ブログトップ

宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

168.イルダ・走る!-(13)

 ユリーシャは続けた。

そうしたらそのガミロイド、オルタと名乗ったけど自分の存在を問うと答えられず混乱していたわ。>オルタが出会った
”この船の女神”はやはりユリーシャの意識だったのだ。

<”自分”と言う意識を持ち、その”存在理由”を考えるのは”心”がある証拠よ。 

多分個々のガミロイドだけではその”意識”は薄い、ヤマッテで出会ったオルタが自己を持ちながらも存在意義までは
語れなかった様に・・・、でもガミラス本星では違う、膨大な数のガミロイドがNetで繋がっているわ。
e0266858_7595548.jpg

これは”ジレルの総体”の機械版と言って良い”能力”を秘めているわ。

今のまま、ガミロイドを生産し続ければ数十年もすれば機械版の”総体”が生まれ意識を持って行動するでしょう。>
ユリーシャは恐るべき事態を予言した。

<でも私はそれを望まない、今、”生きているガミロイド”は心を持つ知的生命体として尊重すべきだけれど
もはや膨張政策を止めたガミラスにとって”代理兵士”はもういらない。  生産は中止させるわ。>

イルダはユリーシャの物言いに何か違和感を感じた。

<高貴なるイスカンダ、・・・ユリーシャ様、失礼ですがその御言葉、旧総統・デスラーのようですが?>イルダは疑問を
持ったら黙って居られない性質だった。

<あら! 知らなかったの? 私はデスラーが去った後の混乱を最小限度にする為、ガミラス人が文句なく従がえる
”存在”としてガミラスで”皇室”を開く様、ガミラス政府高官達から要請されたの。>今や、女皇となった彼女は
イルダの知る悪戯好きな茶目っ気たっぷりの第三皇女では無かった。
e0266858_1555281.jpg

<我々の”秘密”を知られた、貴方を殺す!>ジレルの”総体”がユリーシャに向かって鋭い精神衝撃波を発した。

だがその”心の槍”をイルダは”心の盾”を作って弾いた。
e0266858_15525473.jpg

<全く、もう、貴方達は”精神体”となっても物理的暴力から離れられないのね。  ”ジレルの総体”、これじゃ平和の為に
”その種族全体”を捧げた御先祖様に顔向け出来ないわよ。>

”総体”もその宿り先であるガミラス人が死んだり、新しい子供が生まれる事で”総体”全体としての”記憶”は変わらない
ものの、”意識”は常に新陳代謝していた。

<イルダもイルダよ! 心理操作によって血を流さない戦闘を学んだはずなのにどうして最後は暴力なの?
テロン人の方がよっぽど潔い戦士だったわ。>ユリーシャは約半年間を共に過ごしたヤマトの仲間を思った。

彼等は予想された苦難の旅への恐怖から波動エネルギーを大量破壊兵器に応用してしまった。

最初はその事に強い不快感を持ったユリーシャだったが、彼等はその筒先をガミラス自体に向ける事は無かった。
(木星、浮遊大陸をその試射で破壊した時、ユリーシャの意識はまだ戻って居なかったのでこの件は知らなかった。)

e0266858_21361236.jpg

最後の使用に至ってはデスラーの”暴挙”から一般ガミラス臣民を救う為に使った。

「言葉ではなく、行動で!」彼女はかつてヤマトの沖田艦長と交わした約束を思い出していた。

しかもヤマトはイスカンダルでこの上ない力、波動砲を捨て、”コスモリバース・システム”への改修を快く受け入れた。
e0266858_21480841.jpg
e0266858_07132845.jpg
「一度出来た旅がもう一度出来ないはずはない!」沖田の決意を後で姉から聞かされた彼女の頬に涙が伝わった。

彼女は自分の父を知らなかった。 

生後、間も無く王都を疫病が襲った時、イスカンダルの王と王妃は三人の王女をクリスタル・パレスに彼女達を
隔離すると宮殿の外で病魔と闘ったのだ。

結果は二人の努力にも係らず王都イスク・サン・アリアに残っていた僅かなイスカンダル人は全滅してしまった。

だが王と王妃は自分達の体を使って”ワクチン”の培養に成功し、三人の王女にそれを摂取、病魔から彼女達を
守る事には成功していた。  

だから姉達から伝え聞く”偉大”だった父の姿を”偉大で強い「漢」”沖田に重ねて涙した。
e0266858_06480216.jpg
そして、その圧倒的な感情の”津波”はイルダの精神も”総体”の集合体精神も飲み込んで行った。


                    169.イルダ・走る!-(14)ーこの項続く  
                                                                                                                  



[PR]
by YAMATOSS992 | 2014-12-14 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)