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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

133.「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界におけるガトランティス(帝国?)について(4)

 ガトランティス艦が装備している回転砲の特徴は「速射性」に勝れる事だと良く言われる。

しかし、実際に描写されてる場面を見るとそれ程の「速射性」は感じられない。

ではどうして回転砲が『公式設定資[GARMILAS]には発射速度が遅い』とあるにも係わらず、「速射性」を持っていると
皆が思ってしまったのか、その辺りを紐解いてみたい。

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それには地球に現存した火砲の歴史を辿ってみる必要がある。

「もののけ姫」の「石火矢衆」が持っていた銃(石火矢?)が初期の銃でハンド・キャノンと呼ばれる。                
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これが扱いやすい様に改良を加えられついに明治維新維新の頃には前装方式ではあるが、雷管を使った扱いやすい
エンフィールド銃になり、改良は一段落を迎えた。
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但し、単発で弾丸の装填に時間が掛かる点は大規模な戦場で使用するには発射速度が遅すぎて問題となった。

ここで発射速度の向上を目指す二つの流れが生まれた。

(1) 単発式の銃を後装式にして、更にそれを束ねて回転させ、一発撃ったらその銃は回転させて次の銃を発砲、
    発砲した銃は回転して発射点に戻ってくるまでに弾と発射薬を装填、発射点に来たら再び発砲する・・・
    これを繰り返す事で機関銃的な弾幕を張ろうとしたのがガトリング」・ガンである。
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但し、ご覧の様に威力はあるが、大型で重く、個人が持ち運べるものではなく、『砲』に分類された。
(発射速度:毎分200発)
(さらに当時の技術では装填部の機構の複雑さと銃身を回転させる動力が人力だった事もあり、信頼性にかけた。)

(2) 発射速度が劣るエンフィールド銃であったがこの時代になると弾と装薬を一体化、パッケージ化されており、
    発射速度は毎分2~3発に向上していた。

    しかし、それでも押し寄せる敵軍を押し止める発射速度が不足で更なる改良が求められた。

    その結果、生まれて来たのがボルト(レバー)・アクション式の半自動装填銃であった。
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    この装填数5発、ボルト・アクションの時代は第二次世界大戦の時まで続いた。

完全自動装填を実現した機関銃(砲)は戦場の大きな脅威ではあったが、個人携行出来るものでは無く、まだ、全兵士が
持つ様にはならなかった。{(2)の流れの延長線上に位置する。)

しかし、航空機同士の空中戦には機関銃(砲)は不可欠な存在であった。

軽快に飛び回る敵機を捕えるのは固定目標を狙撃するのとは訳が違ってある程度の範囲を持つ弾幕が必要不可欠な
物となったが、自機も軽快に機動する必要がある戦闘機の場合、武装は最小限度で済ましたい所だった。
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だから第一次大戦機、1930年代の頃の戦闘機は7.7mm機銃を多くて二丁備えるのがせいぜいだった。

しかし、爆撃機の重要性が増し、戦略爆撃思想が広まると戦闘機の武装に二つの流れが生まれた。

(1)大量の弾を浴びせかけ、爆撃機編隊の中の出来るだけ多くの機体に損害を与える事を重視する考え方。
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この両機はその代表だが、どちらも搭載機銃の数こそ多けれ、口径は7.7mmである。

(2)大型の爆撃機の中には重装甲で7.7mm機銃が通用しない「空の要塞」と呼ばれる重爆撃機が存在した。
(ボーイング B17・フライング・フォートレス)

これを撃墜するには爆撃機の装甲を貫ける炸裂徹甲弾を打ち出せる20mm以上の口径を持つ機関砲を搭載する必要が
あると日本海軍の航空関係者は考えた。
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その結果、生まれたのが零戦(れいせん)である。

しかし、20mmは当たれば威力があるものの、初速、発射速度が遅いため、中々、命中しなかった。

各国共、初速を上げる改良を進め、ある程度、問題は解決したが、発射速度の方は上がりはしたものの、機銃並みの
発射速度が得られる訳もなかった。

そこで米国は昔の自分達の発明、「ガトリング・ガン」を思い出した。

機関砲が機関銃よりも発射速度が劣るのは弾が重く、砲の機構も重くなっている為である。

ならば、一発発射してその20mm砲が排莢、次発装填をしている間に既に装填が済んでいる他の20mm砲が発射をし、
一回りして元の位置に戻って来たら再びその砲を発射すれば良い。

これが現在、皆が良く知っている「ガトリング・ガン(砲)」の考え方である。

しかし、これは単発銃を廻していた「本来のガトリング・ガン」の場合でも同じであった。

でも、やり方は変わらないが、廻す銃を機関銃(砲)にしたら、回転速度はとてつもなく速くなり、発射速度は常識を
超えたものになる、これが「新しいガトリング・ガン」の姿だったのだ。
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私はTVであったがこの「バルカン砲」の試射風景をみた事があった。

数秒間、砲が唸りを上げて回転し、発射煙に包まれる、すると十数m先の空間に「光の雲」(多分、曳光弾)が現れ、
それが信じられない程ゆっくりと標的に向かって飛んでゆくと次の瞬間、まだ「光の雲」が到達していないのに、標的は
文字通り粉微塵になっていた。

私は何が起こったのか判らず、狐につままれた気分だった事を覚えている。

毎分6000発と言う信じがたい発射速度は正にSF的な光景を見せてくれた。

私はこの信じ難い光景をアニメや特撮作品の中で未だ見た事がない。

多分、製作者サイドの多くが実際のガトリング・ガンを砲身数が多くて、発射速度の速い砲(銃)と言う概念的な理解しか、
していないため描写の仕方が判らないのではなかろうか?
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だがこれは偶然だとは思うのだが、ガトランティスの回転砲塔の発砲風景がかつて私がTVで見た「バルカン砲」の試射
風景と酷似しているのである。

あまりに発射速度が速いとかえって曳光弾の進み方がゆっくりと見える様にガトランティスのビームも連射速度が
あまりにも速くて画面上は遅く見える・・・って事はないでしょうかね。

次回はガトランティス回転砲塔の原理・構造と運用方法について考察してみたい。


               134.「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界におけるガトランティス(帝国?)について(5)→この項、続く
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by YAMATOSS992 | 2014-03-26 21:00 | 考察 | Comments(0)