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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

<   2013年 10月 ( 12 )   > この月の画像一覧

 「どうも完全に探知されたみたいね。 ゲルド。」古代守達を乗せたガミラスの俘虜輸送艦PZ-06の艦長、
サターニャ・ラストフ中尉は副長のガミロイドに言った。

例の ” 三つ目 ” のガミロイドである。

「ガトランティスの偵察駆逐艦隊の様ですね。 勢力は五隻、圧倒的です。  艦長、どうします。」
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「近くに友軍はいないのは確認済み・・・とっ。 しかたない、出来るだけ遠くまでゲシュタム・ジャンプするわ。」

「大遠距離をゲシュタム・ジャンプすると時空震も大きくなって追跡されやすくなりますが・・・。」ゲルドは反論
した。

「サレザー星系内までジャンプしてしまえば、追ってきた奴等が今度はこっちの獲物になるわ。」サターニャが
ニタリと嗤った。

「最大ジャンプを後二回ですか・・・。 一度ジャンプすると、次のジャンプまで少し間を空けなければならない、
難しい賭けですね。」

「この艦は武装していないのか、俘虜輸送艦だといっても少し位の武装は持っているだろう?」古代守と石津一尉が往診に連れてこられていた。

さすがに最初の提案は過激過ぎて回数を分けた治療に切り替えられたのだ。

「あんた達は ” 輸送物資 ”。  戦闘の心配はしないで良いわ。」サターニャは左手の肘まである手袋を脱ぎながら言った。

治療法を穏やかなものにしたといっても皮膚から筋肉に達する傷をつけてペニシリンを処方する事には変わりないので、痛々しい傷がその腕の表面には走っていた。

<この子は一生、この傷と付き合って行く事になるんだな・・・。>憎い一等ガミラス人といえど自分より一回り下の年齢にしか思えない少女の肌にいかに治療の為とはいえ、大きく、醜い ” 傷 ” を付けた事は守の心にも
” 傷 ” を残した。

”治療”が終わり、包帯を巻き直すとサターニャは直ぐにグローブを嵌めた。

ガミロイドは直ぐに守達を”牢”に戻そうと銃で守を小突いたが、それをサターニャが止めた。

「さっき面白い事を言っていたわね。”プラートの雷神”。」

「俺達は”荷物”じゃなかったのか?」守は皮肉を言った。

「”荷物”だって『自分が生きる努力』はして良いのよ。」サターニャはヘロっと言った。

「あんたにゃかなわんな。」守は山根も呼び作戦を練る事にした。

「ヤマト」が次元断層で「EX-178」と共同戦線を張る以前、初のガミラスー地球共同作戦だった。

**********************************************

「ガミロン巡航艦、転移しました。最大転移です。」探知士の報告を受けたガトランティス駆逐艦隊の司令は
直ぐに追跡転移を命じた。 

ガミロン艦の最大転移距離は既に把握済みだった。 

<逃がしはしない! 散々ガミロンに叩かれた恨み、忘れはしない!>司令は自信を持って俘虜輸送艦
PZ-06を追い詰めた。

しかし、転移が明けた通常空間の前方にいるはずのPZ-06の姿は無かった。

だが、次の瞬間、V字艦隊を組んでいたガトランティス駆逐艦隊最後尾の位置を占めていた一隻が爆発した。

「何!」司令は後方空間を走査させた。

果たせるかな猛烈な加速をしながら接近を図るガミラス艦があった。

しかもかの艦は大口径の陽電子ビーム砲を薙ぐ様に払って最後尾艦を撃沈したのだ。

古代守達を乗せた俘虜輸送艦PZ-06である。
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普通なら追跡されているならそれをまこうとするだろう。

しかし、古代守達が加わったPZ-06の戦法は違った。

<失速転移を利用しやがったか!>ガトランティスの司令は歯噛みした。

失速転移、これは普通は ” 事故 ” に分類される、設定した転移(ゲシュタム・ジャンプ)に必要なエネルギーは
転移(ゲシュタム・ジャンプ)終了直前まで供給し続けなければならない。

しかし、大遠距離の転移(ゲシュタム・ジャンプ)を設定しながらその距離に見合わないエネルギー供給しかないとエネルギー供給に見合った距離でジャンプが終わってしまうのである。 

そう、まるで ” 失速 ” したかの様に突然転移(ゲシュタム・ジャンプ)が終わってしまうのだ。

” 失速 ”時には相当大きいショックが伴い、かつ、機関も痛むので普通は敢えてやろうと思う者はいない。

さらにガトランティスの駆逐艦は後方を攻撃出来る兵装が無いのだ。

もちろん地球艦やガミラス艦は前方発射管から発射した魚雷でも後方を攻撃出来るがガトランティスの空間魚雷発射管制システムではこの能力が省略されているのだ。

「全艦左回頭!」司令は攻撃力が最大限に発揮出来る上面を敵に向けた左回頭を命じた。
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だが、ガトランティス駆逐艦隊が攻撃態勢に移る前にPZ-06は艦隊の位置を通りこしていた。

しかもすれ違い座間に近距離から小口径の陽電子ビーム砲を近くの敵艦に喰らわせ撃破した。

さらにガトランティス駆逐艦隊の隊列をネルソン・タッチで分断するとそのまま隊列の裏側に出た。

光速兵器で重武装しているガトランティス駆逐艦といえども下面の武装は最低限のものしか無かった。

まばらに浴びせられる光速兵器のビームを尻目にPZ-06は次の最大ゲシュタム・ジャンプに移っていった。


                                       109.星、越えし先の君(4)→この項、つづく
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by YAMATOSS992 | 2013-10-29 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)
 翌日、例のガミロイドが再びやって来た。

今度は四人の武装したガミロイドが同行していた。

ガミロイドは鉄格子の前に置かれた空になった食器トレイを見つめた。

「『病人』の所に案内してもらおうか・・・。」古代守はガミロイドに告げた。

ガミロイドは黙って三人を「牢」から出すと、別の「牢」へ案内した。

その「牢」は守達が入れられていたものと殆ど同じ作りで「便所」すらないところまで同じだった。

だが、一応、「病人」である事を配慮してか、「夜具」だけは支給されていた。

しかし、守達を一番驚かせたのはその「病人」がまだ「少女」だったことだった。

かなり、容態が悪い様子でその肌は”まっ青”だった。
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古代達、「地球防衛軍」の士官は少人数での乗艦が多いので医術の訓練を受けさせられていた。

孤立無援の宇宙船内で病人、負傷者が出た時、誰もがそれに対処出来るためである。

「照明をもっと多くしてくれ!」守はガミロイド達に要求した。

すぐさまガミロイド達は照明器具を大量に運び込んできた。

それでも少女の顔色は「青い」ままだった。一人のガミロイド兵が捧げ持つ照明の位置を高く変えさせ、

少女の顔がはっきりと照らし出される様にした。

彼女の皮膚の色は本当に”蒼”かった。

やはりここは”異星の船”だという事を守達は再認識せざるを得なかった。

どのような病気なのか、今は判定が付かなかったが少なくとももっと衛生的な場所で治療をする必要がある事をガミロイドに伝えた。

だが、ガミロイド達は病人や負傷者は「牢」に入れて隔離するものだとプログラムされているらしく、
頑として守の要求は聞き入れなかった。

「止むを得ない・・・。 治療はここで行う。一番経験が豊富なのは君だ。”治療”の指揮を執ってくれ。」守は主治医の役を石津一尉に任せた。

「技術的データがまるでない・・・。これでどうやって治療しろと・・・。」石津一尉が抗議した。

「肌の色以外、我々と同じだ。 我々と同じ治療を行うまでだ。」守が応えた。

「肌の色が”青い”って事は、血も”青い”んじゃないですか?」山根三尉が疑問を口にした。

「地球人の”黒人”の血の色は”黒い”か? 馬鹿な事を言うな。」石津が患者の胸を大きく広げて
耳を当てた。

小ぶりの乳房が顔を覗かせたが猥雑な事を考えているものは一人もいなかった。

「”雑音”が少し聞こえます。 ”結核か肺炎”を起こしている疑いがあります。

 ”便”はどうか、調べてみる。守は「牢」の隅で「彼女が用を足していた」と思しき場所に足を運んだ。

しかし、どの隅を見ても”排便”をした形跡はなかった。

「石津、酷い便秘で死にそうになるって事はあるのか?」守は率直な疑問を石津一尉に聞いた。

「いや~っ、自分の知る範囲ではそんな事は聞いた事がありませんが・・・。」石津は応えた。

守は少女の横たわった”マット・レス”の傍に引き摺った様な後がある事に気が付いた。

「彼女の本当の病室へ連れてゆけ! ここが我々を騙すためのカモフラージュの「牢」なのは直ぐに解った。」守は彼等を「隔離病棟」へ連れてきたガミロイドに詰め寄った。

「ここがそうだ。 ここで治療をして欲しい。」ガミロイドは融通が利かなかった。

「『便』の状態が確認出来なければ危なくて治療出来ないです。」石津一尉は弱り果てていた。

実は地球防衛軍の兵士は皆、服のあちこちに少量だが、医薬品や治療器具を持っているのだ。

治療器具は最初に捕虜になった時、取り上げられてしまったが、服の繊維に染料として染み込ませてある
薬剤があった。

一つはペニシリン、一つはストレプトマイシン、もう一つは大麻だった。

使える薬剤はこの三つ、しかし”大麻”は「最期の痛みを和らげる」ためのもので治療には使えなかった。
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「お前達は『治療薬』は何も持っていないのか?」守は素朴な疑問を発した。

一人のガミロイドが小ぶりの箱を一つ持って来た。

消毒アルコールやその他の薬品の匂いが入り混じった”お馴染みの匂い”がした。

「救急箱か! 」石津一尉は喜んでそれを受け取った。

石津が勇んで中を開けて見ると、包帯だのガーゼだの外科用の医療器具ばかりが入っていた。

彼らは負傷者以外、手当てをする習慣がないのか? 守は大きな疑問を持ったが、今はそんな事より、
目前の「患者」の命を救うのが先決だった。

「”結核か肺炎”を起こしています。 

抗生物質の投与が必要ですが、”結核ならストレプトマイシン”、”肺炎ならペニシリン”と投与する薬が違い
ます。

間違えれば”命の危険があります。”」石津一尉は冷徹な事実を告げた。

守はちょっと考えたが、いきなり、その”患者”にキスをした、しかも口の内側を嘗め尽くすディープ・キスだった。

女は驚いたがもっと驚いたのは石津一尉だった。

「何をするんです!」石津は二人を引き離した。

「大丈夫だ。 少なくとも”結核”ではない。 彼女の口中には”鉄分の味”はしなかった。」

”鉄分の味”はしない、それは”吐血、喀血”の類はおこしていないと言う事だった。

「ですが、もしほかの”伝染病”だったらどうするんです!」

「空気感染するものだったら既に、手遅れだし、俺はどの道、死ぬつもりだったからな。」守は言った。

「それに俺達の”死”が彼女の”生”に繋がるなら俺達の死も無駄にはならないってもんさ。」

「さあ、大体の治療方針はついた。 皆の制服に縫い付けてある”ペニシリン”を全部、出してくれ。」

守は皆に手持ちのペニシリンの供出を命じた。

数時間後、僅かな量ではあったが、”ペニシリン”の用意が出来た。

しかし、ここで困った問題が起きた。

注射器がないのだ。

”ペニシリン”は普通、筋肉注射で処方する、しかし、守達はもちろん、ガミラス側にも注射器は無かった。

” 蒼い肌 ” の少女が” 三つ目のガミロイド ”を呼んだ。

” 三つ目のガミロイド ”は少女の口元に耳(?)を近づけ、何かを聞いていた。

そして頷くと守達の所へ来ると言った。

「私の主人は腕の筋肉を切り裂き、薬剤を染み込ませた繊維を押し込む事で治療出来ないかと言っている。」
” 三つ目のガミロイド ”は事務的に守達に聞いた。

しかし、そのあまりに壮絶な申し出に守達は声も出なかった。


                                       108.星、越えし先の君(3)→この項、つづく
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by YAMATOSS992 | 2013-10-22 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)
 それから随分と時間が経った、ある時、古代 守達は再び”ガミラス兵”達に牢の外へ連れ出された。

そして今度は船外ではなく、船内奥深くの小部屋に連れてこられた。

そこには机と中型のモニター・スクリーンしかない簡素な小部屋だった。

地球とは異なり、照明は床から生えた間接照明だった。
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そういえば、彼等が押し込められていた”牢”も室内にこそ、照明は無かったが通路にある照明はやはり間接
照明だった。

やはり、異文化の船に囚われているのだと言う実感が守達の胸を締め付けた。

 さて、部屋の奥には一人の”ガミラス兵”が後を向いて立っていた。
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彼は首の左に付けた小さな装置のボタンを押した。

そして言った。「プラートの ”雷神” 諸君、まもなく、この艦は 中継地点 に着く。

君達にはそこで 最終目的地 へ向かう ”別の艦” に乗り換えてもらわねばならない。

 そこで二、三、注意する事がある。」そういうと、かの”ガミラス兵”は守達の方に向き直った。

守達は唖然として声も出なかった。
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そこにいた”ガミラス兵”はお馴染みの四つ目の細マッチョではなく、極普通の地球人だったからだ。

だが、彼は守達の心を読んだかの様にいった。

「残念ながら私は君達 ”テロン” ではない、髪の色や目の色が違うだろう?」彼は自分の目や髪を指差した。

 「はぁ、地球人でも住む場所によって髪や目の色は違うから何んとも言えない・・・。 肌の色さえ
違うからな。」守は呟く様に言った。

まだ、目の前にいるのが ”ガミラス人” だと言うことが信じられなかった。

「肌の色まで多様だと・・・。その肌の色での差別はあるのか? プラートの ”雷神” よ。教えてくれ。」
地球人と区別のつかないそのガミラス人は詰め寄ってきた。

「どうしてそんな事を聞く? それに質問があるならまず名乗るのが礼儀ではないのか?

ガミラスでは違うというならこれ以上の質問には答えられない!」守はビシッと言った。

「確かに名乗ってから質問するのが礼儀なのは ”ザルツ” でも変わらん。

しかし、今、ガミラスに併合され、二等とはいえ ”ガミラス人” になった以上、軍上層部の意向には逆らえん。
必要以上の情報を君達に与えてはならないのだ。

私は 『プラートの雷神』 達を移送する様、命令を受けた。

だから、中継地点まで君達を運べば任務は終わる・・・。

しかし、”ガミラス” に併合され、二等臣民として差別されているのはとても悔しい。

だから、最小限度の抵抗ではあるが、本来、君達に与えてはならない情報を漏らす。」

再び後を向いた "ザルツ人” は誰に言うとでもなく語った。

「実際は判らないが 中継地点 から最終目的地まで君等を護送するのは ”一等ガミラス人達” だと予想される。

彼等は自分達と肌の色が違う二等臣民を差別し、酷い扱いをする。

君達は ”プラート” で獅子奮迅の活躍をした。

そして、その働きは我々の間では ”プラートの雷神” として讃えられている。
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この件は軍上層部に伝わり、” 『プラートの雷神』 を本部へ連行せよ” との司令が下った。

我々は君達の働きぶりを直接目撃している、だから、その武勇に相応しい待遇を出来る範囲内で与えた。」

<それで『田中二曹』の『宇宙葬』をしてくれたんだ。>守は急に眼前にいる敵に親しみを覚えてしまった。

「だが、この後、君達を護送する であろう、一等ガミラス人達 は 『君達の働き』 を見ていない。

加えて君達の肌の色は我々”ザルツ” 人と同じだ。

差別や嫌がらせ、挑発して手を出させ、惨殺しようとする動きはある、と思った方が良い。」

再び振り返った、その ”ザルツ人” は守の肩に手を掛けてその目を見詰めた。

「判りました。 ご忠告有難うございます。」守はその ”ザルツ人” に敬礼した。

「死ぬなよ! 君達が非業の最期をとげたら、君達と戦った 『我々の戦友』 達も死んでしまう。」

その ”ザルツ人、バル・ヤレトラー” は守の手を固く握った。

**********************************************

<彼等 ”ザルツ人” は 『尚武の心』 が強い民族の様だ。 勇敢に戦ったものは例え負けても、死なない。

そして、それを打ち負かした者が次の戦いで死んでもその死に方が勇敢なものであれば、二人とも死なない。
そうして、彼等の”武人達”は永久に生きる続けるんだ。>古代 守は仇敵の内に戦友を見出し、複雑な思いに囚われた。

「あの話が本当なら、我々が連れてゆかれるのは、多分、”ガミラス” 本国でしょうね。」 石津一尉が的確な分析をした。

「戦病死した『田中二尉を ”粗末な扱い”をせず、キチンと ”宇宙葬” してくれたんですね。」 山根三尉は少し、不安が薄らいだ様だった。

「だが、その ”中継点” とやらで俺達を ”受け取る” 連中が今、俺達を護送している ”ザルツ人” の様に俺達を
”捕虜” として扱ってくれるのか、どうか、それは判らない。 

彼が ”軍機” を犯してまで俺達に忠告してくれたのは ”捕虜” としてさえ扱わない ”可能性” が高いからだ
ろう。」 守は冷徹な事実を言った。

「それって ”生体サンプル” って事ですか!」山根三尉が震え上がった。

「判らない・・・。 見当もつかない・・・。 ガミラス大戦が始まって九年も経つ、今更、地球人の ”生体サンプル” なんて必要ないだろう・・・。 やはり、指導者の気紛れって奴じゃないかな。 まっ、俺達は堂々と地球人と
しての ”矜持” を示すだけだ。」 古代 守は覚悟を決めた。

 守達はそれまで乗せられて来た航宙高速巡洋艦”ケルカピア”級から ”デストリア”級航宙重巡洋艦
に乗せかえられた。
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辺りは大小の軍艦が所狭しとドック入りし、また、数多くの艦が出発、帰還を行っていた。

ここはガミラスの大拠点らしかった。(守達はしらなかったが、ガミラスの大拠点”バラン星”であった。)

それまで守達を護送して来た”ザルツ人、バル・ヤレトラー”が”デストリア級”の乗降口の遥か手前で衛士に
制止され、そこで手を振って別れを惜しんでくれた。

守は複雑な気分だった。 

”ザルツ人”はメ号作戦・迎撃はおろか、地球に対する遊星爆弾攻撃を行っている張本人である。

憎んでも飽き足らない存在であった、しかし、彼等は守達をキチンと捕虜として扱い、非道な振る舞いは一切
なかった、更には戦病死した”田中卓二 二等宙尉”に対しては”礼”を尽くした”宇宙葬”まで出してくれた。

また、今後、訪れるかも知れない”苦難”についての”注意”を”軍機”を犯してまでしてくれた。
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<とうとう、彼の名は聞けずじまいだったな・・・。>守は”デストリア”級に乗り込みながら今後の”苦難”に思いを
はせた。

守達はいきなり”牢”にぶち込まれた。

艦長の”挨拶”位は期待していたのだが、”侮蔑に満ちた挨拶”すら無かった。

「どうやら、俺たちは人間扱いどころか、生物扱いすらもして貰えないかもな・・・。ただの貨物だぜ。」一番若い
山根三尉が履き捨てる様に言った。

はたせるかな、彼等の閉じ込められている牢獄に「食事」が運ばれてくる気配は無かった。

牢番をしているガミロイド(ヤレトラーとあった事で彼等が人間ではない事は推測出来た。)に食事の要求をして
みたが、全く無視された。

どれ位の時間が流れたか、彼等にはもはや検討も付かなかったが、筒状の物体が彼等に支給された。

その中身は僅かな「水」だった。

根本三尉が顔を綻ばせてそれを受け取った。

そして、蓋を開け、中身を飲もうとした。

しかし、その水の入った容器を守は叩き落とした。

「何するんですか! 艦長!」根本は守に喰ってかかった。

「俺たちは『生きた貨物』じゃない! ”知的生命体”としての待遇を要求する。」

「貴様達が我々の言語を解析済みなのは判っている。 言葉が通じないふりはさせないぞ!」

水の容器を持って来たガミロイドを通じて”主人”たる(一等)ガミラス人が話を聞いているはずだった。

そのガミロイド、何故か”三つ目”だったが、それがキシル様な声で話し始めた。

「”ザルツ人”は二等ガミラス人だ。 その”サルツ人”にすら”滅亡させられかかっている”劣等生物が、”知的
生命体”だと? 笑わせるな! 

お前達に与えた待遇は最高のものだ。 

そんな事も理解出来ないのか? やはり、お前達は本当に劣等生物だな。」

「これが最高級の待遇? ふざけるな、 食事も与えず、僅かな水分補給だけでで命を永らえさせる・・・。

これのどこが、最高級の待遇の待遇だ。 説明してみろ!」守は怒りに手が震えた。

" 三つ目 " の ガミロイド はヤレヤレといった風に手を広げた。

「食事を採らなければ”体力”は落ちる。 ”水分”も最小限度しか採らなければ”行動”する事もままならない。

当然、我々に対し”反逆”や”反抗”する事は出来なくなる。

私の受けた命令は”プラートの雷神”を本国に移送することだ。君達を”傷つけたり”、場合によっては”殺害”
する事は絶対に避けなければならないのでな。

そうした”危険”から君達を守る安全策を取ったまでだ。」 ” 三つ目 ” の ガミロイド は当然の様に言った。

「そうか、判った、”ガミラスの論理”は理解出来たが”地球人”としてその論理は断じて受け入れる事は出来ない。」 守は部下達の顔を見渡した。

誰もが守の「決意」を無言の内に理解していた。

「お前の『任務』は『我々』の『生きたままの移送』だと言ったな。

だったら、その『任務』不成功にさせてやる。

これから、どんな食料、飲料を持って来ても我々は拒否する。

『餓死』した死体を上官の下に届ければ良い。

我々は『地球防衛軍』の一員だ、こんな死に方ぐらいなんでもない!」守は言い放った。

「そちらの言い分は判った。 根競べになりそうだな。 せいぜい頑張ってくれたまえ。」

” 三つ目 ” のガミロイドは山根に渡した”水筒”を戻させると、他の三本の水筒は守達に手渡す事なく回収して
いった。

**********************************************

 「艦長、もう少し”楽な”死に方は選べなかったんですかね。」石津二尉が皆を代表して守に聞いた。

「皆には済まないと思っている。 しかしな、これは『地球人としての矜持』の問題だ。

奴等に自分達のやっている事がいかに非人道的であると同時に目的を果たせないものであるか、思い知らせて
やる必要がある。  

その為には単なる”自殺”では駄目だ。 

奴等が正当と考える方法で失敗させる必要があるんだ。」

飢え、痩せ細ってはいたが古代守のその目には闘志が溢れていた。

 古代守達、三人は飲まず喰わずでこのまま「殉職」する覚悟を決めていた。

例え、艦を失い、仲間を大勢失ったとしても、そして自分達が「捕虜」となったとしても、まだやれる事はある!それが「地球防衛軍」のいや、「地球人」の「誇り」だった。

彼等が守達を「生きて」本拠に連れて行こうとするなら、「死んでやる」までだった。

しかも、守達の行動力を奪うため、食料も与えず、水だけで命を繋いで護送しようとしているなら、その「水」も
絶って「死」を向かえ、彼等、ガミラス人の中でいかに「非道な事」が行われている事を示そうと言うささやかな
抵抗だった。

三人は夜具も与えられず、「牢」の中央で寝泊りしていた。

この「牢」には「便器」すら用意されておらず、彼等は完全に「野性動物」扱いだった。

仕方ないので三人は「牢」の隅で用を足していた。

悪臭が充満し、三人の生活空間は自然と「牢」の中央になっていったのだ。

<ザルツ人は命令されて止む無く「遊星爆弾攻撃」をしているのだ。>守にはそう思えた。

ザルツの船は清潔で夜具もきちんと与えられ、1日置きだったが食事もあった。

多分、彼等の星、ザルツはガミラスの圧制下に置かれ、住民は「人質状態」にあるのだろう。

彼等”ザルツ兵”は”自分達の民族”のために戦って死んでいっているのだ。

”一等ガミラス人”こそが、守達、「地球防衛軍」が本当に”仇”にすべき相手だった。

数日後、守達の「牢」の前に「食事」と「飲料」が運ばれて来た。

運んで来たのは例の ” 三つ目 ” の ガミロイド だった。

「何の真似だ。 お前達の『施し』は受けぬと厳明したはずだぞ!」守は食事を運んできたガミロイドに宣言した。

「お前も気付いている通り、私達はガミロンによって造られた擬似生命体だ。 

だから天然の生命体については作動不良が起こっても対処のしようがない。

今、この艦にはお前達以外にも搬送している生命体がいる。

その生命体が作動不良を起こして生命活動が停止寸前なのだ。

その食事を食べて体力を回復し、問題を起こした”生命体”の命を救って欲しい。」 ” 三つ目 ” の ガミロイド は
実に事務的に希望を述べた。
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「ずいぶん勝手な言い分だな。 俺たちに別の『捕虜』を助けろと? どんな経緯があるか、判らないのに?」
石津二尉もあまりに勝手な言い分に腹を立てたようだった。

「何故、その生物の『生命』を助けなければならない、その理由を教えろ!」山根一尉も畳み掛けた。

しかし、 ” 三つ目 ” のガミロイドは「軍事機密」だとして何も語らなかった。

しかし、ただ一言だけ、言った。

「君達、”テロン”は”命”尽きようとしている者を前にしてそれを”見殺し”に出来る程、非道な生き物なのか?」と。

「それはお前達にこそ”当てはまる”俺たちに対する扱いは”非道ではない”とでも言うつもりか!」古代守は
怒りを爆発させた。

「”我々”は”我々”だ。 私は”テロン”の心のあり様について聞いている。

”他の無力な生命”が”死”に瀕している時、”テロン”は自分達の扱いを理由に”見殺し”にする程、”非情な
生き物”なのか、と聞いただけだ。」それだけ言うと ” 三つ目 ” の ガミロイドはその場を去っていった。

「牢」の鉄格子の前には「食事」が置かれたままになっていた。



                                      107.星、越えし先の君(2)→この項、つづく
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by YAMATOSS992 | 2013-10-20 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)
 しかし、機関部を直撃された訳ではなかった「ユキカゼ」の艦体被害は軽微だった。

だが、もはや機関は運転不能、戦闘続行も不可能になっていた。
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古代 守は”総員退艦”を命じた。

ここ、「冥王星」周囲の空間では”国連宇宙軍の救助”はまず望めなかったが、”生きる努力”は出来る
だけ行うのが彼の信条だった。

しかし、後部の機関員は先程の爆発で全滅しており、前部艦体にいた火器管制員も先程の敵艦爆発時に飛んで来た破片で機密を破られ、四名が艦外に吸出され、残った一名も重症を負っており、何時まで命が持つか、判らない状態だった。

艦橋クルーは全員無事だったが、五名の要員に対し三名分しか、脱出カプセルは無かった。

しかし、古代 守は重症を負った乗員一名と艦橋クルーの内、一番、若い通信士をカプセルに入れると
打ち出させた。

残ったカプセルは一つ、残った人員は四人だった。

こんな絶対絶命の危機でしかも延命の機会が不確かだがある時、通常の人間達だったら醜い争いが起こるだ
ろう。

しかし、宇宙をその生活の場としている者にとって、こんな場面は極く、当たり前の出来事だった。

既に艦の機密は破れ、真空が辺りを支配していたが、残った四人のクルー全員は宇宙服を着用しており無事
だった。

石津副長が壁に取り付けてある小さな箱をとった。

そして蓋をあけるとその中には艦橋クルー全員分、五つのボールが入っていた。

石津は田中にその箱をボール毎渡すと田中はその内のボールを一つ取って捨てた。

そして、山根にその箱を四つのボール毎、渡した。

山根はその内のボール一つを取ると、耐真空ペンで×印を書き、箱に戻すと古代に渡した。

古代は皆にその×印の書かれたボールが箱の内にある事を皆に確認させると箱の蓋を閉め、二~三回振った。

そして、残ったクルーの内では一番若い山根にその箱の上面を向けた。

そこには丸い穴が開いており、宇宙服を着たまま、手を入れられる様になっていた。

籤引きである。
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宇宙で生きる者は生命の掛った、この様な究極の選択をしなくてはならない時、地位、階級に係わりなく、
”生きる権利”を平等に別けるため、籤引きで全てを決めるのだ。

しかし、山根は首を横に振った、とりあえず、権利を放棄すると言うのだ。

もちろん、皆が籤を引き終わり、誰も当たりがなければ山根が”勝者”となる。

しかし、彼はそんな臆病な目的で権利を放棄したわけでは無かった。

次の田中も権利を放棄し、石津も権利を放棄した。

「これじゃぁ、『籤引き』にならない・・・。 最初からやり直しだ!」守はもう一度、山根に箱を突きつけた。

「艦長・・・。 もうやめましょう。 皆の意思ははっきりしたじゃないですか。」石津が守と山根の間に
割って入った。

「皆、生き残るべきは”あなた”だと思っているんですよ。 チャッチャッとカプセルに入って下さい。」
石津は守をカプセルの搭乗口に追い立てた。

「皆・・・。」守は彼等の気持ちが嬉しかった反面、この危機的状況を作ったのは自分だと思っていたので
カプセルに乗る権利は自分には無いと決めていた。

もし、自分が籤にあたったその時は一番若い山根を無理やりにでもカプセルに詰め込み、打ち出すつもり
だった。

しかし、今の状況では皆が身構えている、とても不意を襲って山根を脱出させる事など不可能だった。

その時だった。 

脱出カプセルの内から異様な物体が姿を現した。

カプセルの上部が破られ、外から”何か”が侵入して来たのだ。

艦の機密が破れ、真空状態になっていたため、”音”が聞こえず、誰も侵入に気付かなかった。

”銃?”と思しき”武器?”を構えた”それ”は”人型”をしていたが、”顔?”についている”目?”と
思しき物は人間と違って”四つ”もあった。

守はその姿を見て絞り出す様に言った。

「ガミラス・・・!」
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**********************************************

 生き残った古代 守、石津 英二、山根 章、は田中の死亡を”ガミラス”に知れない様にしようと考えた。

田中が死亡したのが知られたら、その”遺体”はどの様に扱われるか、判らない、どんな”死者”を冒とく
する行為が行われるか、判ったものでは無いと彼等は考えたのだ。

彼等が入れられている牢獄に”ガミラス兵?”が食事を運んで来た。

その食事の内容は酷いものだったが、空腹は”最大の御馳走”と言われる通り、腹ペコだった彼等はその
運ばれて来た一杯の”塩味もしないスープ?”と”ボロボロのパン?”を貪る様に食べた。

食事を持って来た”ガミラス兵?”は彼等全員が食事を始めたのを確認すると元来た方向に帰って行った。

「どうやら、気付かなかったみたいだな・・・。」守が”ガミラス兵”が去っていったのを確認する様に鉄格子に顔を押し付けた。

しかし、幾ばくもしない内に”ガミラス兵”は”仲間”を四人、引き連れて戻って来た。

彼等は最初の一人とは違い、銃で武装していた。

古代達、三人の地球人に格子の外から銃を突き付け、部屋の奥へ下がらせた。
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そして、扉を開けると二人(?)の”ガミラス兵”が牢の中に入って来た。

古代は唇を噛んだ。 奴等は”田中二尉の死”に気が付いていたのである。

彼等は”田中二尉の遺体”を迅速に回収していったが、古代達にはどうする事も出来なかった。

 時計は取り上げられていたのでどれ位の時間が経ったのか、判らなかったが、今度もまた五人の武装した

”ガミラス兵”がやって来た。

彼等は三つの”キャリー・バック?”を運んで来ていた。
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古代達、地球人”捕虜”一人々の前にその”バック?”は横たえられ、”ガミラス兵”はその蓋を開けて、
内部を示した。

そこには”宇宙服”と思しき物が入っていた。

古代が恐る々それを指差して、次に自分を指差した。

”ガミラス兵”は姿勢を正し、直立不動の姿勢を取り、右手を挙げた。
(古代達は知らなかったが、これは”ガミラス式の敬礼”であり、同意のサインでもあった。)

「艦長!コイツ等の言う事を聴くんですか? ”田中 ”を ”始末”したコイツ等に従うんですか!」
山根 章 三等宙尉 が古代に詰め寄った。

「やめるんだ・・・。山根、今はコイツ等に逆らった処で何も変わらない・・・。下手をすれば死体が増えるだけだ・・・。」石津 一尉はそう言うと自分の前に置かれた”バック”の中に入っていた宇宙服を着用し始めた。

石津が宇宙服?を着ると”ガミラス兵”は彼の身体を隅からすみまで点検し、再び”ガミラス式の敬礼”をした。

「大丈夫か? 呼吸は出来るか?」古代は思わず走り寄って石津の肩に手を置いてしゃべった。

石津は何か、言ったが”ヘルメット越し”なので何を言っているのか、は判らなかった。

しかし、言葉が通じない事に直ぐ気が付いた石津は”OK”サインで問題の無い事を伝えた。

”ガミラス兵”に促され、古代と山根も”ガミラスの宇宙服”を着用、点検を受け終わると、

武器を持たない”ガミラス兵”が”着いて来い”と言う意味に取れる合図をした。

先頭に武器を持たない”ガミラス兵”、次に銃で武装した”ガミラス兵”が二人、その次に守達、
”ガミラスの宇宙服を纏った”三人の地球人、最期はやはり、銃で武装した”ガミラス兵”が二人と
油断の無い護送態勢で守達は艦外へ誘導された。

彼等の連れて行かれた場所は艦尾の砲塔の周りにある僅かな甲板だった。

ガミラス艦は曲線で彩られており、人が立てる”甲板”など殆ど無かったがそこには三人の”ガミラス兵”と
細長い円筒状の物体が置かれていた。

三人の地球人はその円筒の横に並ばされた。

一人の”ガミラス兵”がその円筒の端にある蓋を開けた。

その中身を見た山根が唇を噛み、まず”ガミラス兵”を睨みつけ、次に古代達の方を向いて涙を流した。

その円筒の中身は先程死亡した田中二等宙尉の”遺体”だったからだ。
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一段高い所に立った”ガミラス兵”が何かをしゃべりだした。

守達の着ている宇宙服の中にもその”ガミラス語”らしい言葉は通信回路を通して伝わってきた。

守はその言葉の意味は全く判らなかったが敵兵の言葉にも係わらず、その言葉が何か尊い響きを持って
伝わって来るのが不思議だった。
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”ガミラス兵”がしゃべり終えた。

そして、その”ガミラス兵”が合図すると先程、”棺”の蓋を開けた”ガミラス兵”が今度は”棺”の
蓋を閉め、甲板に”棺”を固定していた止具を外すと”棺”を宇宙空間に押し出した。

先程、”何か”をしゃべっていた”ガミラス兵”は右手を掌を上に守達の方へ差し伸べ、その手をゆっくり
”棺”の方に向けた。

「国連宇宙軍 二等宙尉、田中 卓二の霊に敬礼!」守は反射的に敬礼をした。

石津、山根もそれに習った。

驚いた事に”ガミラス兵”達も”ガミラス式の敬礼?”ではあったが、姿勢を正し、田中の棺を見送った。

それを見届けたかの様に、舷側から充分離れた棺は短い噴射をすると、彼等の視界から消えていった。
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そして、守は思った、< 、紛れもない・・・これは 『宇宙葬』 だ >と。

                                      106.星、越えし先の君(1)→この項、つづく
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by YAMATOSS992 | 2013-10-18 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)
沖田さん、お元気で・・・。地球の事を頼みます。」古代 守は全てに最期の別れを告げるかの様に通信を切った。
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「さぁて、奴らの基地に一発蹴りを入れに行くとしますか。」石津副長が古代 守の心境を代弁した。
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敵艦はありとあらゆる所にいた、「ユキカゼ」・クルーにはその光景はかえって壮観に思えた。

守は六発しかない、試製魚雷は大事に使いたい、出来れば敵戦艦にぶち込みたいと思ったが、「キリシマ」を
追跡して行くのはまず、駆逐艦だと思い直して、「ユキカゼ」自体に向かってくる敵艦には主砲、五インチ三連装高圧増幅光線砲や艦尾八連装VLSの反物質ミサイルを使い、「キリシマ」追跡に向かいそうな敵艦に試製魚雷
を使う様、方針を徹底した。
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残り五発の試製空間魚雷はたちまち使いつくされた。

「しかし、敵艦も、「キリシマ」を追う素振りを見せた、駆逐艦三、巡洋艦一、戦艦一(デストリア級重巡洋艦、
地球では戦艦だと思っていた。)を撃破、喪失させていた。

<クソッ、コイツをもっと積んでこれれば・・・。>守は唇を噛んだ。

だが、「ユキカゼ」の奮戦を見た敵艦隊は奇跡的に「キリシマ」追撃を諦め、「ユキカゼ」撃沈に総力を上げて
きた。

<しめたっ、成功だ!>守は敵の陽電子ビームが飛び交う内、自分達の思いが神に届いた心境だった。
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<もう、後はいかに敵に打撃を与えるか、それだけを考えれば良い。>

「左舷より接近する敵戦艦の艦橋を掠めろ!」守は大胆な命令を発した。
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「了解!」田中操舵手は完全に敵艦(デストリア級)の艦橋への衝突コースへ「ユキカゼ」を載せた。

「高圧増幅光線砲、全門、敵艦橋へぶち込んでやれ!」守の命令に我が意を得たりと、射撃管制官は眼前の
モニター一杯に映った敵艦の艦橋に照準を合わせた。

モニター内には敵艦の艦橋の窓越しに蠢く幾つかの影があった。

<コイツ等が『ガミラス』か、初めて『ガミラス』を見た地球人だな、俺は・・・。>そんな感慨も幾ばくも無く、敵艦の艦橋は彼の放った高圧増幅光線砲を浴びて吹き飛んだ。
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至近距離、二十mからの砲撃である、しかも外界観測用の”窓”がある艦橋だ。

装甲は厚くても”窓”から侵入し、内部に破壊を撒き散らす高圧増幅光線砲を防ぐ事は出来なかった。

このデストリア級は艦橋要員が全滅してコントロールを失い、宇宙の果てに消えていった。

「ユキカゼ」の後部が被弾した。

躁艦用のバーニャ・ノズルが密集する ”尾翼”の一枚が敵の陽電子ビームで削ぎ落とされた。

丁度、姿勢制御のため、ノズルを吹かしていた「ユキカゼ」は思いもよらない方向へ弾き飛ばされた。
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直ぐ目前に敵の巡洋艦が迫る、敵も「ユキカゼ」が自艦の方へ来るとは予想していなかったのであろう、

すくんだ様にその敵艦は動けなかった。

「対艦砲用意!」守は今まで実戦では一度も効果を上げた事のない、”対艦砲” を使う事にした。

彼の内にある”何か”は何故か、”対艦砲”の使用を促していたからである。

<こうした、戦運がこちらに向いている時はこういう ”勘” に従った方が良い・・・。>守はもう手を延ばせば
届くかもしれない距離ですくんでいるケルカピア級高速巡洋艦の艦体に 「ユキカゼ」 の艦首を押し当てる
様にしながら ”対艦砲” の発砲を命じた。
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五インチ口径の実体弾がケルカピア級の装甲をボール紙の様に打ち破った。

そして火薬庫を打ち抜いた訳ではなかったのにも係わらず、かのケルカピア級は誘爆を始めた。

「ユキカゼ」 クルーは知るよしもなかったが、ケルカピア級高速巡洋艦の主兵装はミサイル・魚雷であった。

しかも、前部上面六門、前部下面四門が集中して装備されていたのだ。

火薬庫こそなくてもその魚雷発射管密集部分を ”対艦砲” で打ち抜かれ、内部で核爆発を起こされたのだから 「キリシマ」 の主砲を弾いたケルカピア級もひとたまりもなかった。
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ただ、船体は頑強な装甲で守られていたため、爆発は直ぐには拡がらず、外にいた 「ユキカゼ」 には退避する
に充分な時間が与えられた。

だが、「ユキカゼ」の戦運もここまでだった。
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乱れ飛ぶ陽電子ビームの一条が、どの艦が放ったかも判らない一条の陽電子ビームが「ユキカゼ」の後下部についていた推進剤タンクを直撃した。
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大爆発を起こしたかの様に見える爆煙が広がり、「ユキカゼ」 は粉微塵になったと勘違いしたガミラス艦隊は帰還して行った。

                                      105.プラート 雷神の宴(4)→この項、つづく
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by yamatoss992 | 2013-10-16 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)
 「ユキカゼ」が第一艦隊の元に駆けつけてみると、もう既に味方艦艇はその殆どが撃破され、総旗艦の
「キリシマ」だけが奮戦していた。
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その「キリシマ」にガ軍の駆逐艦が襲い掛かっていった。
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「敵艦、追尾、攻撃を掛ける、試製魚雷発射用意!」古代 守は反射的に命令を発していた。

「了解!」操舵手、田中卓志・三尉が命令を受け、単座戦闘機並みの捻りこみを見せた。

「艦首魚雷、完全に射程距離に入りました。試製魚雷いつでも撃てます!」射撃管制官がブリッジではなく艦体
前部にある火器集中管制区画から報告してきた。
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「撃っ!」間髪入れず、古代の命令が飛ぶ、その闘志を表すかの様に発射された魚雷はたった一発だったにも
係わらず、ガ軍の駆逐艦を一撃で跡形もなく、吹き飛ばした。

「すごい・・・。なんだこれは・・・。」古代 守は真田を信じてはいたが、これほどの威力だとは思っていなかった。
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「艦長・・・。妙な通信が旗艦から発せられました。『アマノイワトヒラク』・・・です。」通信士は訝しげな表情で報告
した。
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<『アマノイワトヒラク』・・・なんだそれは? 俺は何も聞いてないぞ?>古代 守も疑問に思ったが今、部下に
自信の無い表情を見せるわけには行かなかった。

いくばくもしない内に旗艦「キリシマ」から撤退命令が来た。

しかし、古代 守と「ユキカゼ」のクルー・全員は戦場に残って「キリシマ」撤退の援護をする覚悟を決めていた。

確かに、今ここに残って殿軍を努めるのは蛮勇に思える、しかし、今、ガ軍艦艇に傷だけでも付けられるのは
「試製魚雷」を持つ、「ユキカゼ」だけであった。

試製魚雷は本部にデータがあるので幾らでも作れる、しかし、「人」は「ガ軍と戦える人」は「キリシマ」に乗って
いるクルーと「ユキカゼ」に乗っているクルーだけであった。

だが、その両方とも帰還するのは非常に困難であると言わざるを得なかった。
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だとすれば、ガ軍に対抗出来る試製魚雷を持ち、クルーの人数が少ない「ユキカゼ」が殿軍を努めるのは当然だ
と、古代 守以下「ユキカゼ」クルーは考えたのである。
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<古代・・・。死ぬなよ・・・。>「キリシマ」の沖田司令の血の涙を搾り出す様な思いを知ってか知らずか、
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「ユキカゼ」クルー達は ”宇宙の船乗りの唄”、”銀河航路”を謳いながら敵艦隊に突っ込んでいった。


                                      103.プラート 雷神の宴(3)→この項、つづく
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by YAMATOSS992 | 2013-10-14 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)
 「古代さん、今まで有難う御座いました。 最後に一緒に地球を見たかっ・・・。」 そこまで言うと国連宇宙軍
二等宙尉、田中 卓二 は息を引き取った。

戦闘の傷が悪化し、感染症を引き起こした結果だった。

「田中・・・。 」 古代 守 は自分の部下が自分の ”意地”の為に死んだ様な気がしてやりきれなかった。
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「艦長、田中 はまだマシな方です。 我々は多数の敵を撃破出来ました。

しかし、艦隊の大半の者は戦果を上げられず、『ガミラス』に一矢も報いる事も出来ず死んでいったのです。」

副長の 一等宙尉、石津英二 が落ち込む国連宇宙軍突撃宇宙駆逐艦 「ユキカゼ」 艦長、三等宙佐、古代 守に
慰めの言葉をかけた。

「そして俺達は生き残って 『ガミラス』 の捕虜となり、『何処か?』 へ輸送中って訳か・・・。」守は悔しさに
胸が張り裂けそうだった。
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一番、若い 山根 章 三等宙尉 は部屋の隅で体を縮ぢ込ませて泣いていた。

それはそうだろう、この先の、自分達の運命が”死”よりも恐ろしいものだと想像すればどうしたってそうなる・・・。

今、死亡した 田中卓二 二等宙尉を含めた四人は 国連宇宙軍第一宙雷戦隊所属、突撃宇宙駆逐艦
「ユキカゼ」 のブリッジ・クルーだった。
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「メ号作戦」 で国連宇宙軍第一艦隊が 「ガミラス」 艦隊を引き付けている間に各戦線から集められた最期の
突撃宇宙駆逐艦十二隻で構成された 第一宙雷戦隊 は全力で「ガミラス」軍、「冥王星前線基地」 を叩く作戦 だった。

「冥王星・前線基地」 は今、地球を死の淵に追い詰めている 「遊星爆弾」 の発射基地 なのだ。
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しかし、オーストラリア大陸程の大きさしかない 「冥王星」 にあるはずの 「ガミラス軍」 の「前線基地」は発見
出来なかった。

 そこで 「ユキカゼ」 は先遣艦として 「冥王星」 に接近を図り、国連宇宙軍 が絞り込んだ幾つかの 候補地 の
どれが 「ガミラス冥王星前線基地」 なのか、特定、第一宙雷戦隊 を誘導する使命を帯びて 「冥王星」 に接近を
図っていた。
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だが、「冥王星」 から二十万キロの空間点まで達しても敵の迎撃はなかった。

「凪いだ ”海”です。 怖いくらいだ。」 石津副長が呟いた。
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<おかしい・・・。 今までの「ガミラス」軍の戦闘距離から考えてもう、とっくに敵は「ユキカゼ」を探知している
はず・・・。」 守は周囲の空間とまだ予定距離には達していないが 「冥王星」 表面の探査を情報士官に行わせた。

「全く、周囲には何も居ません、冥王星表面にも何もありません・・・。」 情報士官 は絶望的な事を伝えた。

「ユキカゼ」 が敵基地を探知出来なければ、第一宙雷戦隊 は 攻撃目標 を決められないのだ。

「第一艦隊から入電、『我、敵の奇襲を受けつつあり、貴艦は至急、攻撃目標の特定に努められたし!』」 ブリッジ・クルーの内では一番若い通信士・里見三尉が報告した。

守は「冥王星・前線基地」 の探査を諦め、そして反転、最大戦速で味方艦隊の元へと向かった。
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たぶん、敵基地はなにがしかの”スティルス化”が図られている。

今、その発見に努力しても「ユキカゼ」の探知能力では絶対に不可能だ。

だが、「ユキカゼ」 は先遣艦として「ガミラス」艦の妨害を排除して「冥王星」 へ接近を図れる様、

新型の試製空間魚雷を二連射、六発搭載していた。

<親友の真田が明かしてくれたのはこれが 『三式弾』 だという事だけだった。
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今は2199年、『三式』 という事は2203年に採用される予定の兵器だと言う事だ。>新式も新式、開発途上の
しろものだった。

しかし、あの秀才、真田技術・三佐が渡してくれたのだ、その ”威力” は期待して良かった。

だが、他の第一宙雷戦隊の 突撃宇宙駆逐艦 は「冥王星・前線基地」施設破壊用に 『反物質弾頭』 を持った
空間魚雷を積んでいた。

今までの経験では 『反物質弾頭』 ではガミラス艦は余程、当たり所が良くないと撃破出来なかった。

今、国連宇宙軍はその残存兵力の殆ど全てをこの 「メ号」作戦 に投入している。

しかし、敵基地が発見出来ない以上、この作戦は失敗だ、速やかに撤退しなければならない。

そして「ユキカゼ」 が戦線に復帰出来れば、新兵器の威力でガミラス艦の追撃を抑え、幾ばくかの艦艇を撤退させ、再起を図る事が出来る。
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そう考えて守はあえて命令違反を犯した。

                                     102.プラート 雷神の宴(2)→この項、つづく
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by YAMATOSS992 | 2013-10-12 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(2)
 「驚かないのですか?」 ベッドの上からしっかりと自分を見詰める沖田艦長に” 古代 守” は問いかけた。
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「メ号作戦、出撃の時、以来だな・・・こうして会うのは・・・。」 沖田はまるで ”幽霊” の様に半透明に透けて
見える ”古代 守” に ごく、普通に答えた。
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「いや、もしかすると戦闘の事以外の ”話” をするのは これが ”初めて” かもしれん。」沖田は眼前に広がる
大宇宙に目を遣り、眩しそうに ”目” を細めた。
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「沖田さん、あなたはもしかして、私が何をしに、ここに来たか、判るんですか?」古代 守は目をむいて驚いた。

沖田は黙ってそんな古代 守を愛おしげに見詰めた。

「古代、お前の残した”メッセージ” は女王、スターシャ から渡され、全乗組員がお前達の苦難の旅を知った。
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それは 『ヤマト』 の旅に勝るとも劣らない ”恐怖と絶望” の旅じゃった事だろう。」 沖田は古代 守をしっかと見据
えた。

「だが、お前は、お前達はその重圧に負けず、旅を続け、イスカンダルまで辿り付く事が出来た。」
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「ですが、・・・。」古代 守は言いかけた。

しかし、沖田は片手でそれを制し、言葉を続けた。

「なぁ、古代、我々の寿命はせいぜい百年前後だ。 遊星爆弾が落ちる様になってからはもっと短くなったろう。

しかし、今回、イスカンダルから供与されたコスモ・リバースを使えば地球を蘇らせる事が出来る。

もしかすると ”失った家族” も返ってくるかもしれん。

だが、それに必要なのはその星の記憶 ”星のエレメント” だそうだ。

詳しい事はわしには判らん。 しかしな、その中核となる ”星のエレメント” はその星を代表する記憶でなくては
ならないそうだ。

 
わしもそう思う。 

女王、スターシャは「我々が ”使命の神託” を持っているから ”コスモ・リバース・システム” を安心して渡せる
と言った、 と言うことは、 ”コスモ・リバース・システム” の中核となる ”記憶” も ”使命の神託” を持つ者の
”記憶” であるはず・・・。 そして、彼女はそれを既に確かめている・・・。  違うか? 古代・・・。」
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超常現象とも言うべき、”古代 守” の出現に驚くどころか、その存在意義まで分析してみせた沖田十三。

<この男の ”正体” は一体、何者なんだ・・・。>沖田を驚かせる事を覚悟でその前に姿を見せた
”古代 守”であったが、反対に自分が驚かされる事になろうとは思ってもみなかった。
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**********************************************

 古代 進は ”想い人” 、森 雪の亡骸を抱いて ”慟哭” していた。
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<地球防衛軍、司令部で出会い、『ヤマト』での旅を続ける内に自分では気付かない内に ”君” に惹かれて
いったと・・・。  ”君” がさらわれた時、そして、再び ”君” に出会えた時、どれだけ自分が ”君” を愛していたか、その気持ちに気付いた・・・。>「 ”君” のいない地球なんて何の意味がある・・・!」と古代 進は 森 雪 の亡骸を抱いて大粒の涙をあたり構わず散らしていた。
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古代はふと人の気配を感じて顔を少し上げた。
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目前に二つの ”球” が浮かんでいた。
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一つは ”青”、一つは ”金色” の球だったが、それはどちらも 神々しく、光輝いていた。

<進、”青い球” は地球の ”生命” 、”金色の球” はお前の ”恋人の命” だ、好きな方をとれ、但し、両方は
望めないぞ・・・。>古代 進には ”心” に聞こえてきたその声の” 主” が ”兄” ”古代 守” である事は直ぐに
判った。

<進、お前が選んだ ”球” の生命を 俺 は復活させる。 どちらを選んでも良い、お前の選択だ。 誰もお前を
責めはしない・・・。>守の心は ”慈愛 ” に満ちていた。

”兄” が ”弟” を思うその ”心” に ”時間” も ”距離” も関係なかった。

古代 進はそっと 森 雪 の亡骸を冷凍睡眠カプセルに戻すと、二つの ”球” が浮かんでいる場所に行き、
迷う事無く ”青い球” を選び、高く掲げた。

<良いのか? 進! 本当にそれで良いのか? お前は ”恋人” いない地球なんて意味がないと言っていた
ではないか。 本心で行動して良んだぞ!> ”古代 守” の ”記憶” にある弟はこんな周りに気を使って自分を
偽るような小さい人間ではなかったはずだった。

「沖田さんだってそうだった。」進は手に採った ”球” を掌の上に浮かばせながら言った。

「メ号作戦が ”陽動” だったと知った時、俺はあの人の事を 『なんて冷たい、なんて非道な男』 だと思った。
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でも、『ヤマト』 で旅を続ける内にそれは間違いだと言う事に俺は気付いた。

あの時、あの人は周りで部下が次々と死んでいっても決して引かず、ガミラス艦隊を引き付け続けた。
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『サーシャ・イスカンダル』 の宇宙船が無事に地球に辿り着ける様に、頑張ったんだ。
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”心で泣きながら” 攻撃命令を発し続けたんだ。」
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進は続けた、「そして、あの人は” 漢”(おとこ) だった。 それも、敵にも ”漢”(おとこ) がいる事を信じれる程
” 強い 漢(おとこ)” だった。
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だから、『ヤマト』 は脱出不能と考えられた『次元断層』からさえ、脱出、出来た。

惑星 ガミラスでの決戦時だってそうだった。

『ヤマト』だけなら直ぐに脱出、出来るのに、敵、ガミラスの”臣民”達が”暴君”の”愚挙で死ぬ”のは許さない!
とその場で敵の前に立ち塞がってその”暴力”を排除してみせた。」
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古代 守は 弟もまた試練の内、大きく育っている事に気付かされた。
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古代 進が選ばなかった ”金色の球” が、寂しげに浮かんでいた。
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「確かに俺の ”心” は ”雪” の復活を望んでいる、でもここで俺が ”雪” を選んでしまったら、その結果、
『ヤマト』の ”使命” が果たせなくなってしまったら、今まで一緒に戦って来た ”仲間の想い” はどうなる!

戦って死んでいった者達の”想い”はどうなる! あんたが今やろうとしている事は ”悪魔の誘惑” だ!

そんな ”誘惑” は、俺は、いや、”雪” だって選ばない! もう、いつだって俺たちは ”一人じゃない!” 進は
姿は見えずともそこにいるであろう 古代 守に 強い言葉を投げつけた。
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<ありがとう・・・。 ”進” を、”弟” を、こんな立派な ”漢”(おとこ)にしてくれて・・・。 沖田さん、感謝します。>
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古代 守 はかつて、スターシャに「あなたの 『使命の神託』 は ”何”?」と聞かれた時、答えられなかった自分を
恥かしいと思った。

<『使命』の『神託』・・・か、やっと、その意味が判った。 沖田さん、後は任せます。> 古代 守はもう迷う事なく
コスモ・リバース・システムを起動させた。 
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旧波動砲制御室内は青い光に満たされ、そこに居た技術部員達を慌てさせた。
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「コスモ・リバース・システム、出力どんどん低下していきます。」技術部員が絶望的な報告をした。
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「なんとしてでも出力を維持させろ!」真田副長・技術部長の悲鳴に近い命令が飛んだ。
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「『古代 守』の記憶が”量子の海”に散っていきます・・・。 システムの『再起動』は不能です・・・。」情報長の
新見 薫一等宙尉がポツリと言った。
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「『古代』、いや、『ヤマト』、これがお前の『意思』か、『意志』なのか!』 古代 守の”記憶”が宿っていたと思わ
れるコスモ・リバース・システムの中核部分に向かって真田は”怒り”をぶちまけた。
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**********************************************
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 月が巨大な ”壁” となって視界を塞いでいたが、それを過ぎると赤く染まった痛々しい姿ではあったが、
”地球” がその姿を表した。
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乗組員は全員、地球の見える ”窓” に集まって自分達が ”帰還” 出来た実感を味わっていた。
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艦長室で沖田は佐渡医師に付き添われ、間近に迫った地球の姿を見ていた。

「佐渡先生、しばらく、わしを一人にしてはくれまいか・・・。」沖田の覚悟を秘めた言葉に佐渡医師は無言で
従った。

「佐渡先生・・・。 ありがとう。」 出口の扉に手を掛けた佐渡医師に沖田は礼をいった。

一瞬、扉を開ける手を止めた佐渡だったが、直ぐに扉を完全に開けてそこを潜り、扉を閉めた。

一人になった沖田は家族と一緒に撮った写真を取り出し、愛おしそうにその表面を指でなぞった。

そして顔を上げると言った。
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「地球か・・・。 何もかも皆、懐かしい・・・。」 そう言うと涙に溢れた目を閉じたが、次の瞬間、カッと開いた
その目には ”力” が溢れていた。
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腕は力尽き、垂れ下がって ”写真” は床に落ちたが、その ”心” はもう”遊星爆弾症候群”に犯された肉体を
離れ、”古代 守” が去り、使用不能になった「コスモ・リバース・システム」に移って、これを再起動させた。

「コスモ・リバース・システム」が勝手に再起動してゆく様を見た新見一尉が真田に聞いた。
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「一体、何が起こったのでしょう・・・。」
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「判らん、『奇跡』 というものが起こっただけだ・・・。」 真田も呆然と事態を見守るだけだった。
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かつて ”古代 守” の記憶の ”球” があった場所に今度は少し輝きの違う ”球” が浮かんでいた。
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その ”球” は 『使命の神託』 を得たものだけが持つ、 ”強い、そして、不滅の光” を放っていた。



                                                         
                                                     使命の神託 ー 了
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by YAMATOSS992 | 2013-10-10 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(4)
 「ヤマト」 が出発する朝が来た。

古代とメルダはどちらかとも無く手を差し伸べて握手した。
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「メンタリティは同じだな。」 メルダが悪戯っぽく笑った。

「それは、こっちのセリフだ。」 古代も負けずに微笑を返した。

次にメルダは山本 玲とも握手をしたが、山本はどこか、不安げだった。
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「大丈夫。 あなた達には 『使命』 の 『神託』 があるもの。」 それを見た、ユリーシャが謎めいた事を言った。

「な、なんだって? 『使命』の・・・。」 古代はユリーシャの言葉に戸惑いを見せた。

「『使命』 の 『神託』、イスカンダルやガミラスに古くから伝わる言葉よ・・・。」 ユリーシャは続けた。

「意味は・・・そーねぇ、『何が起こっても、何とか出来ちゃう・・・力』 を 持ってる・・・ってことかしら。」

「ずいぶん、アバウトな 『力』 だな、 でも、有難う、俺も 『波動砲』 が無くなって、少し不安だったんだ。

でも、確かに俺達はいつも何が起こっても皆で力を合わせてなんとかして来た。

『波動砲』 なんか無くたって、帰りの ”旅” も ”何とかなる、いや、何とかして見せる” さ!」古代は胸を張った。
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<やはり、こいつら、”化物”だ。 私があれだけ ”大きな力” を失っても、これだけの自信を示せるだろうか?>
メルダはテロン人の ”脳天気さ” が羨ましかった。

**********************************************

 
「ヤマト」 艦内に帰る道すがら、古代はユリーシャの言葉を思い出していた。

<俺達は 『使命の神託』 を持っている・・・か。 『切り抜ける力』 だよな。>

<そういえば、あの時も・・・。>
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<あの時も・・・。>
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<俺達は皆で力を合わせて何とかやって来た・・・。 これからだってきっと旨くゆくさ!>

古代は今までに経験して来た破天荒な出来事を振り返っていた。

<そういえば、『コスモ・リバース・システム』 をわざわざ渡しに来てくれた女王、スターシャさんも沖田艦長や
我々が 『使命』 の『神託』 を 持っているから、安心して 『コスモ・リバース』 を渡せる・・・って言ってたっけ。>

古代は自分達、地球人にはあたりまえの事でも、 『イスカンダル』 や 『ガミラス』 ではきっと特別な事なんだ
ろうと勝手に解釈した。

**********************************************
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ユリーシャとメルダは去ってゆく 「ヤマト」 をいつまでも見送っていた。

 <約束は果たしたわよ。・・・ 『 イトウ 』 。>

ユリーシャは惑星 ”レプタポーダ” で一緒だった、伊東真也 の事を思い出していた。

惑星ビーメラで反乱を起したが、失敗、藪機関士と共に脱走して古代、ユリーシャと共にガミラスの捕虜と
なった男。

異星人嫌いの卑劣な男、しかし、彼も最後にはユリーシャを敵弾から守って散った。
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そして、彼の最後の言葉は ” 『ヤマト』 を 必ず 『イスカンダル』 へ導いてくれ " だった。

自分の命では無く、『ヤマト』 の 『使命の達成』 を願った。

「彼もまた、『使命』 の 『神託』 を持っていたわ。」ユリーシャは独り言の様に言った。
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「ユリーシャ様、『使命の神託』 って言葉は ” ガミラス ” でも使われる言葉なんですか?

私は聞いた事ありませんが・・・。 

それにその意味ってさっき、『古代』 に教えていたみたいに、 あんな『アバウト』 なものなんですか?」 メルダは
三度,耳にした不思議な言葉の意味を再度、ユリーシャに訊ねた。

ユリーシャは少し考え込んだ。

そして言った。

「わかんなーい。 お姉さまにでも聞いて!」

いつもの ”オトボケ姫 ” に戻ったユリーシャは 「桟橋」 から 「クリスタル・パレス」 の方へ走って行った。

<やれやれ、あれで本当に我々 ” ガミロン ” の心の支えになって戴けるのだろうか?>メルダは父から託され
た ” 家宝” を取り出した。

<これを使う日が来なければ良いが・・・。>金色に輝く ” 家宝 ” を見詰めつつ、メルダは思った。

空は良く晴れ、海は主星 、”サンザー” の光を受けて眩しく輝いていた。

メルダは手にした ” 家宝 ” の側面に真新しい金色に輝くスジが入っている事に気付いた。

父から最初に手渡された時、怒りに任せて床に叩き付けた為、分割部分にズレを生じたものだと思われた。

メルダは唾を飲み込んだ、いくら、カッとしたからといって ” 反陽子爆弾 ” を床に叩き付けたのだ。

<よく何も起こらなかったものだ・・・。>

もちろん、” 反陽子爆弾 ”は火薬を使っているわけではないので ” 理論的 ” には叩きつけても爆発しない。

でも、やはり、” 爆発物 ” に ”ショック” を与えたのは考えものだったとメルダは反省した。

その時、メルダの心に何か、引っ掛かるものが生じた。

<何故、父は私の行動を咎めなかったのだ・・・。>床に叩き付けたメルダが ” ヤバイ ” と思ったのだ。

<父だって 『 危ない事 』 を する奴・・・と思わなかったのか?>

メルダはさらにとんでもない事に気が付いた、< 私は ”これ” の起爆方法を聞いていない・・・。>

あの用意周到な ” 狸・親父 ” がそんな簡単な事を忘れるはずがない!
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メルダはその ” 超小型反陽子爆弾 ” を詳細に調べた。

どうやら鎖を付ける金具の部分を押し込むと二つに割れる様になっている様だった。

やってみると ”ペンダント” は貝の様に開いた。

中には四つ折にされたちいさな ” 紙片 ” が入っていたが、メルダは決してそれを開いてはいけないと
思った。

そこに書いてある ” 文字 ” なり ” 文言 ” なりを ” 脳 ” が認識した途端、起爆するシステムかもしれないか
らだ。

今はもう滅びた 「ジレル」 の民が使っていた精神波を利用した通信システムの応用である可能性が高かった。

なにしろ、この ” 家宝 ” 何百年も前から ” ディッツ家 ” に伝わったものらしい、これが造られた頃は ジレルの
技 もまだ現役だった事だろう。

そう思いながら、その紙片をどけて見るとそこのは今はもう使われる事の無い、”2D・フォトグラフィ”(写真)が
収めてあった。

もはや古びて顔も判らなくなった、四人の人間(多分、家族だろう) が 写っていた。

この ” 家宝 ”、 造られてから一度も使われた事がないのは明らかだった。

メルダはゴクリと生唾を飲み込むと先程の、これだけは ”真新しい、小さな紙片” を開いてみた。

何も起こらなかった・・・しかし、メルダの瞳には涙が溢れてきた。

そこには、こう、書かれていた。  

「お前が 『使命の神託』 を得んことを・・・。」と。


                                      101. 使命の神託ー(20) → この項、続く
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by YAMATOSS992 | 2013-10-08 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)
 「ヤマト」の「出航」が迫っていた。

『コスモ・リバース・システム』 の搭載が終わった証の様に 『波動砲口』 には蓋がされ、”封印”が貼られて
いた。
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「ヤマト」 は帰りの旅を、『波動砲』 を封印したまま、 行おうとしているのだ。

<大丈夫なのか、本当に危険はもうないのか?>メルダには人事とは思えない理由があった。
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何故なら、彼女もまた、父、ディッツ提督より、「大いなる力」 を託されていたからだ。

しかし、この 「力」 は今の彼女にとっては 「重荷」 以外の何物でもなかった。

それは 「ヤマト」 に 「連絡将校」 として乗艦する事をディッツ提督により、命じられた時、渡されたものだ。

メルダの任務は、表向きは ”テロンの文化・文明の学習” だった。

しかし、”密命” がもう一つあった。

その内容は ”ユリーシャの護衛” だった。
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そして、その内容は ”過激” だった。

”ユリーシャを守るためなら 『ヤマト』 も更に 『同胞』 であっても躊躇わず排除せよ!” と言うのだ。

ただ、その方法がメルダを驚かせた。

ディッツ提督は自分の軍服の前を空け、ペンダントを一つ、取り出してメルダの首にかけた。

妖しく金色に輝くそれは何か、禍々しさを漂わせていた。

「これは我が家に代々伝わる由緒ある ”家宝であり、最終兵器” だ。 その正体は 超小型反陽子爆弾 ・・・。

爆発すれば ”バレラス” ですら消滅する・・・。」
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「お前が ”ユリーシャ” 様を 「お守り」 する為の 「力」 だ。 使い方は・・・。」 そこまで聞いたメルダは首から
そのペンダントを引きちぎると床に叩きつけた。

「私は御命令通り、『テロンの事』 を学習し、『ユリーシャ様を護衛』 します。その為には『同胞を殺す事も躊躇い
ません。

ですが、大恩ある 『ヤマト』 に害なす事など、しかも 『ユリーシャ』 様を道連れに 『自爆』 するなど、もっての他
です。

どんな危機に会っても、例え 敵の手に落ちたとしても 『ユリーシャ』 様の 『命』 は 『ユリーシャ』 様の物です! 

我等、『ガミロン』 如きが勝手にどうこうして良いものではありません!」 メルダは怒りに震えていた。
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「そんな考え方から抜けられなかったからこそ、『デスラー』や『セレステラ』、『ギムレー』や『ゼーリック』と言う、
”奸物” 供の跳梁を許して来たのではないですか!」 今まで何事も惑わず、忠実に父に従って来たメルダ
だったが、「ヤマト」 の人々や 「EX-178」 の艦長、ヴァルス・ラング中佐 と そのクルー達、彼等との充実した
”触れ合い” が、彼女の内の ”何か” を変えていた。

ディッツ提督は床に落ちた ”家宝” を再び拾うとそれを握った拳をメルダに突き付けた。

「良く言った! それでこそ、我が娘だ。   しかし、まだ、”若い”、”若いな”。」

「どう言う意味です?」 メルダは率直に父に聞いた。
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「私はお前に 『ユリーシャ様を道連れに自爆しろ!』 などと言うつもりは毛頭無い。」ディッツは愛娘の頬に手を
やった。

「お前は『ヤマト』 が、『波動砲』 という、『大量破壊兵器』 を搭載しているのは知っているな。」 ディッツは
メルダに確かめる様に聞いた。

<知っているも何も、『ヤマト』 の 『波動砲』 には、二度も助けられた。 忘れるはずもない・・・。>メルダは
短く応えた。

「はい、知っています。 提督。」

「わしが知る限り、『グリーゼ581』 での 『デスラーの罠』 からの脱出と、お前も経験した 『次元断層』 突破
作戦だ。」
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<何故・・・父は次元断層突破の件を知っている・・・? 『ヤマト』 がバラしたのか? いや、そうだったらあの
『会談』 の時、私の事を 『知らぬフリ』 などしなかったはず・・・。>

「『ヤマト』 の捕虜になっていた話を誰から聞いたのか、不審に思っているな。

まぁ、なんだ、わしも ”提督” と呼ばれる ”古狸” だ、独自の情報網くらい持っておる。

<情報源は『UX-01』、フラーケンはシラを決め通したが、その部下達は一杯、飲ませれば全てを 吐いた。>

詳しい事は言えんが、少なくとも 『ヤマト』 の ”誰か” から仕入れた情報ではない。

彼等の事をお前は信じているのだろう・・・。」 メルダが思わず頷くと父は娘に”ペンダント”を再度、手渡した。

「そして、『ヤマト』 は ”ドメル” との決戦、”七色星団会戦” の時、あれだけの大損害を受けつつも 『波動砲』 は
使わなかった。 
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勿論、 ”ドメル” が 『波動砲』 を使わせない様、旨く作戦を組み立てた事もある、しかし、もし、 ”ドメル” が
『波動砲』 封じの作戦を採らなかったとしても 『ヤマト』 は 『波動砲』 を使わなかったろう・・・。
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理由は判るな?」 ディッツは娘に念を押した。

「良いか、メルダよ、『波動砲』 も、その 『超小型反陽子爆弾』 も ”罪深い” 大量破壊兵器 だ。

しかし、どちらも 単なる ”物” であって、そこに ”心” は無い。

その ”物が持つ力” を ”生かす” も ”殺すも” それを使う人の ”心” 次第だ。 

人は ”誤ち” を犯す、だから、そんな 「大量破壊兵器」 は ”危険” だとして排除してしまう事も出来る。

しかし、”力” を恐れて ”排除” すれば、その ”力” による ”恩恵” までも失ってしまう事になる。

今、与えた ”力” を 『いつ使うか』 、『どう使うか』 、『何の為に使うのか』 、それはお前が自分で考えなくては
ならないのだ。 

お前なら、必ずや、それを 『生かした』 使い方が出来ると信じている。」 ディッツは力強く言った。

「父上、私は 『バレラス』 を消滅させる程の 『力』 の使い方など、判りません・・・。」 メルダは途方に暮れた。
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「そうだろう、だが、今は、それでいいのだ。 『その力を・生かす・使い方』 が決まった時、使えば良い。

だが、それが決まらぬ内は、たとえ、自分が 『死』 に瀕しても決して使ってはならないぞ。」 ディッツは
今度こそ、メルダに退室を促した。


                                       100. 使命の神託ー(19) → この項、続く
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by YAMATOSS992 | 2013-10-06 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)