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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

<   2013年 07月 ( 16 )   > この月の画像一覧

  話が少しそれたので地球、というか、太陽系内で戦われた内惑星戦争で用いられた艦艇に話を戻す。

内惑星戦争は二回戦われている。

第二次内惑星戦争と言う言葉がしきりに物語の中で語られるので、今まで一切、語られた事はないが、第一次
内惑星戦争があった事は推定出来る。(第一次内惑星戦争の経緯、その物については後記・推定する。)

後で詳細は述べるが、私はその戦争は2170年以前、2168年~2171年頃にあった物だろうと推察する。

それは「村雨」型巡洋艦の進宙が2170年だからである。
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(画像は2199年時の最終状態)

 前に私は記事「別項(2)」で『この「村雨」型宇宙巡洋艦が特徴のない、メ号作戦での地球艦隊の艦隊らしさを
演出するためだけに設定された凡庸な艦』と酷評したが、それは大きな間違いであった。

この艦は武装が非常に軽い事、しかし、それを補うかの様に射角の広い砲塔配置を持つ事に気が付いたからで
ある。
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ここに、この艦の設計思想と運用方法が見て取れるのである。

まず非常に平凡に見える船体であるが、これは反対に量産性を考慮した設計である事を現す。

平時にここまで量産性を考慮した艦を設計するとは考え難いので戦時の設計艦である事が判る。

また、後述するこの第一次内惑星戦争の特性上、艦の数が必要であった。

だから武装は最低限にしつつ、砲塔はその効果を最大限に発揮出来る配置を研究、採用している。

また、武装が軽目で少ないのは量産性を考慮すると共に船体を軽くし、大航続距離を与えるためであったろう。

これも第一次内惑星戦争の特性上、必要な要求性能であった。

 就航時は備砲として荷電粒子ビーム砲を備えていたが、翌年完成した「金剛」型戦艦が装備した新型の高圧
増幅光線砲の実績が非常に良かった(重量が軽く、威力が大)ので口径は36cm→20cmと、少し縮小したが、
備砲を換装した。

また、「金剛型戦艦」と「村雨型巡洋艦」は対ガミラス戦の為に2190年代後半に大改装を受けて艦首に陽電子・
衝撃砲を一門、固定装備したのは有名な話だが、では改装前は何を装備していたのであろうか?

艦首最先端なので探知用のセンサーとそのアンテナを装備していた可能性が高いと私は思う。(私的設定)

これは地球の軍用宇宙船なら20~21世紀の軍用機の特徴を引き継いでいたであろうと考えるからである。
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(「村雨」型巡洋艦はこの状態で第二次内惑星戦争を戦った。)

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 「村雨」型が戦時急増艦だったとすれば、正規巡洋艦は何であったのだろうか?

私は木星のエネルギー・プラント防衛を目的に造くられた日本最初の長距離巡航可能な宇宙巡洋艦があったと
考える、「高雄」型重巡である。


「高雄」型重巡洋艦「タカオ」 (同型艦「アタゴ」 「チョウカイ」 「マヤ」)
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(初期型連装8in荷電粒子ビーム砲塔×5基、10門、VLS×24基 軸方向対艦ミサイル×8門 2160年就航)

第三砲塔が艦橋砲塔になっているのが特徴である。

これは構造が複雑にはなるが使用実績は良かったので「金剛」型宇宙戦艦の大改装時に採用された。
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第一次改装後の重巡「タカオ」型 備砲は連装20cm高圧増幅光線砲塔×5基 10門に変わった。

第二次内惑星戦争時にはこの仕様で参戦しているが、図体が戦艦並みに大きく軽快な運動性に欠けたので
地球本土の防衛ラインの形成に用いられたため、火星軍の「遊星爆弾・発射・コントロール基地」を攻撃した
沖田艦隊には参加していない。

 対ガミラス戦時にはあまりに旧式なので後方警戒任務に就いたが、その船体容量が大きい事を生かして、
「タカオ」と「アタゴ」が早期警戒艦に改装された。 ( 後記・「早期警戒艦の発達」 )

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 第二次内惑星戦争に用いられたのは主に「金剛型戦艦」と「村雨型巡洋艦」、「陽炎型」艦隊型駆逐艦(私的
設定)であった。

「金剛」型宇宙戦艦は「メ号作戦」で唯一、生還した沖田提督の「キリシマ」が有名である。
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 この艦は第一次内惑星戦争が勃発してから木星にあったエネルギー・プラントの防衛戦力増強のため戦時
急増された艦であった。

しかし、戦艦は巡洋艦とは訳が違い、防御力などもそれなりに考慮しなければならず、就航出来たのは戦争が
終わった1971年末であった。

しかし、武装として軽量、高威力の高圧増幅光線砲を最初から装備するなど内容的には新技術が沢山盛込
まれ、各国の新鋭艦の雛形になった。

 「金剛」型戦艦 (同型艦「コンゴウ」 「ハルナ」 「キリシマ」  「ヒエイ」)
 
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火星独立運動強行派に拿捕された「ヒエイ」は火星軍に「レア・シルヴィア」と改名されて火星艦隊の旗艦と
なった。
(火星が軍神マーズになぞらえた名前を持つ惑星なので、旗艦は軍神マーズの恋人、「レア・シルヴィア」に
ちなんで、その名を付けられた。)

沖田提督が火星軍の「遊星爆弾・発射・コントロール基地」を攻撃した際、旗艦としたのは「コンゴウ」であった。
( 第一次火星沖会戦と後に呼ばれる「カ(一)号作戦」である。 )
建造後約10年が経過した「金剛」型ではあったが、1980年まで太陽系宇宙内は比較的平和であり、木星の
エネルギー・プラントと地球を結ぶ補給路を確保出来れば良かったのでその後、新型は「ヤマト」まで開発され
なかった。

第二次世界大戦頃でも軍艦の寿命は艦齢30年と言われており、現在の航空機でも10年~20年使うのは
当たり前である。

建造後、約10年を経た「金剛」型宇宙戦艦も充分、最新鋭艦と言って良いと思われる。

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 第二次内惑星戦争にはこの他、「陽炎」型艦隊駆逐艦も用いられたがこの艦は設計が古く、第一次内惑星
戦争時ですら、旧式とまでは言わないまでも「型落ち」位古い艦なので、第一次内惑星戦争の所で述べる。

次回は第一次内惑星戦争とそれに使われた艦艇について考察する。


      74, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(16) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-30 22:00 | 考察 | Comments(0)
 <第二次内惑星戦争>
この戦いについては僅かではあるが「ヤマト2199」の物語の中で語られる。

太陽圏に別れを告げるために行われた「太陽系赤道際」の最中、地球に肉親のいない、古代進と山本玲は
共に「ヤマト」の修理を行う船外活動を手伝うが、その時の会話で山本玲が自分が火星人(マーズ・ノイド)であり、
祖父が火星生まれで自分が生まれた頃、第二次内惑星戦争が起こって、(火星が負けて)地球に強制移住
させられた事を語った。
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「ヤマト」発進時の年号は西暦2199年であり、当時の山本玲は19歳であったから、第二次内惑星戦争が戦わ
れたのは2180年である事が判る。

別の資料によれば、第二次内惑星戦争はテラ・フォーミングの進んだ火星が力を貯え、地球に対して独立戦争を
挑んだ物と言われている。

テラ・フォーミングが行われる位、火星移民と地球本星は友好な関係を持っていたはずだが、一部の独立
強行派が自治を主張、地球との戦争を画策してついに戦端が開かれた。(戦艦「ヒエイ」の奪取)

地球政府は本来なら火星の自治を認める事に何も異論は無かったが、問題は火星の位置であった。

火星は各国エネルギー・プラントの集まっている木星とそれを頼りとする地球の間にある。

火星が地球とは全く違った勢力の下にあるとなると、地球の生命線が脅かされる事になるのだ。

したがって、地球としては火星の独立・自治など、断固、認める訳にはいかなかった。
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地球に対して独立戦争を挑んだ以上、地球が黙っていないのは確実だったが、地球の艦隊に対抗出来る力は
火星には無かった。

しかも、悪い事に火星人(マーズ・ノイド)の居住しているのは火星本星だけでなく、周囲の宇宙空間に浮かんだ
スペース・コロニーが多数あり、その防衛も必要だった。
 
 そこで火星独立政府は地球に対し火星と木星の間に横たわる小惑星帯から小ぶりの小惑星を選んで地球に
対し「遊星爆弾」攻撃をかける事にした。

この戦略は初めは地球に対し大きな脅威を与え、避難用の地下シェルターも多数用意された。
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このシェルターは対ガミラス戦で「遊星爆弾」の雨が降り注ぐ様になった時、再び使用された。
(真田副長の思い出の中で語られた。)

また、「ヤマト」艦長、沖田十三は第二次内惑星戦争の「英雄」である事がニュース映画の中で語られるが
何をして彼を「英雄」とまで言わせしめるのかは判らない。

 多分、火星の「遊星爆弾・発射・コントロール基地」を叩いたのであろう。

彼が多数の民間人が居住するスペース・コロニーへの攻撃や火星本土の戦略爆撃など非人道的な作戦を
遂行したとは考えたくない。 

(軍人だから命令があれば実行したかもしれない、その時の反省がガミラスとのワースト・コンタクト時の先制
攻撃拒否に繋がったのかもしれないが・・・。)

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<これ以降は殆ど私の創作である。>

 私は火星側は宇宙艦隊と呼べる物は殆ど持っていなかった様だが、多分、旗艦と呼べる戦艦だけは持って
いたのでは?と考えている。

艦名は「レア・シルヴィア」(火星の英名軍神マーズにちなんで、彼の恋人の名が付けられた。)

元々は地球の日本艦隊が保有していた金剛型宇宙戦艦「ヒエイ」である。

「金剛型宇宙戦艦」は本来、四隻あったはずだ。

そして、一番艦の「コンゴウ」はネーム・シップだから存在は確定的だ。

「キリシマ」は何番艦だか判らないが、「メ号作戦」に参加しているのがTV画面で確認出来る。

そうすると後二隻、「ハルナ」と「ヒエイ」があったと考えられるが、それらはどうしたのであろうか?

BANDAIから発売されている国連宇宙海軍連合宇宙艦隊セットー1には金剛型宇宙戦艦のバリエーションと
して「ハルナ」の名が見て取れる。

すなわち、「コンゴウ」、「ハルナ」は対ガミラス戦で戦没したのだ。

残りは「ヒエイ」だが、このセットにその名が見られない以上、対ガミラス戦には参加していない、ないしは既に
喪失していたもの考えられる。

私はこの艦が第二次内惑星戦争の引き金になったのでは?と推測した。

金剛型宇宙戦艦は「メ号作戦」時には旧式艦であったが、第二次内惑星戦争時には最新鋭艦だった。

第二次内惑星戦争勃発は金剛型宇宙戦艦の一隻、「ヒエイ」がたまたま、火星の軌道上のドックでオーバー・
ホールを受けていた事が発端だった。

新型「金剛型宇宙戦艦」に目を付けた「火星の強行独立派」は「ヒエイ」を拿捕、「遊星爆弾・発射・コントロール
基地」の防衛に使う事にした。

しかし、いくら「金剛型宇宙戦艦」・「レア・シルヴィア」が新型艦であっても一隻では艦隊行動は望めない。

そこで火星側は通常の輸送船に対艦ミサイルを満載した「仮装巡洋艦」五隻を用意して辛うじて艦隊を編成して「遊星爆弾・発射・コントロール基地」の防衛に当たった。

 沖田宙将は「遊星爆弾・発射・コントロール基地」を叩く命令を受けた。

彼は4隻のムラサメ型巡洋艦からなる囮の艦隊に、まず地球側から正面攻撃させ、火星の基地・防衛艦隊の
注意を引いた。

その間に本隊である沖田艦隊は火星を大きく迂回、木星側から火星軌道に侵入、「遊星爆弾・発射・コントロー
ル基地」を全力で叩いた。

基地の地球側に陣取っていた火星艦隊は完全に裏をかかれた。

守るべき「遊星爆弾・発射・コントロール基地」を失った火星艦隊は直ぐに降伏したが、「レア・シルヴィア」だけは
徹底抗戦を叫び、沖田艦隊に単艦突撃をかけたものの、高圧増幅光線砲の集中射撃を受けて爆沈した。

これは「レア・シルヴィア」の乗組員の殆ど全てが「火星強行独立派」の中心人物で占められていたためで
あった。

「独立失敗の責任」を取ったのか、最後まで「独立の意地」を見せたかったのか、それは判らない。

しかし、この作戦が沖田十三宙将の心に落した影は深く暗いものだった。

 私は沖田十三宙将がガミラスとのワースト・コンタクト時、司令部の芹沢軍務局長が出した先制攻撃命令に
強弁に反対したのは、この時の「レア・シルヴィア」に引導を渡さなければならなかった悲しみが影響していたと
思えてならない。
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 次回は実際に第二次内惑星戦争に使われた艦艇について分析してみたいと思う。


      73, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(15) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-29 21:00 | 考察 | Comments(5)
 地球人類は戦略核攻撃と防空管制のシステム運用、海上戦闘における航空機動部隊の運用、海上通商
破壊戦の徹底と言った基本的な戦略・戦術を第二次大戦直後には既に完成させていた。

そして、核兵器の余りにも大き過ぎる破壊力におののいた東西両陣営は戦略核兵器の軍縮に踏み切った。

しかし、核の威力が封じられると今度は兵器の命中精度の向上に力が注がれた。

その結果、生まれたのがPGM(精密誘導兵器)である。

これがどれ程の物だったかと言うと、イラク戦争の時、米国戦艦ニュージャージーは巡航ミサイル・トマホークを
使って、自艦は海上に居ながら何百kmも内陸に居る敵の要人を謀殺する事に成功している。

しかも、この時、米国は巡航ミサイルを敵要人の居る建物の窓に叩き込むという神業を見せた。

真に「針の穴に糸を通す精度」を実現したのだ。

そして「ヤマト2199」世界では語られる事は殆どないが、「モーレツ宇宙海賊」で大きく取り上げられた様に
電子戦も重要な戦術として考えねばならない。
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ウインドウ(現在はチャフ)から始まったECM(電波妨害)を始めとして電子欺瞞、熱源誤誘導弾(フレア)など、
現在では、敵の探知能力を欺いてこちらの存在を隠し、攻撃を成功に導く戦術が発達している。
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また、現在、インターネットが普及したため、敵国の国防中枢のみならず、国民生活を支えるインフラさえ狙った
攻撃が可能となっている。

サイバー・テロである、これは一種の戦略攻撃と言えるものにすら発達して来た。

これが対艦戦に応用されればどうなるか、艦隊内部には必ず、情報ネットワークがあるはずである。

また、各艦艇もそれぞれ、艦内ネットワークを持っていると考えて良い。

「ヤマト2199」でも第9話「時計じかけの虜囚」で「ヤマトの艦内ネットワーク」にガミロイド・オルタの侵入を許した
のは冷や汗ものであった。
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オルタの人工頭脳が初期化(?)されていなければ「ヤマト」は大惨事に見舞われた事であろう。

宇宙戦では当然、相手の情報ネットワークに対する侵入・攻撃が当たり前の様に行われる。

しかし、「ヤマト2199」世界で電子戦まで踏み込んで考察すると切りが無くなるので電子戦についての考察は
ここまでとする。

一応、ガミラスと地球の情報戦能力は同等と判断しておく事とする。  (ミレーネルの精神攻撃?は例外。)

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 ここまで長々と地球の戦略・戦術の発達について述べて来たのは大星間国家を築いた大ガミラス帝星とまだ
太陽系すら越えて出る事が出来なかった地球、しかしそれでも地球は完全に押されぎみながら八年間に渡って
戦い続けてきた。

これは地球人が、いかに戦略と戦術、つまり戦争に精通していたか、の証である。

 「ヤマト2199」世界では対ガミラス戦争の前に、二度も地球人同士での宇宙戦争を経験した事になっている。

「第一次内惑星間戦争」と「第二次内惑星間戦争」である。

この二度の宇宙での大戦を経験していた事が、どれほど対ガミラス戦に役に立ったか、図り知れない。

情報は少ないが、私個人の設定も交えて、次回は、対ガミラス戦前の宇宙戦について考察してみたい。


      72, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(15) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-28 21:00 | 考察 | Comments(2)
 私は以前、「別項(2) ヤマト2199の登場艦艇考察 地球艦隊編」で地球艦艇について戦艦、巡洋艦、駆逐艦、
それぞれについて考察をしてみた。

しかし、ガミラスの航空宇宙戦略を分析してみた今、もう一度、地球の戦力とその運用について分析し直して
みたいと思う。

 ガミラスが何時から航空宇宙戦力を持ち、それを運用してきたか、それは不明だが、地球の場合は有る程度、
その運用思想を分析する事が出来る。

1939~1945年の第二次世界大戦で地球の航空戦略の基本が完成した。

戦略爆撃と防空管制のシステム運用、海上戦闘における航空機動部隊の運用、海上通商破壊戦の徹底で
ある。

<戦略爆撃>
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<防空管制のシステム運用>
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<航空機動部隊の運用>
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<米国の主力爆撃機と攻撃機(第二次大戦後半)
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<空母と戦艦の世代交代>
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<通商破壊戦の徹底>
相手国の国力が資源の輸入に頼っている場合、この輸入による補給路を断つ事で敵に対してより有利に戦争を
進める事が出来る。

第二次大戦までは大量の物資の輸送は船舶に頼らざるを得なかった。

このため、敵国に対して積極的にその通商路を破壊する戦略を取った国が二つあった。

第一次大戦のころから英国という強大だが、その生命線を輸入に頼っている国を相手にしてきたドイツと、
あまり知られていないが、第二次大戦で大日本帝国の補給路を潜水艦隊を有効に使う事で完全に絶って
その息の根を止めた米国である。

<ドイツ・通商破壊戦 水上艦での破壊活動>
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<真の海上交通破壊戦の主役・潜水艦>
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<魚雷方位盤>
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<戦略爆撃の核攻撃化>
核兵器が実用化するとそれを運ぶ爆撃機もジェット化し性能は桁違いにあがったが、爆撃機はまだ、有人の
ままであった。
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 しかし、核は今まで人類が手にした破壊力とは次元の違う威力を持っていた。

その為、核兵器の運搬に人の操縦する航空機を使わない方法、核爆弾そのものに推進器を付けてこちらの
本土から敵の本土を直接狙う大陸間弾道弾(ICBM)と呼ばれるミサイル群が発達した。

また、潜水艦から発射するSLBMと呼ばれる中距離ミサイルもこの戦略核攻撃の一翼を担って配備された。

<戦略核攻撃の無人化>
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こうして核戦力は無人化出来たが東西両陣営とも同じ力で均衡を保っていた。

しかし、お互い相手に一歩先んじないと不安になる人類の性は新しい兵器の形態を生み出した。

高空を飛んで敵を攻撃する戦略核爆撃や一度大気圏外まで飛んで再度大気圏内に突入する大陸間弾道弾は
敵に攻撃が発見され迎撃される恐れが高かったのである。

そこで爆撃機がレーダーに掛らない超低空を高速で飛行して攻撃する戦術が編み出された。

これには多大な地形情報が必要であったが、その情報が集まってみると新しい戦術が生まれた。

PGM(精密誘導兵器)の登場である。

これは基本的に言って無人攻撃機であった。

<PGM(精密誘導兵器)>
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 思えば有史以来、地球の歴史に血の流れない日はなかった。

また、そうした戦争に備えて戦略をたて、戦術を練り、武器を工夫する事に明け暮れる歴史だった。

その集大成として生まれたのがこれまで見てきた「戦略攻撃と防空管制のシステム運用、海上戦闘における
航空機動部隊の運用、海上通商破壊戦の徹底、精密誘導兵器の活用法」である。

 これは「ヤマト2199」でガミラス側がとっている戦略とほとんど同じである。

しかし、ガミラスは航宙戦闘に到って初めてここまでの戦略に到ったのに対し、地球側はまだ宇宙戦の時代には
到っていなかったのに既にそれだけ練れた戦略と戦術を持っていた。

対ガミラス戦争では地球は「遊星爆弾」によって滅亡のふちまで追い詰められてしまうが、2191年の開戦以来、
八年間も持ち堪えていたのがその証拠である。

ガミラスはゲシュタム・ジャンプと呼ばれる一種の空間転移技術を持っているのに対し、地球側は自分達の
太陽系から今だ足を踏出す技術すら持っていなかったのに・・・である。

また、艦隊戦になればガミラスの陽電子ビーム砲は一撃で地球艦を葬れるが、地球艦の高圧増幅光線砲は
ガミラス艦の装甲に簡単に弾かれ損害を与える事は出来なかった。

但し、メ号作戦で用いられた試製空間魚雷や「ヤマト」に搭載された三式融合弾など実体弾の分野では充分
ガミラスにも通用する技術を持っていたと考えられる。

<第二次火星沖開戦>
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この戦いは詳細が語られた事はなく、その内容は不明である。

地球各艦艇の艦首に固定装備された陽電子衝撃砲が威力を発揮したとの説が有力だが、波動エンジン
入手前の地球軍艦艇ではそれは疑わしいと私は考える。(出力が大幅に足りない。)

「ヤマト」の主砲に選定されたところを見ると、高圧増幅光線砲よりは威力があったと思われるがガミラス艦に
対抗出来る程の出力は期待出来ない。

それよりは、地球の伝統的な、大質量兵器である対艦ミサイルが効果を発揮したのではないだろうか?

次回はそこまで成長していた地球軍の航空宇宙戦略とその運用について、対ガミラス戦の前、内惑星戦争を
題材に語ってみたいと思う。


      71, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(14) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-27 21:00 | 考察 | Comments(0)
 その他のガミラス航空戦力はどう変わったのであろうか。

艦隊用攻撃機は対艦ミサイルに全て置き換わったといっても艦隊防衛用の戦闘機はやはり、必要である。

また、情報収集用の偵察機も必要であるが、これは、魚雷発射管から打ち出す無人探査機が主に用いられ、
これが偵察力の主力であるが、正体不明の未知の目標を偵察する必要がある場合、無人探査機で大まかな
偵察は行えるが、接近してのその物体や現象の細かい探査を行うためにはどうしても有人機が必要となる。

こうした場合、有人の戦闘機がその用途に用いられるのだ。

こうした戦術用途に必要な特性は敵対艦ミサイルを迎撃出来る圧倒的な火力と敵艦載機(戦闘機が主)を排除
出来る軽快な格闘性能である。

こうした新しい航宙艦隊戦略に合わせて生まれたのが空間格闘戦闘機DWG262「ツヴァルケ」である。

 1.空間格闘戦闘機DWG262 「ツヴァルケ」
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この機体は以前、艦載戦闘機の花形だったDWG109「デッバッケ」とは異なり全長と全幅が殆ど等しいくらい
幅が広い。

これは、高機動を実現するために高機動ノズルを多数装備すると同時に質量中心を機体の中央付近に出来る
だけ近づけ、機体の質量分布を機体中心にまとめる事で、長いスパンを持つ主翼端にある高機動ノズルからの
噴射を効率良く機体の機動に繋げるための設計である。

武装は13mm機銃×6門、30mm機関砲×4門 対空ミサイル×6基(ミサイルの種類はその時々の任務によって
変えられる。)と、非常に重武装である。

これは前主力の艦隊用戦闘機、DWG109「デバッケ」と比べると火力、高機動性が大きく増しており、短時間で
敵の対艦ミサイルを迎撃し、敵艦載機との戦闘も時間をかけずに済ませ、ミサイルを内臓式にする事で
ミサイルを装備していても機体の質量分布が外側に拡がって機体の高機動性を損なう事のない様に考えられて
いる。
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DWG109「デバッケ」の固定武装はDWG262「ツヴァルケ」に大きく劣っており、対戦闘機戦には充分だが、
一度の攻撃で目標に致命的な打撃を与える能力が不足していた。

更に、ミサイルの搭載位置も外翼下面でDWG109「デバッケ」の全幅がいくら少ないと言っても、ミサイルを
外翼に装備すると機体の重量分布が外側に広がり、機体の運動性能を損なうのは否めない。

また、これまでに発表された資料では不明だが、DWG262「ツヴァルケ」は内翼や外翼にもミサイル搭載用の
ハード・ポイントがあるのではないか?と考えられる。(内翼×1ヵ所、外翼×1~2ヵ所?)

外翼にハード・ポイントを設けて(対空)ミサイルを装備すると内臓ミサイルの発射の邪魔になる様に見えるが、
戦闘時にはハード・ポイントに装備したミサイルをまず消費するので内臓式ミサイルの使用には問題とならない。
(もちろん、外装ミサイルの発射後はそのミサイルを懸下していた専用パイロンも投棄する必要があるが・・・。)

 ガミラスの戦闘機は大気圏内外両用での使用が前提に設計されているが、前主力戦闘機のDWG109
「デバッケ」は航宙艦隊での使用が主と考えられていたと思われるれ、大気圏内での戦闘は苦手だったと
思われる。

しかし、DWG262「ツヴァルケ」はその形態から見て完全に大気圏内外での両用使用が前提になっている。

こうしたDWG262「ツヴァルケ」はその万能性からメルトリア級航宙巡洋戦艦の艦載機として運用されているのが
確認されている。(搭載機数は不明・・・1機以上、予備機を含めると最低2機は積んでいたと考えて良い。)

その他、今は前線基地の防空戦力としても使われている。(ビーメラ星系、「ゲシュタムの門」のコントロール
衛星に遺棄されていた機体があった所を見るとかなり以前からDWG262「ツヴァルケ」は局地防衛用にも使用
されていたと考えて良いのではないだろうか?)


ではDWG262「ツヴァルケ」登場前の航空宇宙戦力の戦闘機は何を使っていたのであろうか?

航宙艦隊の艦載機としては多層式航宙母艦専用に設計されたDWG109「デバッケ」が使用されていた事は
既に述べた。

しかし、この機体は大気圏内での戦闘が苦手であったと考えられる。

であれば、前線基地の局地防衛はどうしていたのであろうか?

ガミラスではこうした大気のある場所も含めた局地防衛用の機体を用意していた。

それが空間駆逐戦闘機DDG110「ゼードラーⅡ」である。
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この機体は長い航続力と重武装を持っていた。
(7.9mm機銃×2門、13mm機銃×2門、47mm機関砲×4門、空対空ミサイル×6基)

しかし、あまりの重武装に機体が重くなり過ぎ、運動性が下がってしまって対戦闘機戦では不利になって
しまった様だ。

それは、「ヤマト」と「ガミラス冥王星前線基地」との戦い、地球名「メ2号作戦」時、「ヤマト」艦載機との戦闘で
簡単に駆逐されてしまったのを見ても判る。
(「ヤマト」艦載機:99式空間戦闘攻撃機「コスモファルコン」 後述 )

たぶん、局地防衛も大方はDWG262「ツヴァルケ」が使用されていたものの、太陽系(ガミラス呼称:テロン)
攻略などは辺境での作戦と考えられ、防空戦闘機は二線級の空間駆逐戦闘機DDG110「ゼードラーⅡ」が
あてられていたと考えるのが順当であろうか?

 次回からは「地球」側の航空宇宙戦略とその使用艦艇・機体について考察してみるつもりだ。


      70, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(13) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-26 21:00 | 考察 | Comments(0)
 8.ポルメリア級強襲航宙母艦
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一つの発艦用の腕から発進する艦載機は6機が標準である。
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一つの作戦で使用される艦載機の数は二十四機である。(予備機 8機)

偵察機は2機である。(予備機 2機)

すなわち、搭載機は
戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」24機(別に予備機 8機、これは各腕に2機づつと考えるからである。)
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偵察機FG156「スマルヒ」は2機(各腕に一機づつ搭載しているが、常時使うのは二機であった。)
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戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」も偵察機FG156「スマルヒ」も全翼機である。
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どちらもこの新しい航宙母艦に積む為に考えられたデザインであった。

戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」は極力、小型でかつ、兵器の搭載量を多くする為に全翼機とした。

偵察機FG156「スマルヒ」は小型でかつ航続距離の長い機体を求めて全翼機としたのである。

どちらも大気圏内で運用するため、速度を犠牲にしている。

ただ、エンジン推力は非常に大きかったので敵機に襲われた時は横に広がった翼が空気抵抗を少しでも早く
減らせる様に垂直に上昇していち早く大気圏外に出ると言う地球の機体では考えられない機動をする。
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ポルメリア級が今までの航宙母艦と大きく違うのは母艦そのものが地上攻撃能力を持つ事である。

このポルメリア級強襲航宙母艦は目的の惑星の衛星軌道上に留まり続け、地上の状態を監視し続ける。

最初に偵察機FG156「スマルヒ」を放ち、敵情を探り、作戦目標がたった所で戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」で目標を細かく叩くべきものと残したいものを区別して攻撃するか、主砲を使って一気に殲滅するか、決めるので
ある。
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そして何よりこの宙母が他のガミラス艦と大きく違うのはその推進システムである。

ゲシュタム・ジャンプは出来るので主機関はゲシュタム帰間であるのは変わらないが、通常のガミラス艦が噴射推進であるのにこのポルメリア級強襲航宙母艦は慣性制御を拡大した重力制御推進を採用している。

これはポルメリア級強襲航宙母艦の任務の必要上、大気圏内まで降りてゆく場合があるからである。

他のガミラス艦も重力のある惑星表面に降りる際は慣性制御機関を使っているが、ポルメリア級強襲航宙母艦は
惑星の衛星軌道上に留まり続ける事が多いので慣性制御機関を使う頻度が高く、それならば通常空間を航行
するのにも慣性制御機関を使った方が、機関もコンパクトにまとまり、その分、艦載機の搭載量を増やす事が
出来た。

親衛隊仕様
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 反乱に対する「懲罰」を目的とする親衛隊の攻撃は情け容赦の無い問答無用の破壊力を求められたのだ。
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民衆の隊列に爆弾を落す親衛隊の戦闘・攻撃機DWG229「メランカ」
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この様にポルメリア級強襲航宙母艦はガミラスの航空宇宙戦略の変化に合わせて生まれて来た新艦種である。

これまでのガミラス艦艇とあまりに形態が違うのでガミラスが併合した別の星間文明で使われていたものだと
いう説もあるが真偽の程は定かではない。


      69, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(12) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-25 12:00 | 考察 | Comments(4)
 さて、これまでガミラスの艦隊運用戦略に基づいて航空宇宙兵力について論じてきたが、航宙母艦については
艦隊戦の他に敵惑星の地表を征圧する任務も存在する。

前に紹介したDMB87「スヌーカ」など完全に大気圏内運用を視野に入れて設計されている。
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「七色星団の攻防」時には無重力空間での戦闘だったため、武装は中型対艦ミサイルと小型対艦ミサイルを
使用していたが、本来は有重力の大気圏内で運用する場合、その武装は自由落下型の爆弾が主となる物だと
考える。

そして、急降下爆撃の際のエア・ブレーキを兼ねるためか、タイヤは引き込み式であるものの、主脚は固定式で
ある。

これでは大気圏内で敵の戦闘機に追われた場合、主脚が空気抵抗となって速度が上がらず、簡単に撃墜され
てしまったのではないだろうか?

 幸い、「七色星団の攻防」は大気の無い場所で行われたので、対艦ミサイルを発射して身軽になった
バーガー隊は「ヤマト」の艦載機 コスモ・ゼロ アルファー2 に食い下がられるも全滅は免れ、帰艦している。

この機体も前に紹介した空間雷撃機FWG97「ドルシーラ」と同じく、旧式化して第一線を離れていた物と考えら
れる。

現在、航宙艦隊の航空宇宙兵力は大半が空間魚雷(対艦ミサイル)に変わってしまって無人化・長射程化が
進んでいるが、敵惑星の地表を征圧する任務は残っている。

もちろん、完全にその惑星の生物を絶滅させるつもりなら、「遊星爆弾」や「惑星間弾道弾」を使えば済む。
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しかし、それでは何のためにその惑星を制圧しようとしたのか、わからなくなる。

単に艦艇の基地が欲しいのであれば、わざわざ 惑星表面などの重力井戸の底に降りてゆく必要など無い。

宇宙空間の方が煩わしい重力が無いので艦隊の補給・整備など楽に行えるからだ。

となると、その惑星を制圧する意味はその星の持つ自然や資源、人的財産などを極力傷つけない様にして
自分達が利用出来る様にする事にある。

こうした壊したいもの、壊したくないものを区別して選択的に攻撃、制圧するのにはどうしても有人の航空機が
必要となるし、その航空機をその惑星まで運搬する母艦も必要となる。

この任務にも多層式航宙母艦が長らく使われていた。

しかし、この宙母は多層式甲板を効率良く使う為に宇宙を飛んでいるのに各甲板には慣性制御を働かせて
重力を作り出すという、ある意味、贅沢な装備を持たざるを得なかった。

当然、コストも掛る、艦隊戦の花形だった時にはそれでも良かったが、旧式化して後方戦力として惑星制圧
作戦にしか使わなくなるとそのコストが問題となった。

ガミラスの版図はどんどん広がり惑星制圧用の航宙母艦の数もどんどん必要になって来た。

惑星の制圧は一度で済めば良いが、相手もしたたかで常時監視していないと何時 反撃して来るか、判らない
と言う問題もあった。

このため、新たに、コストが掛らず、それ自体も強力な地表探査能力と地表攻撃能力を持つ新型の航宙母艦が
計画された。

それがポルメリア級強襲航宙母艦である。
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この航宙母艦は今までのガミラス艦艇と大きく違うので次回、単独で取り上げ分析する。


      68, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(11) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-24 21:00 | 考察 | Comments(0)
 ここで航空宇宙兵力の直接的考察ではないが、強力な航空宇宙兵力を効率良く運用する為に開発されたと
思しき指揮艦艇群についても見てみたい。

 5.メルトリア級航宙巡洋戦艦
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 二等航宙装甲艦では最大級の艦である。

この艦もデストリア級と同じく砲頓兵装を重視した艦だ。

しかし、デストリア級と異なり、内火艇や艦載機の運用能力がある。

(どれだけの機数を積めるのか、不明だが少なくとも空間格闘戦闘機DWG262「ツヴァルケ」を一機は積んで
いる。)

特徴としてはやはり、同じ330mm陽電子ビーム砲でも砲身のあるカノン砲を積んでいる事だ。

これにより、通常のデストリア級より強力な攻撃が可能となっている。

その役割はバラン星の前の中性子星カレル163宙域での「ヤマト」との戦闘や小マゼラン星雲周辺宙域での
対ガトランティス戦を見ると小艦隊の旗艦の役割を演じている場合が多い様だ。

ただ、「次元断層」に落ち込んでいた場合などを考えると、独航していたと思われ、単艦での運用もなされる
と判断される。

その様な単艦運用時の防衛のため戦闘機を積んでいるものと考えられるが、「ヤマト」ほどの多数の艦載機を
積んでいるのだろうか?

興味深いところではある。


 6.ハイゼラード級一等航宙戦艦
この艦は情報・宣伝相ミーゼラ・セレステラの専用艦であるが、親衛隊長官ハイドム・ギムレーも専用艦
「キルメナイム」を持っており、このクラスは押しなべて政府高官の専用艦となっている場合が多い様だ。
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武装はガイデロール級二等航宙戦艦に準じているが前面上部の主砲だけは三連装330mm陽電子ビーム
・カノン砲2基に換装されており、一等航宙戦艦らしさをかろうじて保っている。

政府高官の専用艦として使用されているのであるから武装よりも情報の収集・処理能力に長けている必要が
あると思われるが実際のところはどうであろうか?

私は「メルトリア」級も含め、「ハイゼラード」級も多数の空間魚雷の発射管を備えており、強力な攻撃力を保持
しているが、(空間魚雷発射管数:「メルトリア」級×6門(艦首のみ)、「ハイゼラード」級×23門)これは全て
攻撃用に使われるのではなく、探査能力を持った探査機を打ち出して情報収集を行っているのではと考えて
いる。

攻撃と探査を同じ空間魚雷発射管を利用して行えるのであれば、こんな効率の良い事はない。

探査能力を持った空間魚雷があれば、他の航宙駆逐艦や航宙高速巡洋艦、航宙重巡洋艦、航宙戦艦にも
使用出来、ガミラス航宙艦隊の情報収集・探知能力は非常に高いと考えられる。

政府高官が使用する事の多い「ハイゼラード」級が「ガイデロール」級二等航宙戦艦の船体をベースに開発
されているのは「ガイデロール」級の非常に多い空間魚雷の発射管数(計23門)を利用するためと考えると
非常に納得の行く物となる。(当然、搭載している空間魚雷は探査用が主で攻撃用は最低限度と考えられる。)
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 7.ゼルグード級一等超弩級航宙戦艦
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他のゼルグード級もこの装備を持っているのかは不明である。
(「デウ・スーラ」が爆破され、デスラー総統(の影武者)が暗殺された時、脱出に使われなかった。)

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ゼルグード級一等航宙戦艦は「ヤマト」の約2倍の全長を持つ超弩級戦艦である。

しかしその武装は大きさに比して少なめである。

主武装は四連装490mmの陽電子ビーム砲塔×7基であり、大口径ではあるが長砲身を持つカノン砲ではない。

副砲も三連装330mm陽電子ビーム砲塔×4基であり、それほどの大威力は求めていない。

空間魚雷の発射管は艦首×6基、艦尾×6基、艦橋×6基と変則的である。

艦橋に魚雷発射管があるのは艦橋を切り離して独立戦闘指揮艦として運用する際の武装・兼・探査機発射管と
して機能させるためと考えられる。 (ドメラーズⅢ世以外もやはり、分離・運用出来る?)

さて、通常の航宙戦艦の二倍の大きさを持つ、この艦の建造目的は何であろうか?

有人の艦載機を運用する訳でも、強力極まりない火力を持つ訳でもないこの艦の最大の特徴はその防御力に
あるのではないだろうか?

「ヤマト」のショック・カノンの直撃を前面装甲とは言え、跳ね返したガミラス艦はこのゼルグード級のみである。

現にその使用者は大ガミラス帝星総統アベルト・デスラー、中央軍総監ヘルム・ゼーリック、小マゼラン方面軍
防衛司令官(後に銀河方面作戦司令長官)エルク・ドメルと大ガミラス帝星のNo.1、No.2及び国民的英雄と
しっかり守らなければならない重要人物ばかりである。

但し、私はドメル将軍は本来ならもっと軽快で情報収集能力の高いハイゼラード級辺りが好みだったと推察
する。

国民的英雄として大ガミラスの強大な戦力の象徴としてこの艦への搭乗を総統やディッツ提督に
勧められて仕方なく「ドメラーズⅢ世」を乗艦にしていたのだろうと思っている。


      67, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(10) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-23 21:00 | 考察 | Comments(2)
 他の艦についても分析してみよう。

 2,ケルカピア級航宙高速巡洋艦
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 ケルカピア級は航宙高速巡洋艦で軽巡扱いになっており、その任務は通商破壊活動や通商保護活動だ。

私はこの艦は軽巡扱いなので砲が少なく、そのかわり速度が速いのだろうと軽く考えていたが、ガミラスの
新しい対艦ミサイルを主力とする戦略に照らし合わせると前方側面で6門、下面で4門、合計10門もの
攻撃用空間魚雷の発射管を持ち、船団攻撃や護衛艦艇を蹴散らすに充分な兵装を持つ事に気が付いた。

艦橋直後の6連装ミサイル・コンテナは多分、自艦防衛用の対ミサイル・ミサイルが装備されているものと
想像される。     

砲頓兵装は330mm三連装砲塔で上面前甲板に一基、上面後甲板に一基、下面中央に一基の三基の
陽電子ビーム砲だ。

これは星間通商破壊活動に必要な最低限の装備で有力な敵艦の迎撃に会った場合はこの砲で反撃しながら
その場から脱出をはかる設計と考えた。

**********************************************
 3.デストリア級航宙重巡洋艦
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この艦は対艦ミサイルを主兵装とするガミラス諸艦の中にあって、砲戦力を第一義に考えた少数派である。

この艦の主砲は三連装330mm陽電子ビーム砲塔×4基(前部二基、後部一基、下部一基)である。

その他にも三連装280mm陽電子ビーム・カノン砲塔×4基(右舷二基、左舷二基)を装備し、ガミラスの主力
兵器である対艦ミサイル(空間魚雷)は艦首下面に4門装備するのみである。

では何故、このデストリア級は砲戦力に特化したのであろうか?

これはガミラスの勢力圏拡大政策と大いに関係がある。

ケルカピア級航宙高速巡洋艦による星間通商破壊作戦で標的となった星間国家の勢力を弱らせ、クリピテラ級
航宙駆逐艦隊によって敵艦隊に打撃を加えて殲滅し、降伏に追い込むのがガミラスの常套戦略だが、対艦
ミサイルはいくらPGM(精密誘導兵器)とは言え、基本的に人間の様な判断力はない。

発射されたが最後、敵に命中、破壊する事だけを考える悪魔の様な存在だ。

当然、何を攻撃するのか、破壊の程度はどの程度に抑えるか、敵が降伏してきたら度の様に対処するのか?

と、言った高度な判断力は機械には任せられない。

そこで射程距離では大きく劣るものの、人が判断する高度な内容を持った攻撃は昔ながらの砲戦によるしか
ないのである。

幸い、ガミラスはゲシュタム・ジャンプと言う高速移動の手段を持っており、光速兵器の射程距離の短さは
ある程度カバーできた。

ケルカピア級航宙駆逐艦によるおおまかな攻撃の後、デストリア級航宙重巡洋艦には攻撃すべきもの、攻撃
してはならないものを選別して戦場を細かく整理してゆく役割がある。

このため、デストリア級航宙重巡洋艦は後記するガイデロール級二等航宙戦艦よりも砲頓兵装は強力である。

 4.ガイデロール航宙戦艦
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通常のガミラス艦隊では最大の超弩級戦艦である。

全長に到っては「ヤマト」よりも長く、指揮官さえ勝れていれば「ヤマト」とも単独で戦えるのではと思わせる
巨大な戦艦だ。

しかし、最初この艦の砲頓兵装を見た時、私は眉をしかめた。

主砲は三連装330mm陽電子ビーム砲塔×3基で 副砲は二連装280mm陽電子ビーム砲塔×4基 と、

デストリア級航宙重巡洋艦より大幅に劣っているのである。
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超弩級戦艦を名乗るのであれば330mm陽電子ビーム砲の数をもっと増やさなければおかしいと思ったので
ある。

しかし、ガミラス航宙艦隊の基本戦略である対艦ミサイルの充実と言う面からこの艦を見直してみると確かに
艦首に12門、艦底に21門と合計33門もの空間魚雷発射口を備え、クリピテラ級、ケルカピア級、デストリア級を
大きく凌ぐ攻撃力を持つ事に気が付いた。
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やはりガミラス艦隊の主力は航空宇宙兵力であり、それが今は対艦ミサイルとして主力の座にある事を再認識
したのである。


      66, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(9) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-22 21:00 | 考察 | Comments(0)
 実際のガミラス艦に前回考察した大質量兵器がどの様に採用されているかを見てみる事とする。

 1.クリピテラ級航宙駆逐艦

ガミラスの航宙艦隊の中心となる主力艦であり、航宙艦隊で一番、数の多い艦艇である。
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攻撃用対艦ミサイル(空間魚雷)群は以下のとおりである。

魚雷発射管×6基(前方両舷×4基、後方両舷×2基)

VLS(艦橋前甲板)×8基

これらは全てPGMであり精密誘導されるので発射方向と攻撃目標の方向は関係ない。
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すなわち、航宙駆逐艦ながら14機の空間雷撃機を持つ小型の宙母として機能する艦となったのである。

艦橋後部に付いている四連装ミサイルのコンテナーを連装ランチャーにしたこのミサイルは小口径なので
多分、敵の対艦ミサイルや艦載機から自艦を守る防衛用のものだろう。

その他、後部についている連装速射133mm陽電子ビーム砲も攻撃用というよりは個艦防衛用のものである。

艦底部に付いている二連装280mm陽電子ビーム砲塔も最低限の個艦防衛用のものに過ぎない。

攻撃の主力はあくまでも対艦ミサイル(空間魚雷)なのだ。
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 ガミラス艦は強力な陽電子ビーム砲を持ち、それを薙ぐ様に使って敵艦を裂く様に攻撃する場面が多いので
てっきり、主力兵器は陽電子ビーム砲だと思っていたが、よくよく分析してみると主力は長射程の対艦ミサイル
だと言うことが判る。


      65, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(8) → この項、続く
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by yamatoss992 | 2013-07-21 21:00 | 考察 | Comments(0)