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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

カテゴリ:考察( 38 )

 私は以前、「別項(2) ヤマト2199の登場艦艇考察 地球艦隊編」で地球艦艇について戦艦、巡洋艦、駆逐艦、
それぞれについて考察をしてみた。

しかし、ガミラスの航空宇宙戦略を分析してみた今、もう一度、地球の戦力とその運用について分析し直して
みたいと思う。

 ガミラスが何時から航空宇宙戦力を持ち、それを運用してきたか、それは不明だが、地球の場合は有る程度、
その運用思想を分析する事が出来る。

1939~1945年の第二次世界大戦で地球の航空戦略の基本が完成した。

戦略爆撃と防空管制のシステム運用、海上戦闘における航空機動部隊の運用、海上通商破壊戦の徹底で
ある。

<戦略爆撃>
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<防空管制のシステム運用>
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<航空機動部隊の運用>
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<米国の主力爆撃機と攻撃機(第二次大戦後半)
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<空母と戦艦の世代交代>
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<通商破壊戦の徹底>
相手国の国力が資源の輸入に頼っている場合、この輸入による補給路を断つ事で敵に対してより有利に戦争を
進める事が出来る。

第二次大戦までは大量の物資の輸送は船舶に頼らざるを得なかった。

このため、敵国に対して積極的にその通商路を破壊する戦略を取った国が二つあった。

第一次大戦のころから英国という強大だが、その生命線を輸入に頼っている国を相手にしてきたドイツと、
あまり知られていないが、第二次大戦で大日本帝国の補給路を潜水艦隊を有効に使う事で完全に絶って
その息の根を止めた米国である。

<ドイツ・通商破壊戦 水上艦での破壊活動>
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<真の海上交通破壊戦の主役・潜水艦>
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<魚雷方位盤>
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<戦略爆撃の核攻撃化>
核兵器が実用化するとそれを運ぶ爆撃機もジェット化し性能は桁違いにあがったが、爆撃機はまだ、有人の
ままであった。
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 しかし、核は今まで人類が手にした破壊力とは次元の違う威力を持っていた。

その為、核兵器の運搬に人の操縦する航空機を使わない方法、核爆弾そのものに推進器を付けてこちらの
本土から敵の本土を直接狙う大陸間弾道弾(ICBM)と呼ばれるミサイル群が発達した。

また、潜水艦から発射するSLBMと呼ばれる中距離ミサイルもこの戦略核攻撃の一翼を担って配備された。

<戦略核攻撃の無人化>
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こうして核戦力は無人化出来たが東西両陣営とも同じ力で均衡を保っていた。

しかし、お互い相手に一歩先んじないと不安になる人類の性は新しい兵器の形態を生み出した。

高空を飛んで敵を攻撃する戦略核爆撃や一度大気圏外まで飛んで再度大気圏内に突入する大陸間弾道弾は
敵に攻撃が発見され迎撃される恐れが高かったのである。

そこで爆撃機がレーダーに掛らない超低空を高速で飛行して攻撃する戦術が編み出された。

これには多大な地形情報が必要であったが、その情報が集まってみると新しい戦術が生まれた。

PGM(精密誘導兵器)の登場である。

これは基本的に言って無人攻撃機であった。

<PGM(精密誘導兵器)>
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 思えば有史以来、地球の歴史に血の流れない日はなかった。

また、そうした戦争に備えて戦略をたて、戦術を練り、武器を工夫する事に明け暮れる歴史だった。

その集大成として生まれたのがこれまで見てきた「戦略攻撃と防空管制のシステム運用、海上戦闘における
航空機動部隊の運用、海上通商破壊戦の徹底、精密誘導兵器の活用法」である。

 これは「ヤマト2199」でガミラス側がとっている戦略とほとんど同じである。

しかし、ガミラスは航宙戦闘に到って初めてここまでの戦略に到ったのに対し、地球側はまだ宇宙戦の時代には
到っていなかったのに既にそれだけ練れた戦略と戦術を持っていた。

対ガミラス戦争では地球は「遊星爆弾」によって滅亡のふちまで追い詰められてしまうが、2191年の開戦以来、
八年間も持ち堪えていたのがその証拠である。

ガミラスはゲシュタム・ジャンプと呼ばれる一種の空間転移技術を持っているのに対し、地球側は自分達の
太陽系から今だ足を踏出す技術すら持っていなかったのに・・・である。

また、艦隊戦になればガミラスの陽電子ビーム砲は一撃で地球艦を葬れるが、地球艦の高圧増幅光線砲は
ガミラス艦の装甲に簡単に弾かれ損害を与える事は出来なかった。

但し、メ号作戦で用いられた試製空間魚雷や「ヤマト」に搭載された三式融合弾など実体弾の分野では充分
ガミラスにも通用する技術を持っていたと考えられる。

<第二次火星沖開戦>
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この戦いは詳細が語られた事はなく、その内容は不明である。

地球各艦艇の艦首に固定装備された陽電子衝撃砲が威力を発揮したとの説が有力だが、波動エンジン
入手前の地球軍艦艇ではそれは疑わしいと私は考える。(出力が大幅に足りない。)

「ヤマト」の主砲に選定されたところを見ると、高圧増幅光線砲よりは威力があったと思われるがガミラス艦に
対抗出来る程の出力は期待出来ない。

それよりは、地球の伝統的な、大質量兵器である対艦ミサイルが効果を発揮したのではないだろうか?

次回はそこまで成長していた地球軍の航空宇宙戦略とその運用について、対ガミラス戦の前、内惑星戦争を
題材に語ってみたいと思う。


      71, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(14) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-27 21:00 | 考察 | Comments(0)
 その他のガミラス航空戦力はどう変わったのであろうか。

艦隊用攻撃機は対艦ミサイルに全て置き換わったといっても艦隊防衛用の戦闘機はやはり、必要である。

また、情報収集用の偵察機も必要であるが、これは、魚雷発射管から打ち出す無人探査機が主に用いられ、
これが偵察力の主力であるが、正体不明の未知の目標を偵察する必要がある場合、無人探査機で大まかな
偵察は行えるが、接近してのその物体や現象の細かい探査を行うためにはどうしても有人機が必要となる。

こうした場合、有人の戦闘機がその用途に用いられるのだ。

こうした戦術用途に必要な特性は敵対艦ミサイルを迎撃出来る圧倒的な火力と敵艦載機(戦闘機が主)を排除
出来る軽快な格闘性能である。

こうした新しい航宙艦隊戦略に合わせて生まれたのが空間格闘戦闘機DWG262「ツヴァルケ」である。

 1.空間格闘戦闘機DWG262 「ツヴァルケ」
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この機体は以前、艦載戦闘機の花形だったDWG109「デッバッケ」とは異なり全長と全幅が殆ど等しいくらい
幅が広い。

これは、高機動を実現するために高機動ノズルを多数装備すると同時に質量中心を機体の中央付近に出来る
だけ近づけ、機体の質量分布を機体中心にまとめる事で、長いスパンを持つ主翼端にある高機動ノズルからの
噴射を効率良く機体の機動に繋げるための設計である。

武装は13mm機銃×6門、30mm機関砲×4門 対空ミサイル×6基(ミサイルの種類はその時々の任務によって
変えられる。)と、非常に重武装である。

これは前主力の艦隊用戦闘機、DWG109「デバッケ」と比べると火力、高機動性が大きく増しており、短時間で
敵の対艦ミサイルを迎撃し、敵艦載機との戦闘も時間をかけずに済ませ、ミサイルを内臓式にする事で
ミサイルを装備していても機体の質量分布が外側に拡がって機体の高機動性を損なう事のない様に考えられて
いる。
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DWG109「デバッケ」の固定武装はDWG262「ツヴァルケ」に大きく劣っており、対戦闘機戦には充分だが、
一度の攻撃で目標に致命的な打撃を与える能力が不足していた。

更に、ミサイルの搭載位置も外翼下面でDWG109「デバッケ」の全幅がいくら少ないと言っても、ミサイルを
外翼に装備すると機体の重量分布が外側に広がり、機体の運動性能を損なうのは否めない。

また、これまでに発表された資料では不明だが、DWG262「ツヴァルケ」は内翼や外翼にもミサイル搭載用の
ハード・ポイントがあるのではないか?と考えられる。(内翼×1ヵ所、外翼×1~2ヵ所?)

外翼にハード・ポイントを設けて(対空)ミサイルを装備すると内臓ミサイルの発射の邪魔になる様に見えるが、
戦闘時にはハード・ポイントに装備したミサイルをまず消費するので内臓式ミサイルの使用には問題とならない。
(もちろん、外装ミサイルの発射後はそのミサイルを懸下していた専用パイロンも投棄する必要があるが・・・。)

 ガミラスの戦闘機は大気圏内外両用での使用が前提に設計されているが、前主力戦闘機のDWG109
「デバッケ」は航宙艦隊での使用が主と考えられていたと思われるれ、大気圏内での戦闘は苦手だったと
思われる。

しかし、DWG262「ツヴァルケ」はその形態から見て完全に大気圏内外での両用使用が前提になっている。

こうしたDWG262「ツヴァルケ」はその万能性からメルトリア級航宙巡洋戦艦の艦載機として運用されているのが
確認されている。(搭載機数は不明・・・1機以上、予備機を含めると最低2機は積んでいたと考えて良い。)

その他、今は前線基地の防空戦力としても使われている。(ビーメラ星系、「ゲシュタムの門」のコントロール
衛星に遺棄されていた機体があった所を見るとかなり以前からDWG262「ツヴァルケ」は局地防衛用にも使用
されていたと考えて良いのではないだろうか?)


ではDWG262「ツヴァルケ」登場前の航空宇宙戦力の戦闘機は何を使っていたのであろうか?

航宙艦隊の艦載機としては多層式航宙母艦専用に設計されたDWG109「デバッケ」が使用されていた事は
既に述べた。

しかし、この機体は大気圏内での戦闘が苦手であったと考えられる。

であれば、前線基地の局地防衛はどうしていたのであろうか?

ガミラスではこうした大気のある場所も含めた局地防衛用の機体を用意していた。

それが空間駆逐戦闘機DDG110「ゼードラーⅡ」である。
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この機体は長い航続力と重武装を持っていた。
(7.9mm機銃×2門、13mm機銃×2門、47mm機関砲×4門、空対空ミサイル×6基)

しかし、あまりの重武装に機体が重くなり過ぎ、運動性が下がってしまって対戦闘機戦では不利になって
しまった様だ。

それは、「ヤマト」と「ガミラス冥王星前線基地」との戦い、地球名「メ2号作戦」時、「ヤマト」艦載機との戦闘で
簡単に駆逐されてしまったのを見ても判る。
(「ヤマト」艦載機:99式空間戦闘攻撃機「コスモファルコン」 後述 )

たぶん、局地防衛も大方はDWG262「ツヴァルケ」が使用されていたものの、太陽系(ガミラス呼称:テロン)
攻略などは辺境での作戦と考えられ、防空戦闘機は二線級の空間駆逐戦闘機DDG110「ゼードラーⅡ」が
あてられていたと考えるのが順当であろうか?

 次回からは「地球」側の航空宇宙戦略とその使用艦艇・機体について考察してみるつもりだ。


      70, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(13) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-26 21:00 | 考察 | Comments(0)
 8.ポルメリア級強襲航宙母艦
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一つの発艦用の腕から発進する艦載機は6機が標準である。
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一つの作戦で使用される艦載機の数は二十四機である。(予備機 8機)

偵察機は2機である。(予備機 2機)

すなわち、搭載機は
戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」24機(別に予備機 8機、これは各腕に2機づつと考えるからである。)
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偵察機FG156「スマルヒ」は2機(各腕に一機づつ搭載しているが、常時使うのは二機であった。)
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戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」も偵察機FG156「スマルヒ」も全翼機である。
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どちらもこの新しい航宙母艦に積む為に考えられたデザインであった。

戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」は極力、小型でかつ、兵器の搭載量を多くする為に全翼機とした。

偵察機FG156「スマルヒ」は小型でかつ航続距離の長い機体を求めて全翼機としたのである。

どちらも大気圏内で運用するため、速度を犠牲にしている。

ただ、エンジン推力は非常に大きかったので敵機に襲われた時は横に広がった翼が空気抵抗を少しでも早く
減らせる様に垂直に上昇していち早く大気圏外に出ると言う地球の機体では考えられない機動をする。
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ポルメリア級が今までの航宙母艦と大きく違うのは母艦そのものが地上攻撃能力を持つ事である。

このポルメリア級強襲航宙母艦は目的の惑星の衛星軌道上に留まり続け、地上の状態を監視し続ける。

最初に偵察機FG156「スマルヒ」を放ち、敵情を探り、作戦目標がたった所で戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」で目標を細かく叩くべきものと残したいものを区別して攻撃するか、主砲を使って一気に殲滅するか、決めるので
ある。
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そして何よりこの宙母が他のガミラス艦と大きく違うのはその推進システムである。

ゲシュタム・ジャンプは出来るので主機関はゲシュタム帰間であるのは変わらないが、通常のガミラス艦が噴射推進であるのにこのポルメリア級強襲航宙母艦は慣性制御を拡大した重力制御推進を採用している。

これはポルメリア級強襲航宙母艦の任務の必要上、大気圏内まで降りてゆく場合があるからである。

他のガミラス艦も重力のある惑星表面に降りる際は慣性制御機関を使っているが、ポルメリア級強襲航宙母艦は
惑星の衛星軌道上に留まり続ける事が多いので慣性制御機関を使う頻度が高く、それならば通常空間を航行
するのにも慣性制御機関を使った方が、機関もコンパクトにまとまり、その分、艦載機の搭載量を増やす事が
出来た。

親衛隊仕様
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 反乱に対する「懲罰」を目的とする親衛隊の攻撃は情け容赦の無い問答無用の破壊力を求められたのだ。
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民衆の隊列に爆弾を落す親衛隊の戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」
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この様にポルメリア級強襲航宙母艦はガミラスの航空宇宙戦略の変化に合わせて生まれて来た新艦種である。

これまでのガミラス艦艇とあまりに形態が違うのでガミラスが併合した別の星間文明で使われていたものだと
いう説もあるが真偽の程は定かではない。


      69, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(12) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-25 12:00 | 考察 | Comments(4)
 さて、これまでガミラスの艦隊運用戦略に基づいて航空宇宙兵力について論じてきたが、航宙母艦については
艦隊戦の他に敵惑星の地表を征圧する任務も存在する。

前に紹介したDMB87「スヌーカ」など完全に大気圏内運用を視野に入れて設計されている。
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「七色星団の攻防」時には無重力空間での戦闘だったため、武装は中型対艦ミサイルと小型対艦ミサイルを
使用していたが、本来は有重力の大気圏内で運用する場合、その武装は自由落下型の爆弾が主となる物だと
考える。

そして、急降下爆撃の際のエア・ブレーキを兼ねるためか、タイヤは引き込み式であるものの、主脚は固定式で
ある。

これでは大気圏内で敵の戦闘機に追われた場合、主脚が空気抵抗となって速度が上がらず、簡単に撃墜され
てしまったのではないだろうか?

 幸い、「七色星団の攻防」は大気の無い場所で行われたので、対艦ミサイルを発射して身軽になった
バーガー隊は「ヤマト」の艦載機 コスモ・ゼロ アルファー2 に食い下がられるも全滅は免れ、帰艦している。

この機体も前に紹介した空間雷撃機FWG97「ドルシーラ」と同じく、旧式化して第一線を離れていた物と考えら
れる。

現在、航宙艦隊の航空宇宙兵力は大半が空間魚雷(対艦ミサイル)に変わってしまって無人化・長射程化が
進んでいるが、敵惑星の地表を征圧する任務は残っている。

もちろん、完全にその惑星の生物を絶滅させるつもりなら、「遊星爆弾」や「惑星間弾道弾」を使えば済む。
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しかし、それでは何のためにその惑星を制圧しようとしたのか、わからなくなる。

単に艦艇の基地が欲しいのであれば、わざわざ 惑星表面などの重力井戸の底に降りてゆく必要など無い。

宇宙空間の方が煩わしい重力が無いので艦隊の補給・整備など楽に行えるからだ。

となると、その惑星を制圧する意味はその星の持つ自然や資源、人的財産などを極力傷つけない様にして
自分達が利用出来る様にする事にある。

こうした壊したいもの、壊したくないものを区別して選択的に攻撃、制圧するのにはどうしても有人の航空機が
必要となるし、その航空機をその惑星まで運搬する母艦も必要となる。

この任務にも多層式航宙母艦が長らく使われていた。

しかし、この宙母は多層式甲板を効率良く使う為に宇宙を飛んでいるのに各甲板には慣性制御を働かせて
重力を作り出すという、ある意味、贅沢な装備を持たざるを得なかった。

当然、コストも掛る、艦隊戦の花形だった時にはそれでも良かったが、旧式化して後方戦力として惑星制圧
作戦にしか使わなくなるとそのコストが問題となった。

ガミラスの版図はどんどん広がり惑星制圧用の航宙母艦の数もどんどん必要になって来た。

惑星の制圧は一度で済めば良いが、相手もしたたかで常時監視していないと何時 反撃して来るか、判らない
と言う問題もあった。

このため、新たに、コストが掛らず、それ自体も強力な地表探査能力と地表攻撃能力を持つ新型の航宙母艦が
計画された。

それがポルメリア級強襲航宙母艦である。
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この航宙母艦は今までのガミラス艦艇と大きく違うので次回、単独で取り上げ分析する。


      68, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(11) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-24 21:00 | 考察 | Comments(0)
 ここで航空宇宙兵力の直接的考察ではないが、強力な航空宇宙兵力を効率良く運用する為に開発されたと
思しき指揮艦艇群についても見てみたい。

 5.メルトリア級航宙巡洋戦艦
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 二等航宙装甲艦では最大級の艦である。

この艦もデストリア級と同じく砲頓兵装を重視した艦だ。

しかし、デストリア級と異なり、内火艇や艦載機の運用能力がある。

(どれだけの機数を積めるのか、不明だが少なくとも空間格闘戦闘機DWG262「ツヴァルケ」を一機は積んで
いる。)

特徴としてはやはり、同じ330mm陽電子ビーム砲でも砲身のあるカノン砲を積んでいる事だ。

これにより、通常のデストリア級より強力な攻撃が可能となっている。

その役割はバラン星の前の中性子星カレル163宙域での「ヤマト」との戦闘や小マゼラン星雲周辺宙域での
対ガトランティス戦を見ると小艦隊の旗艦の役割を演じている場合が多い様だ。

ただ、「次元断層」に落ち込んでいた場合などを考えると、独航していたと思われ、単艦での運用もなされる
と判断される。

その様な単艦運用時の防衛のため戦闘機を積んでいるものと考えられるが、「ヤマト」ほどの多数の艦載機を
積んでいるのだろうか?

興味深いところではある。


 6.ハイゼラード級一等航宙戦艦
この艦は情報・宣伝相ミーゼラ・セレステラの専用艦であるが、親衛隊長官ハイドム・ギムレーも専用艦
「キルメナイム」を持っており、このクラスは押しなべて政府高官の専用艦となっている場合が多い様だ。
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武装はガイデロール級二等航宙戦艦に準じているが前面上部の主砲だけは三連装330mm陽電子ビーム
・カノン砲2基に換装されており、一等航宙戦艦らしさをかろうじて保っている。

政府高官の専用艦として使用されているのであるから武装よりも情報の収集・処理能力に長けている必要が
あると思われるが実際のところはどうであろうか?

私は「メルトリア」級も含め、「ハイゼラード」級も多数の空間魚雷の発射管を備えており、強力な攻撃力を保持
しているが、(空間魚雷発射管数:「メルトリア」級×6門(艦首のみ)、「ハイゼラード」級×23門)これは全て
攻撃用に使われるのではなく、探査能力を持った探査機を打ち出して情報収集を行っているのではと考えて
いる。

攻撃と探査を同じ空間魚雷発射管を利用して行えるのであれば、こんな効率の良い事はない。

探査能力を持った空間魚雷があれば、他の航宙駆逐艦や航宙高速巡洋艦、航宙重巡洋艦、航宙戦艦にも
使用出来、ガミラス航宙艦隊の情報収集・探知能力は非常に高いと考えられる。

政府高官が使用する事の多い「ハイゼラード」級が「ガイデロール」級二等航宙戦艦の船体をベースに開発
されているのは「ガイデロール」級の非常に多い空間魚雷の発射管数(計23門)を利用するためと考えると
非常に納得の行く物となる。(当然、搭載している空間魚雷は探査用が主で攻撃用は最低限度と考えられる。)
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 7.ゼルグード級一等超弩級航宙戦艦
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他のゼルグード級もこの装備を持っているのかは不明である。
(「デウ・スーラ」が爆破され、デスラー総統(の影武者)が暗殺された時、脱出に使われなかった。)

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ゼルグード級一等航宙戦艦は「ヤマト」の約2倍の全長を持つ超弩級戦艦である。

しかしその武装は大きさに比して少なめである。

主武装は四連装490mmの陽電子ビーム砲塔×7基であり、大口径ではあるが長砲身を持つカノン砲ではない。

副砲も三連装330mm陽電子ビーム砲塔×4基であり、それほどの大威力は求めていない。

空間魚雷の発射管は艦首×6基、艦尾×6基、艦橋×6基と変則的である。

艦橋に魚雷発射管があるのは艦橋を切り離して独立戦闘指揮艦として運用する際の武装・兼・探査機発射管と
して機能させるためと考えられる。 (ドメラーズⅢ世以外もやはり、分離・運用出来る?)

さて、通常の航宙戦艦の二倍の大きさを持つ、この艦の建造目的は何であろうか?

有人の艦載機を運用する訳でも、強力極まりない火力を持つ訳でもないこの艦の最大の特徴はその防御力に
あるのではないだろうか?

「ヤマト」のショック・カノンの直撃を前面装甲とは言え、跳ね返したガミラス艦はこのゼルグード級のみである。

現にその使用者は大ガミラス帝星総統アベルト・デスラー、中央軍総監ヘルム・ゼーリック、小マゼラン方面軍
防衛司令官(後に銀河方面作戦司令長官)エルク・ドメルと大ガミラス帝星のNo.1、No.2及び国民的英雄と
しっかり守らなければならない重要人物ばかりである。

但し、私はドメル将軍は本来ならもっと軽快で情報収集能力の高いハイゼラード級辺りが好みだったと推察
する。

国民的英雄として大ガミラスの強大な戦力の象徴としてこの艦への搭乗を総統やディッツ提督に
勧められて仕方なく「ドメラーズⅢ世」を乗艦にしていたのだろうと思っている。


      67, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(10) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-23 21:00 | 考察 | Comments(2)
 他の艦についても分析してみよう。

 2,ケルカピア級航宙高速巡洋艦
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 ケルカピア級は航宙高速巡洋艦で軽巡扱いになっており、その任務は通商破壊活動や通商保護活動だ。

私はこの艦は軽巡扱いなので砲が少なく、そのかわり速度が速いのだろうと軽く考えていたが、ガミラスの
新しい対艦ミサイルを主力とする戦略に照らし合わせると前方側面で6門、下面で4門、合計10門もの
攻撃用空間魚雷の発射管を持ち、船団攻撃や護衛艦艇を蹴散らすに充分な兵装を持つ事に気が付いた。

艦橋直後の6連装ミサイル・コンテナは多分、自艦防衛用の対ミサイル・ミサイルが装備されているものと
想像される。     

砲頓兵装は330mm三連装砲塔で上面前甲板に一基、上面後甲板に一基、下面中央に一基の三基の
陽電子ビーム砲だ。

これは星間通商破壊活動に必要な最低限の装備で有力な敵艦の迎撃に会った場合はこの砲で反撃しながら
その場から脱出をはかる設計と考えた。

**********************************************
 3.デストリア級航宙重巡洋艦
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この艦は対艦ミサイルを主兵装とするガミラス諸艦の中にあって、砲戦力を第一義に考えた少数派である。

この艦の主砲は三連装330mm陽電子ビーム砲塔×4基(前部二基、後部一基、下部一基)である。

その他にも三連装280mm陽電子ビーム・カノン砲塔×4基(右舷二基、左舷二基)を装備し、ガミラスの主力
兵器である対艦ミサイル(空間魚雷)は艦首下面に4門装備するのみである。

では何故、このデストリア級は砲戦力に特化したのであろうか?

これはガミラスの勢力圏拡大政策と大いに関係がある。

ケルカピア級航宙高速巡洋艦による星間通商破壊作戦で標的となった星間国家の勢力を弱らせ、クリピテラ級
航宙駆逐艦隊によって敵艦隊に打撃を加えて殲滅し、降伏に追い込むのがガミラスの常套戦略だが、対艦
ミサイルはいくらPGM(精密誘導兵器)とは言え、基本的に人間の様な判断力はない。

発射されたが最後、敵に命中、破壊する事だけを考える悪魔の様な存在だ。

当然、何を攻撃するのか、破壊の程度はどの程度に抑えるか、敵が降伏してきたら度の様に対処するのか?

と、言った高度な判断力は機械には任せられない。

そこで射程距離では大きく劣るものの、人が判断する高度な内容を持った攻撃は昔ながらの砲戦によるしか
ないのである。

幸い、ガミラスはゲシュタム・ジャンプと言う高速移動の手段を持っており、光速兵器の射程距離の短さは
ある程度カバーできた。

ケルカピア級航宙駆逐艦によるおおまかな攻撃の後、デストリア級航宙重巡洋艦には攻撃すべきもの、攻撃
してはならないものを選別して戦場を細かく整理してゆく役割がある。

このため、デストリア級航宙重巡洋艦は後記するガイデロール級二等航宙戦艦よりも砲頓兵装は強力である。

 4.ガイデロール航宙戦艦
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通常のガミラス艦隊では最大の超弩級戦艦である。

全長に到っては「ヤマト」よりも長く、指揮官さえ勝れていれば「ヤマト」とも単独で戦えるのではと思わせる
巨大な戦艦だ。

しかし、最初この艦の砲頓兵装を見た時、私は眉をしかめた。

主砲は三連装330mm陽電子ビーム砲塔×3基で 副砲は二連装280mm陽電子ビーム砲塔×4基 と、

デストリア級航宙重巡洋艦より大幅に劣っているのである。
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超弩級戦艦を名乗るのであれば330mm陽電子ビーム砲の数をもっと増やさなければおかしいと思ったので
ある。

しかし、ガミラス航宙艦隊の基本戦略である対艦ミサイルの充実と言う面からこの艦を見直してみると確かに
艦首に12門、艦底に21門と合計33門もの空間魚雷発射口を備え、クリピテラ級、ケルカピア級、デストリア級を
大きく凌ぐ攻撃力を持つ事に気が付いた。
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やはりガミラス艦隊の主力は航空宇宙兵力であり、それが今は対艦ミサイルとして主力の座にある事を再認識
したのである。


      66, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(9) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-22 21:00 | 考察 | Comments(0)
 実際のガミラス艦に前回考察した大質量兵器がどの様に採用されているかを見てみる事とする。

 1.クリピテラ級航宙駆逐艦

ガミラスの航宙艦隊の中心となる主力艦であり、航宙艦隊で一番、数の多い艦艇である。
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攻撃用対艦ミサイル(空間魚雷)群は以下のとおりである。

魚雷発射管×6基(前方両舷×4基、後方両舷×2基)

VLS(艦橋前甲板)×8基

これらは全てPGMであり精密誘導されるので発射方向と攻撃目標の方向は関係ない。
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すなわち、航宙駆逐艦ながら14機の空間雷撃機を持つ小型の宙母として機能する艦となったのである。

艦橋後部に付いている四連装ミサイルのコンテナーを連装ランチャーにしたこのミサイルは小口径なので
多分、敵の対艦ミサイルや艦載機から自艦を守る防衛用のものだろう。

その他、後部についている連装速射133mm陽電子ビーム砲も攻撃用というよりは個艦防衛用のものである。

艦底部に付いている二連装280mm陽電子ビーム砲塔も最低限の個艦防衛用のものに過ぎない。

攻撃の主力はあくまでも対艦ミサイル(空間魚雷)なのだ。
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 ガミラス艦は強力な陽電子ビーム砲を持ち、それを薙ぐ様に使って敵艦を裂く様に攻撃する場面が多いので
てっきり、主力兵器は陽電子ビーム砲だと思っていたが、よくよく分析してみると主力は長射程の対艦ミサイル
だと言うことが判る。


      65, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(8) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-21 21:00 | 考察 | Comments(0)
 宇宙で戦闘を繰り広げる場合、今のアニメや小説で用いられる事が一般的な兵器は二種類ある。

一つは光速兵器。 これはレーザーやビーム砲など指向性のエネルギー兵器である。
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近距離戦ではその迅速な攻撃力が大きな効果をもたらす。

その長所はその速度が光速か、それに近い非常に早く破壊力を敵に浴びせ掛ける事が出来る事である。

短所は前記したが「発射されたエネルギーは発射点からの距離が離れれば離れる程、破壊力が下がる」事で
ある。

これは「発射点のエネルギー量は到達点ではその距離の2乗に比例して下がってゆく」という大きな減衰力を
示す。

また、指向性エネルギー兵器の特性上、直線攻撃しか出来ず、着弾誘導も出来ない。

**********************************************

二つ目は大質量兵器。 これは普通に物語で描写される場合はミサイルや砲弾、魚雷等の爆発物を内含した
               物であり、艦載機が運ぶ、空間魚雷や対艦ミサイルもその内に含まれる。

これには地球を滅亡の淵まで追い詰めた「遊星爆弾」や「ヤマト」の発進を阻止しようと「ガミラス冥王星基地」
から発射された「惑星間弾道弾」もこの分類になる。(反乱を起こした惑星「オルタリア」をガミラス親衛隊が殲滅
するのにも多数使用された。)
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対艦ミサイルも大質量兵器の分類に入る。
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このタイプの兵器の長所は射程距離内ならばどこで爆発しようと破壊力は同じであると言う事である。

発射点から直ぐ傍で爆発しても、射程距離ギリギリまで飛んで爆発しても弾頭は変わらないのだから破壊力は
全く変わらない、これは兵器として非常に重要な特性である。

また、指向性エネルギー兵器と異なり、その弾道を誘導出来る事も有用な特性である。

空対空ミサイルの様に敵機に喰らいついて撃墜するまで離さないとか、複数のミサイルを同時に発射して
各々のミサイルに別の目標を狙わせるとか、非常に融通の利く運用が可能なのだ。

また、本来、宇宙空間で使用する限り、この兵器に射程距離は存在しない。

ミサイル本体に積まれた推進剤が尽きても慣性の法則で無限に直線飛行し続けるからである。

しかし、誘導できなくなったミサイルは幾ら遠くまで飛ぶとは言ってもあまり有用な兵器とは言えなくなるので
敵艦隊に罠を張る場合の様な特殊な使い方をする場合のみ有効な特性となる。

短所は指向性エネルギー兵器の様な光速か、光速に近い高速度を持てず、「遅い兵器」であると言う事だ。

また、航宙戦闘艦に対して圧倒的に大きさが小さいので積める推進剤や誘導に使える推進剤の量が少なく、
有効射程は理論上、無限ではあっても現実にはそれらの推進剤の積載量が現実の有効射程距離となる。

**********************************************

 さて、これからが本題である。

私は前回まで何回か「ガミラスには航空宇宙戦略の革命があったのではないか?」と書いてきた。

それは航宙母艦とその艦載機の用法に関するものであると考えている。

ガミラスの航宙艦隊の戦略思想は次の様に移り変わって来たものと推測される。

a) 航宙艦隊の主力が指向性エネルギー兵器(陽電子ビーム砲?)だった時代。
  
  地球流で言えば戦艦が主力と考えられていた大鑑巨砲主義の時代に当たる。

  しかし、いくら強力な指向性エネルギー兵器をもってしても艦載機の持つ航続距離には及ばず、主力の
  座を航宙母艦に明け渡さざるを得なくなった。

b) 航宙艦隊の主力が宙母機動部隊になった時代。

  指向性エネルギー兵器よりも格段に長距離を攻撃出来る艦載機(雷撃機)を積み、敵艦隊を完全にアウト
  ・レンジして一方的に攻撃を加える作戦が執れる様になった。

  そして、一度により多数の雷撃機を敵に向かわせるため、多層式航宙母艦「ガイペロン」級が建造された。
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**********************************************

  宙母本体は攻撃力は持っていないので主力は艦載機、特に雷撃機が主力となったが、ここで前記した様に
  艦載機が使える航続距離に無駄がある点が問題となった。
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  艦載機の持てる航続距離をフルに攻撃のみに活用し、帰艦は考慮しなければ宙母機動部隊は二倍の
  射程距離を持つ事が出来るが、それでは熟練したパイロットをたちまち消耗してしまう。
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  第二次大戦末期の日本の様に追い詰められた戦況下になかったガミラスにとって、この戦術は考慮外で
  あった。

  このため、艦載機のシャトル運用や最前線基地宙母(補給用戦闘空母)が検討され、一部実施されたが
  はかばかしい結果は得られなかった。
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  そこで新兵器「物質転送機」を用いた戦術が立案された。
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この戦術なら艦載機の航続距離は充分に生かせ、攻撃は奇襲を伴ってより有効となり、艦載機搭乗員の
生還率も向上し、良い事尽くめであった。

しかし、小型の投射型「ゲシュタム・ジャンプ装置である「物質転送機」の開発は困難を極め、開発は遅々として
進まなかった。

此の間に航宙艦隊側から、一つの革新的アイデアが出てきた。

それは対艦ミサイル、空間魚雷の航続距離の超延伸化であった。

つまり、艦載機が有人機であるが故に採用されなかった片道攻撃案を無人機を使う事で人的財産を失わずに
艦載機の倍の攻撃距離を得る事が出来る事に気が付いた者がいたのである。
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そして、この大射程対艦ミサイルに「精密誘導システム(P.G.M)」を組み合わせる事で有人の艦載機とほとんど
変わらない攻撃能力を持った対艦ミサイルが実用化されたと思われる。

この結果、ガミラス艦は対艦ミサイルと空間魚雷を主武装とする航宙駆逐艦を主力として採用する様になった。


      64, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(7) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-20 21:00 | 考察 | Comments(2)
 ガミラス側艦載機

 1,戦闘機 (1974年版「ヤマト」 「七色星団の攻防」に登場)
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 (「ヤマト2199」 「七色星団の攻防」に登場)
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1974年版「ヤマト」でも「ヤマト2199」でも第一次攻撃隊として囮となって「ヤマト」から護衛の艦載機を引き離す役目を演じ、その役目を十二分に果たした。

但し、ドメルは攻撃の本命である第二次、三次の攻撃に「物質転送機」を使う計画だったのでそれを「ヤマト」に
悟られないためか、この第一次攻撃隊の展開には「物質転送機」を使ってはいない。

縮退星で構成され、イオン乱流が荒れ狂う「七色星団」の宙域では不慣れな若年兵と経験は豊富だが身体が
付いて行かなくなった老兵で構成されたドメル艦隊は古くから行われていた航宙戦での戦闘距離を採用せざる
を得ず、後に多層式航母艦を「ヤマト」の主砲の射程距離まで接近させてしまい、撃破されるという失態を
演じた。

第一次攻撃隊も自力で「ヤマト」に接近するのではなく、「物質転送機」を使って「ヤマト」が気付かない位、少し
離れた所へ「転送」してやれば、旧式で脆弱な多層航宙母艦の艦隊も「ヤマト」の主砲の射程圏外に置く事が
出来き、安全に作戦を進める事が出来たのではないだろうか?

これはドメル将軍自身が「第四次攻撃隊も機動部隊(の雷撃機?)を使用すべきだった。

砲戦で決着を付け様としたのは『吾身の驕り』だった。」として自らの判断の甘さを認めている。

**********************************************

さて、それではこの戦闘機をハード・ウエアとして少し細かく見てみたい。

1974年版「ヤマト」に登場した戦闘機と「ヤマト2199」に登場した空間艦上戦闘機DWG109(デバッケ)は
そのシルエットは非常に良く似ている。

が、しかし、重量感やボリュームは1974年版「ヤマト」に登場した物の方がずっと重厚であった。

これは空間艦上戦闘機DWG109(デバッケ)はガイペロン級多層式航宙母艦専用に設計されたものだからだと
考えられる。

ガイペロン級多層式航宙母艦はその搭載機を三層に分かれた飛行甲板の最下層と中層の甲板に露天継止
している。 (中甲板と最下層甲板では露天継止というよりは開放式格納庫になっていると考えるべきか?)

このため、艦載機の全幅は極力、少ない方が艦載機は搭載機数を増やせる。

従って、空間艦上戦闘機DWG109(デバッケ)はまるで矢尻の様に細長い姿となった。

同じ艦上機でも別に登場する空間格闘戦闘機DWG262(ツヴァルケ)とは好対照な姿である。(後記)

ただ、空間艦上戦闘機DWG109デバッケが大気圏外での戦闘のみを考えていたのだとすれば対空ミサイルの
搭載量が少し少な目なだけでその戦闘能力は決して少なくなかったのは「ヤマト」のファルコン隊との戦闘を
見れば明らかである。

固定武装が機首に7.9mm機銃 2 門、主翼根本に13mm機銃 6 門と口径は少ないものの、戦闘機としは
充分な武装を持っている。

加えて空対空ミサイルを両翼に2基づつ懸河し、計4基のミサイルを運用出来るのも充分な性能だ。

しかし、地球流に言えば、対航空機戦に特化し過ぎていて対艦戦などに使えず、融通性に欠ける点は欠点と
して数えるべきかもしれない。

**********************************************

 2. 爆撃機 

 急降下爆撃機 (1974年版「ヤマト」 「七色星団の攻防」に登場)
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1974年版「ヤマト」でドメル将軍が第二波攻撃に使用した急降下爆撃機である。

「瞬間物質移送機」で「ヤマト」直上に送り込まれ、バーガー少佐の指揮の元、「ヤマト」のレーダーや測距を
破壊して「ヤマト」の探知能力を大幅に低下させる事に成功した。

しかし、宇宙空間で急降下爆撃とは異な物だ。

確かに慣性は働くから目標に向かって突撃して衝突直前に爆弾を切り離して機体の方は引き起こして衝突を
避ける事は可能だ。

だが、現実にはそんな原始的な攻撃方法は取られない。

1974年版「ヤマト」世界にもミサイルが存在する以上、本来なら対艦ミサイルを使用するはずである。

それをせず、敢えて急降下爆撃機を使用したのは前記した1974年版「ヤマト」はSFではなく、第二次大戦の
パロディを行っているのだと言う製作者側の一部の人達の意志表明だったと私は考える。

 攻撃機 (「ヤマト2199」 「七色星団の攻防」に登場)
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 こちらは「ヤマト2199」で使用された攻撃機である。

これは元々、大気や重力のある所で使用する事を前提に設計された急降下爆撃機である。

それをドメル将軍は「ヤマト」の「目と耳」を奪う奇襲部隊の使用機として選んだ。

いくら「物質転送機」があるとはいえ、いきなり、空間重爆撃機や空間雷撃機を「ヤマト」近傍に送り込むと
それらの鈍重な機体は「ヤマト」の対空砲火に捕まり、撃墜されてしまう恐れがあったからである。

軽快な小型機である空間艦上攻撃機DMB87「スヌーカ」なら「物質転送機」による奇襲と合わせて「ヤマト」の
猛烈なパルス・レーザー砲の弾幕をかいくぐり、「ヤマト」の対空砲火を指揮するレーダー・や測距儀、対空射撃
指揮装置を破壊する事が出来たのである。

その打撃力は中型対艦ミサイル2発と小型対艦ミサイル6発と少な目ではあったが、目的から考えれば充分な
威力だった。

 ドメル艦隊の切り込み隊長、フォムト・バーガー少佐はガイペロン級多層式航宙母艦「ランベア」から発進し、
「ヤマト」に与えた物理的損害こそ大きくなかったものの、「ヤマト」の「目と耳を奪う」と言う目的は見事果たし、
その後の戦局をドメル艦隊有利に向ける事に成功した。

**********************************************

 3.雷撃機

 雷撃機 (1974年版「ヤマト」 「七色星団の攻防」に登場)
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この雷撃機は今までのドメル艦隊の「戦闘機」「急降下爆撃機」と言った、現実にあった機体をモディファイした
ものではなく、宇宙空間で使用するに相応しい内容を持った設定で当時、大学生であり、軍事マニアであった
私も「これはやられた!」と兜を脱いだ覚えがある。

機首が魚雷になっている兵器は小澤さとる氏の「青の6号」の「青」本局の警備・戦闘艇「シャーク1」等、既に
他のクリエーター達も同様な物を発表していた。

しかし、このドメル艦隊の雷撃機は大型魚雷を機首だけでなく、後部にもタンデム方式に装備していたので
ある。

「『ヤマト』はSFじゃない!」と声高に叫んでいる人達自身がこれだけセンス・オブ・ワンダーに富んだ設定を
する・・・。

「センス・オブ・ワンダー」こそSFの魂そのものだと思い知らされた気がした。

やはり、1974年版「ヤマト」はそれ自身、第二次大戦物のパロディと化そうともその存在意義は日本SF界の
金字塔として今も燦然と輝き続けていている。

だからこそ、2012年になってリメイクが行われ「宇宙戦艦『ヤマト』2199」として新たな命が吹き込まれた。

では、その「ヤマト2199」版の雷撃機はその設定や位置づけがどう変わったのであろうか、次は「ヤマ2199」の
空間雷撃機FWG97「ドルシーラ」について語ってみたい。
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設定内容的には1974年版「ヤマト」に登場する雷撃機よりも雷装が一本減り、常識的な内容の機体になって
いる。

しかも、その位置づけはかつては航宙母艦で構成された機動部隊の主力であったが、対艦ミサイルの高性能化に
よって旧式化し、今は辺境宙域で運用される旧式兵器であるという1974年版「ヤマト」の時と比べるとずいぶん
落ちぶれた存在に変わってしまった。

さらに艦載機としては大型なので動きが鈍重で簡単に「ヤマト」側の戦闘機の餌食になってしまった。

だが、この空間雷撃機FWG97「ドルシーラ」の凋落ぶりにガミラスの航空宇宙兵力に関する大きな変革が見て
とれるのである。

次回はガミラスの航空宇宙戦略の変化について語ってみたい。


         63, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(6)→この項続く
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by yamatoss992 | 2013-07-19 21:00 | 考察 | Comments(4)
 ドメル将軍が「七色星団の攻防」で使った特殊兵器は二つあった。

1,空間重爆撃機DBG88ガルント 及び 特殊削岩弾

「ヤマト」最強の兵器である「波動砲」を封じ、艦内奥深くにミサイルを侵入させ、艦内奥深くで爆発させるために
民間で使用されていた小惑星削岩弾(通称ドリル・ミサイル)が使用された。(大遅延信管つき)

ミサイルの運搬には空間重爆撃機DGB88 ガルントが使用された。(この重爆撃機も本来は民間で使用されて
いたもので、小惑星削岩弾の運搬・運用の専用機であり、この作戦に投入するにあたり、兵器として扱うため、
軍用名が着けられた。)
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この大型爆撃機を戦場まで運ぶ事が出来たのは飛行甲板が一層で滑走距離も長くとれる航宙戦闘母艦、
「タロルド」のみだった。

2、「物質転送機」 (1974年版「ヤマト」では「瞬間物質移送機」と呼ばれていた。)

この兵器は言わずと知れたドメル将軍の切り札だった。

遠方から「ヤマト」の近傍に直接、爆撃機や攻撃機、雷撃機を送り込んで「ヤマト」を苦しめた。
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1974年版の「ヤマト」ではドメル将軍の特注品だったが、今回は兵器開発局で開発中の試作品を親友の
ヴェルデ・タラン軍需国防相の言を借りれば「君の我儘を聞いて開発中の物を無理を言って持ち出してきた。」
との事。

と言う事はこの兵器はドメルの発案では無く、兵器開発局が独自の戦略に基づき開発したものであったはずだ。

とすればこの兵器は本来、艦載機の航続力をフルに生かすためのものだったのではないだろうか?

図示した様に航宙母艦から発進した艦載機をそのまま敵艦隊に向かわせるのではなく、「物質転送機」で
敵艦の近傍に直接送り込んでやれば攻撃が成功して帰艦に入った時、その艦載機は燃料・推進剤を発進した
時とほとんど同じだけ持っている。

すなわち、本来持っている航続力の大半を帰艦に使えるのだ。

また、シャトル運用の時と異なり、例え、燃料・推進剤が切れたとしてもその時は敵から十二分に離れ、
自分の航宙母艦の直ぐ傍まで来ている事が大半で貴重な熟練した搭乗員を失わないで済むのだ。

だが、ここでガミラスの航空宇宙戦略が大きく変わり、「物質転送機」は航空作戦ではなく、他の目的に
使われる様になって航空作戦用としての研究は一端、棚上げになった様だ。

だが、ドメル将軍は通常の航宙艦隊が使えない状況のなか、旗艦の超弩級第一等航宙戦闘艦「ドメラーズⅢ世」を除くと使える戦力は三隻の旧式な ガイペロン級多層式航宙母艦 と失敗作とも言うべき 航宙戦闘空母
「タロルド」一隻で「ヤマト」を迎え撃たなければ成らなくなり、親友のタランに無理を言って「物質転送機」を
借り出し、その本来の使用目的に沿った作戦を練り上げたのだ。
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「七色星団の攻防」では宙域の状態が悪く、本来のロング・レンジ攻撃は出来なかったが、「ヤマト」周辺の
思いもよらない場所に突然、艦載機を出現させ、「ヤマト」を苦しめた。

また、前記した空間重爆撃機DBG88ガルントと特殊削岩弾を「物質転送機」で波動砲口前に出現させ、
特殊削岩弾を波動砲口に命中、見事、波動砲を封じる事に成功している。

結果的にはドメル将軍の武運は沖田十三艦長の英知と判断力に負けはしたが、その作戦の成功の可能性は
かなり高いものだったと言える。

しかし、この「七色星団の攻防」で威力を充分に発揮した「物質転送機」が何故、お蔵入りになっていたのか、
不思議である。

次回は「七色星団の攻防」の艦載機を題材にして1974年版「ヤマト」と「ヤマト2199」での違いを語ってみる
つもりである。

        62, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(5)→この項続く
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by yamatoss992 | 2013-07-18 21:00 | 考察 | Comments(0)