艦が協力する為にガミラス艦から使者が送られる。
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そしてその使者を迎えにコスモ・ゼロαー2が出撃する、その飛行(航行)中、死滅した遭難船の数々の脇を通り過ぎたが
その中の一隻がガトランティス(帝国?)のデスバテーターであった。

当時、映画館での鑑賞では通り過ぎる速度が早く、パンフに紹介が無ければ気が付きもしなかった。
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最近までこれは出渕監督の単なるファン・サービスと理解していたが、良々考えてみると次元断層に落ち込んだ船の大半は「転移」中の事故で次元断層に落ち込んだはずである。

と、すれば、ガトランティス(帝国?)のデスバテーターは短距離かもしれないが「転移・能力」がある事になる。

ヤマトを追跡して来たゲール艦隊は次元断層の裂け目が広がって旗艦「ゲルガメッシュ」以外、全ての艦が次元断層に
飲み込まれるという事故!もあったが、あれはヤマトが波動砲で無理矢理脱出口を穿った為に次元断層付近の空間に
歪みを生じ裂け目が一時的に広がったのが理由であった。

だから、あながち、波動エネルギーと次元断層の係わりは否定出来ないのだ。

だとすると、ガトランティス(帝国?)も波動機関を使っている事になるが、空間を歪ませて光速を越える方法は他にもある
のかもしれないのでデスバテーターが波動エンジンを使っているとは限らない。

もし、ガトランティス(帝国?)軍が攻撃用短距離「転移」を用いているとするとその用法は艦艇によるものだけでは無いと
考えられる。

また、艦艇による「一撃離脱攻撃」には高度の熟練した操艦技術が必要と考えられ、誰にでも出来るものでは無かった
ろう。

更に艦隊を組んで一度にこの攻撃を行うのは僚艦との物質重複爆発の危険を孕むので効果は高いが危険も大きい
「難しい技術」であった。

だから、ガミラス軍は敵の「光速兵器」をアウト・レンジする手段としてまず航宙母艦を主体とする航宙機動部隊を主力と
考えて来た。
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そして次にガミラス軍は艦載機の「シャトル運用」案、「前線基地空母」案をへて「瞬間物質移送機」使用案と運用方法を
研究してきた。
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だが、やはり、敵光速兵器のアウト・レンジを確実に行うには艦載機にも「転移」機関が積んである事が必要であり、
「一撃離脱攻撃」で相手に確実に打撃(撃沈)するにはある程度大口径の砲、それも数を多く搭載している必要があり、
この為、光速兵器である三連装陽電子ビーム砲塔を四基も積んだデストリア級航宙重巡洋艦が建造された。
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艦隊戦でこの一撃離脱攻撃を行うのは僚艦との物質重複爆発の危険を避ける為、一隻づつ攻撃をしかける必要が
あり、あまり効率の良い攻撃方法とは言えなかった。

結局、航空宇宙戦力の強化としてクリピテラ級航宙駆逐艦とガイデロール級航宙戦艦などの艦載空間魚雷搭載艦が、
ガミラス艦隊の主力であり、戦闘の主戦力は航空宇宙戦力である事には変わらなかった。
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次回はガトランティス(帝国?)軍の航空宇宙戦力とガミラスとの運用の違いについて述べてみたい。


               130.「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界におけるガトランティス(帝国?)について(1)→この項、続く
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by YAMATOSS992 | 2014-03-13 21:00 | 考察 | Comments(14)
Commented by モー太郎 at 2014-03-13 22:47 x
ヤマトワールド画面表現では
戦術拘っているようで、拘っていない ですよね。
瞬間物質移送機など出てくるのですが、
演出者が一介のアニメ作家にすぎないせいか、
ミリタリー臭漂わせながら、結局正面対決で決着みたいな。

ガトランティス回転砲が、ガトリング砲機能不発と一緒です。

そう言えば、バルゼー艦隊では、大戦艦の衝撃砲の前に、
地球艦隊は圧倒されていました。
そしてトドメに旗艦の火炎直撃砲に・・・・・・。
これも戦術というよりは、正面対決一本槍でした。
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-14 21:39
ヤマトワールドでは確かにどこまで専門用語の解釈をきちんとするか、不明瞭な部分が沢山あります。
だって波動エンジンは真空から無限にエネルギーを引き出すといった無茶苦茶な設定をわざとしていますし、
エネルギーを得られたとしてもそのエネルギーを受け取って推進力を生む推進剤はどこから調達して来ているのでしょう?
これとて明らかに判ってやっています。
戦術についても複雑にすると視聴者に解り辛い物になるので正面対決主体となるのでしょう。
カレル163でのドメルの包囲戦、七色星団の攻防等、重要な場面ではそこそこ見れる戦術を見せてくれました。(甘いですか?)
ガトランティス回転砲塔が遅いと感じられるのは速く廻すと画面で砲口が見えず、回転砲塔の特徴が表現出来ない為と考えます。
バルゼー艦隊の大戦艦の衝撃砲は固定式なのにあの有効範囲の広さはヤマトワールドならではの物です。
( 下に続く )
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-14 21:43
火炎直撃砲は私もビームを転送する転移砲として以前から自作の作品に登場させていました。
(ただ、ヤマト前史で登場させた転移砲の方が破壊力は強いと自負しています。)
ただヤマト2ではメダルーサは土方提督の作戦で土星の輪に誘い込まれ火炎直撃砲を封じられ、
メダルーサはバルゼーと共に沈みました。
この時点では土方は高度な戦術を駆使していたと思います。
(ヤマトに宇宙空母艦隊を率いさせ別働隊として敵機動部隊の殲滅に成功したのも土方の采配でした。)
しかし、この後、土方は都市帝国に馬鹿正直に正面から挑み破れました。
当時、私は「はぁ?」と口をあんぐりと開けて呆れる事も忘れてしまいました。
要するに当時は今に比べるとアニメの本数が多く物語の一貫性や設定の活用などが遣り切れていなかったのが本当のところだったのでは無いでしょうか?
Commented by モー太郎 at 2014-03-15 16:05 x
まあ原作者が原作者ですからね。
初代ヤマトの時代では、あれでも画期的なアニメでしたからね。
ストーリーありき、で。
個人的には マニアック(笑)な YAMATOSS992 様の考察に共感を覚えます。
それにしても、魅力的な発想の武器を多数創作しながら、
実に勿体ない扱いをしていますが、
それがかえって良いのかもしれないと思ったりするんです。
それがアニメ、ヤマトワールドなのかもしれません。
Commented by 大ガミラスの栄光 at 2014-03-15 20:43 x
『「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における光速兵器について』というトピックへまとめて感想を書きます(わざわざ別々の記事に返信して頂くのもブログ主さんの手を煩わせてしまうと思ったので)。

地球艦の高圧増幅光線砲は単なるレーザーでしょう。メカにこだわるスタッフなら「30mm荷電粒子砲」とか書くと思います

>何故、小口径のショック・カノンにせず、わざわざ旧式な「レーザー」を持ち出して来たのか

レーザーは別に旧式という訳ではありません。次元潜航艦の機関砲はパルスレーザーです。

>小口径ショックカノンの実用化は不可能ではなかったはず

どうなのでしょう、陽電子兵器の運用機関・実績が地球のそれを遥かに上回っているのにも関わらず次元潜航艇やFS型宙雷艇の13mm機関砲が陽電子砲化ができなかった(劇中最小口径の陽電子砲はガイペ級空母の33mm)事を考えると、ヤマトの近接防御火気がレーザーであった事は妥当だと思います。
Commented by 大ガミラスの栄光 at 2014-03-15 20:44 x
また、ガイペ級の33mm砲は機関砲ではなく速射砲と呼ばれています。
速射砲の
『装填作業が人間の操作を介さずに全自動で行われる小口径のもの(40mmないし57mm程度まで)は速射砲とは呼ばれず機関砲と呼ばれる』
という定義からすると、この33mmはパルスレーザーに比して速射性に劣るのでしょう。「速射性を取るか威力を取るか」という問題であり、ヤマトや次元潜航艦、FS型宙雷艇は速射性を取ったのでしょう。
ただ、ガイデ級やハイゼ級といった戦艦連中の近接防御火気の詳細が、レーザーか陽電子かといった詳細すら不明なので、不確かな根拠ですが

陽電子砲の長所として、「切断」を挙げられていますが、ドメル艦隊の対ガトランティス戦でクリピ級とものと思しき陽電子砲が一点放火でも多大な威力を発揮している場面が見えます。相手が駆逐艦である事を差し引いてもただの二撃で撃沈しているのを見ると、単純な破壊力も圧倒的なのでしょう。
Commented by 大ガミラスの以下略 at 2014-03-15 21:14 x
>艦隊戦でこの一撃離脱攻撃を行うのは僚艦との物質重複爆発の危険を避ける為、一隻づつ攻撃をしかける必要が
>あり、あまり効率の良い攻撃方法とは言えなかった。

>結局、航空宇宙戦力の強化としてクリピテラ級航宙駆逐艦とガイデロール級航宙戦艦などの艦載空間魚雷搭載艦が、
>ガミラス艦隊の主力であり、戦闘の主戦力は航空宇宙戦力である事には変わらなかった。

しかしそこへ現れた脅威のFS型宙雷艇!
・全長33mというコンパクトさ
・ワープが可能
・快速
・艦船を沈められる程度の武装
・汎用性の高さ(機雷敷設型、掃海艇、一個分隊を輸送可能な強襲型などのバリエーション。ちなみに七色星団で442特務小隊が乗っていたのは強襲型。)
・攻撃機並みの機動性
・高度なステルス性能
ドルシーラはこういった圧倒的性能を持つこいつに活躍の場を奪われました。FS型許すまじ

いずれこのFS型は戦場の第二の主役となりそうです
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-15 22:34
大ガミラスの栄光さん、お久しぶりです。
勉強されましたね。
大部良い考察をされる様になりました。
色々反論したい部分もありますが、長くなりそうなので又の機会に。
ただFS型宙雷艇に注目されたのはアッパレです。
私は後の記事(既に用意済み)でガトランティスの攻撃機デスバテーターが(全長48.1m)
このFS型宙雷艇に相当すると考えています。
(誰もデスバーテーターが「転移」出来ないとは言っていません。)
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-15 23:00
>陽電子砲の長所として、「切断」を挙げられていますが、・・・
私は「切断」の効果は陽電子ビーム砲に限らず、「光速兵器」なら基本的に持っている特徴だと思っています。
また、記事No.127では何故、ガミラスは陽電子ビーム砲を採用したのか、その理由を書いています。
単なる光速兵器では敵の装甲板にビーム直径分の穴を穿つだけです。
それを補うのが反物質である陽電子ビームです。
ビームが反物質であれば通常物質である装甲とぶつかれば対消滅反応を起こし、爆発、被害を
拡大させる事が出来るのです。
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-16 06:28 x
>劇中最小口径の陽電子砲はガイペ級空母の33mm)事を考えると、ヤマトの近接防御火気がレーザー
であった事は妥当・・・
これらの事を根拠にヤマトのパルス・レーザーが旧式兵器でなかったと考えておられる様ですが、
もし、レーザー兵器が旧式兵器でなかったとすれば、「パルス」方式の発射方式である事に意味があります。
単純な照射方式のレーザーでは「切断効果」はありますが威力は大幅に減じてしまうからです。
パルス式にして初めてそれなりの破壊力を得る事が出来るのです。(実体弾の機関砲と同じ用法)
また、これは設定資料集には高角連射砲塔群としか、書かれておらず、砲の種類までは設定されていませんでした。(失礼!)
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-16 06:58 x
ただ私が気になったのはヤマト艦橋の後方観測室の窓を外から捉えた画面で一緒に映っていた高角砲が
やけに大口径だった点でした。
近接防御を目的とするならビームの種類に関係なく、小口径にして代わりに設置数を増やし弾幕を厚くする
必要があると考えたからです。
また、現実の米軍の正式拳銃がガバメント1911でしたがこれなど採用されたのが1911年で1985年、
ベレッタ92に変わるまで実に74年間も使われ続けました。
レーザー兵器も今は威力が小さく実戦での破壊目的での使用は出来ませんが、2199年ごろには主力兵器たる
破壊力を持つ様になるかもしれません。
(弾を飛ばす兵器と大括りをすれば約500年も銃は使われているのでレーザーもその位のスパンで用法が変わるだけと考える事もできます。
そうすれば現代から約2000年ですからまだ使われていてもおかしくありません?)
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-16 07:36 x
>また、ガイペ級の33mm砲は機関砲ではなく速射砲と呼ばれています。
速射砲の『装填作業が人間の操作を介さずに全自動で行われる小口径のもの(40mmないし57mm程度まで)は速射砲とは呼ばれず機関砲と呼ばれる』という定義からすると、この33mmはパルスレーザーに比して速射性に劣るのでしょう。「速射性を取るか威力を取るか」という問題であり、ヤマトや次元潜航艦、FS型宙雷艇は速射性を取ったのでしょう。

あなたも「速射」や「連射」と言う言葉の意味を正しく理解して使っていますか?
少なくとも設定者達は理解しておらず、ただ”らしさ”を追求する為に使っています。
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-16 07:44 x
何故なら、実体弾なら速射性・連射性の意味はありますが、エネルギーに途切れが無い限り光速兵器は
破壊力に完全な連続性があり、速射や連射の意味はありません。
私があえてパルス・レーザーを認めるのは74ヤマト世界を尊重しての事です。
従ってガイペロン型多層航宙母艦の33mm陽電子四連装速射砲とFS型宙雷艇の33mmレーザー機関砲の
違いは威力と速射性の比較決まったと言うより設定者の無理解が生んだ混用だと思っています。

ただそれでもガイペロン型多層航宙母艦はエネルギー・ソースが豊富なので同じ33mmでも高威力の陽電子
ビーム砲を備える事が出来たと後設定する事は出来ます。
反対にFS型宙雷艇はエネルギー・ソースが貧弱なので133mm陽電子ビーム・カノン砲に主なエネルギーを
廻しているので旋回砲塔は四連装レーザー機関砲しか使えないと考える事が妥当では無いでしょうか。
次元潜航艦にしてもまたしかり、会敵して次元潜航するまでの僅かな時間、反撃出来れば良いので最小限の
武装ですましているのでしょう。
次元潜航艦は主として次元潜航する事にエネルギーを使わねばならないので武装は二の次です。
(現在の潜水艦など外装武装は皆無です。)
Commented by YAMATOSS992 at 2014-03-16 08:15 x
ついでに次元潜航艦は詩作艦=新鋭艦(?)と言う設定になっていますが、私は旧式艦だと思っています。
なぜなら「ゲシュタム・ジャンプ」を利用した「一撃離脱戦法」が使える以上、危険な次元潜航などする
必要がないからです。
次元潜航艦はまだ「ゲシュタム機関」が性能が不安定で一定距離しか跳べなかったころ、敵艦隊や敵船団に
付きまとう「群狼戦法」を執る為に生み出されたUボートの様な位置づけの艦だと考えています。
(当然、次元潜航は自殺行為に近い危険なものだった事でしょう。)
これはフラーケンの直接の上司がディッツ提督だと言う事でも想像出来ます。
(ナチス・ドイツの最後の海軍提督はデーニッツ、彼は潜水艦戦の専門家だった。)

結局、長々と自説を論じてしまいました。 御付き合い下さり、有難う御座いました。