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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

<   2014年 06月 ( 5 )   > この月の画像一覧

  木星の日本プラントは本来、宇宙船建造用のドックを持って居なかった。

しかし、『ガミラス』とのワースト・コンタクトを切り抜けて来た戦艦「キリシマ」は中破しており、本来なら地球まで戻って
修理・改修する必要があったのだが、迫り来る『ガミラス』の脅威に対抗する為、木星のエネルギー・プラントでそれを
行う事になり急造のドックが造られたのである。

また、日本艦隊初の宇宙戦艦である『金剛型』は本来、四隻の計画(『コンゴウ』、『ハルナ』、『ヨシノ』、『ミョウコウ』)
だったが、エーリアンとの接触の可能性が大きくなって来た西暦2180年代半ば、長期計画で『改金剛』級、四隻が追加
発注された。

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しかし、平和な時代が続いたため、『改金剛』級の建造は遅々として進まず、ファースト・コンタクトに間に合ったのは艦番
No.555『キリシマ』だけであった。

艦番No.556『ヒエイ』、No.557『チョウカイ』は建造工事半ばで木星プラントに廻航され、やはり急造ドックで完成工事が
突貫で続行されていた。

そして艦番No.558は図面とキール・チューブ(艦の中央を貫く総合インフラ・シャフト)しか存在せず、『名称』も決まって
いなかった。

「このままじゃ、いくら突貫工事で建造しても『ヒエイ』、『チョウカイ』は両艦とも『ガミラス』に撃沈される為に建造している
みたいですね。」秋山の副官が溜息を洩らした。

「南部重工業、今までの実績から『陽電子・ビーム砲』の製造はやれると踏んだのだが・・・、やはり艦首には大口径高圧
増幅光線砲を積むしかないのか・・・。」

秋山は艦首部分の工事を業と止めている『ヒエイ』、『チョウカイ』の両艦を見詰めながら新見女史の予言を思い出して
歯噛みした。

『陽電子・ビーム』は『反物質』である、通常の『荷電粒子・砲』の『荷電粒子、(金属イオンや陽子)』と異なった『加速方法』
や『方向・制御方法』が必要なのだ。

「ヘイ! アキヤマ!」仮設ドックの彼方から宇宙服姿の男が秋山のインカムに呼びかけて来た。

秋山達は仮説ドックの気密区画に居たので宇宙服は着用していたが、前面のフードは開けていた。

しかし、耳元にはヘッド・セットが取り付けてあり、外の真空・空間にいる人間とも話せるのだ。

「お待ちかねの物、持って来てやったぜ!」声を掛けて来た男は秋山の直ぐ前の気密区画の強化テクタイト製の窓に
ヘルメットをくっ付けながら遥か彼方を指差した。

その指差す彼方には巨大な構造物が列を成してこちらに向かっていた。

「ゲルハルト・・・? ゲルハルトか!」秋山は歓喜の声を上げた。

外の男は右手の親指を立て、オッケー・サインで応えた。

「こちらの方は? 」副官が訝しげに訊ねた。

「ゲルハルト・フォン・ベア少佐、欧州連合ドイツ艦隊の技術将校だ。」秋山はあっさりと越権行為を認めた。

いくら協力して『ガミラス』に抗戦しているとはいえ、今までの諸々の歴史的経緯上、欧州連合とアジア同盟の間には
簡単には崩せない『壁』があったのだ。

それなのに秋山が欧州連合の士官をアジア連合の機密があちおちに転がっている戦艦・建造ドックに入る事を簡単に
許すとは信じられない事だった。

「こっちが『機密』を漏らすのでは無い、あちらから『最新技術』を戴くのさ。」秋山はベア技術将校の指さした彼方を再び
指び示した。

「あれはもしかして『陽電子・ビーム砲』!  欧州連合にも開発を依頼していたのですか?」副官は呆れた様に秋山の
顔を見詰めた。

「おれは国連宇宙海軍の主席参謀だからな、国境を越えて資材や技術を調達出来るんだ。」秋山は得意げだった。

それに今、建造中の戦艦は世界中を捜しても『ヒエイ』、『チョウカイ』、『艦番No.588号』しかなかった。

もちろん、各国とも新造戦艦の建造に着手はしているが『木星圏・防衛戦(モ号作戦)』には間に合いそうもない。

だからシェーア提督は即戦力となるであろうアジア連合の新造戦艦群に優先して試製の『陽電子・ビーム砲』を廻して
くれたのだ。

「しかし、大型の火器ですね。これでは砲塔での搭載はとても不可能です。」副官は『陽電子・ビーム砲』の威力に期待
しながらもその実用性に危惧を抱いた。

 

「まさか、艦首に一門だけ搭載なんてやっつけ仕事は御免ですよ。 秋山総参謀。」副官は自分の危惧を語った。

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<これではまるっきり、『三景艦』の再現になってしまう・・・。>副官の危惧は深刻だった。

「確かに『ヒエイ』、『チョウカイ』は工事が進んでいるのであの大きさの『陽電子・ビーム砲』では一門積むのがやっとだ。」
秋山は副官の危惧を認めるかの様に言った。

「しかし、艦番No.588号は違う、まだキール・チューブしか出来ていないから大幅な設計変更が可能だ。」秋山は目を
輝かせた。

「そう言えば艦番588号は『艦名』がまだ決まっていませんでしたね。」副官が訊ねた。

「真に異文明と戦える最初の戦艦だ。 名前は『あれ』しかないだろう!」秋山は”伝説的”なある『艦名』を告げた。


                                  142.夢幻の 宇宙戦艦・・・『扶桑』 (フソウ) ー (7)→ この項続く


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by YAMATOSS992 | 2014-06-24 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(7)

  「いきなり、『反物質』だの『陽電子ビーム』だの随分、『飛躍』した話だな、何故そう思う?」秋山は新見女史に詰め
寄った。

「貴方はさっき私の『才の部分に要がある』って言ったわよね。」新見女史は秋山の胸元に顔を埋めた。

「ああ、確かに言ったが・・・。」秋山は新見の思い掛けない行動に少し戸惑った。

「じゃぁ、これはどうした事かしら?」新見は秋山の両膝の間にタイト・スカートに包まれた右の太腿をこじり入れて言った。

「ウフッ、貴方を感じる・・・身体は正直な物ね。」妖しく微笑んだ新見は幾つもの博士号を持つ技術者では無く、
高級娼婦の様だった。

「俺には時間が無いんだ、今はこんな事をしている場合ではない! 教えてくれ!! 『ガミラスのビーム』の秘密を!」秋山は
新見の両肩を掴んで自分の胸から引き剥がした。

「そう、貴方は私の『女』の部分には要がないのね、でも、私は貴方の『漢』を見てみたい・・・、だったらこうしましょ。」
新見は交換条件を示した。

「私が貴方を『納得』させられたら、貴方は私を『満足』させる・・・、これでどう?」秋山には美味し過ぎる提案だった。

「良いだろう・・・。では貴女の御高説を伺おうか。」秋山はベッドから離れた小机の椅子に腰かけ、足を組んで言った。

「ん、ん、それでは説明します。」一人高級絨毯の上に取り残され、娼婦から大学講師に引き戻された新見女史は自分の
タブレットを操作して画像を映出し、説明を始めた。

「問題は『ガミラス』艦の発するビームの『色』です。 さっき見せて戴いた通り『赤い』ですよね。 
これはこのビームのエネルギー密度が低い、つまり低出力だと言う事を表しています。」新見の掲げるタブレットの
画面には太陽スペクトルの画像が映し出されていた。

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「こんな出力では我々が主用するレーザーでも荷電粒子砲であっても無装甲の貨物船すら貫く事は叶いません。」
新見は秋山の反応を窺った。

「しかし、現実には、我々の兵器は一部の核ミサイル兵器を除いて『ガミラス』に通用していない。 
反対に『ガミラス』のビームはこちらの戦艦の装甲をボール紙の様に貫いてくる、そこが問題なんだ。」秋山は座っている
椅子の肘掛をドンと叩いた。

「いや、まてよ、確かに『反物質・弾頭』を付けた核ミサイルは直撃した時だけだが『ガミラス艦』に損害を与えたと聞く、
やはり『反物質』は有効なのだな!」秋山は子供の様に狂喜した。

「『反物質』って何だか知っています?」新見は先程の反応から秋山が『原子物理学』は素人同然だと踏んでいた。

「ば、馬鹿にするな! 我々の世界の『物質』とは持っている『電荷』が逆の素粒子から出来ている『物質』の事だ。」

「まぁ、当たらずと言えども遠からず・・・ってとこかしらね。 じゃあ、その二つがぶつかり会ったら、どうなります?」
新見は意味有り気に上目ずかいで秋山の顔を見た。

「お互い粉々になる・・・まぁ高速でぶつかれば・・・だが。」『原子物理学』に疎い秋山は言葉を濁さざるを得なかった。

「やっぱり、『反物質』の事、本当のところ、理解してませんね。」新見は両手を広げて呆れて見せた。

「両者が本当にゆっくり接触したとしても『対消滅』反応を起こしてその質量は共にエネルギーに変換され、四散します。」
新見はきっぱりと断言した。

「それがあの『ビーム』がエネルギー密度が極めて低いのに強烈な破壊力を持つ理由か!」秋山はさすが天才と
呼ばれるだけの事はあった。

確かに人類の持つビーム兵器は例え敵に命中してもビーム直径分の『穴』を開けるだけだ、だからビームを『薙いで』
破壊範囲を広げる必要がある。

しかし、『ガミラスのビーム』は『反物質の粒子』を加速したものだから『正常物質』の艦体・装甲に当たるだけで
『対消滅反応』を起こして大爆発を起こして損害を与えるのみならず、爆発で蒸発した金属蒸気にも反応して被害を
拡大する事が出来るのである。

「だけど何故、その『反物質』が『陽電子』だと決めつけるんだい?」これだけの情報でビームの正体まで告げた新見の
発言が気になった秋山だった。

「造るのが簡単だからです。 それこそ低出力ですが医療分野では二十一世紀には既に癌治療などに使われていまし
たわ。」新見はさらりと言ってのけた。

「なんだって! そんな前から使われていたのか? じゃなんで兵器化されなかったんだ!」秋山は呆れた。

<人類の歴史は破壊と殺戮に満ちていたはず、『陽電子』が作れるのなら当然、それを利用した『陽電子・ビーム砲』が
作られていてもいいはずだが・・・?>彼の疑問は深かった。

「二十一世紀にはまだ人類の大半は地球上にいたんですよ。  大気圏内で『陽電子・ビーム』なんか発射したらどうなり
ます? 『ボンクラーズ』でも判るでしょ。」新見は当たり前の様に言った。

人類同士の戦いは今では宇宙空間にまで広がってはいたが、そこで用いている兵器は第二次内惑星戦争で『火星・
独立派』が『地球』に対して行った『遊星爆弾攻撃』を除き、地球・大気圏内で使用されていた兵器の延長線上にあるもの
ばかりだった。

< だから芹沢一等宙将は今度の遭遇戦が『人類同士の和やかな戦争』とは違う!と主張していたのか!

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あの『先制攻撃命令』もその信念に基づく物だったのか!>秋山は芹沢に恩義を感じてはいた。

しかし、例の『先制攻撃命令』は性急過ぎたのでは?と言う疑問も捨て切れずにいたのだが、今の新見女史から受けた
レクチャーでそれが一気に晴れた。

「『陽電子・ビーム砲』が実用化しなかったのにはもう一つ理由が有ります。」新見女史は絶望的な事を伝えた。

「『陽電子』の発生には非常に大出力の『陽電子・発生装置』が必要なのです。 
我々の今の技術レベルでは『ガミラス』の様に砲塔に搭載出来る程、小型な『陽電子・ビーム砲』は作れないでしょう。」

「いや、『医療用』にしろ、『研究用』にしろ、過去、既に発生器を造った実績があるなら必ず大出力の戦闘用のものも
造れる!」秋山は新見の言葉に光明を見出した。

「納得なされました?」新見は再び悪戯っぽく微笑んで椅子に座った秋山の顔の前に顔を近づけた。

何時の間にか彼女の上着の第一ボタンと第二ボタンは外されており、秋山の目にも彼女の胸の谷間は露わだった。

「私のレクチャーを『納得』してもらえたのなら、今度は貴方が私を『満足』させてくれる番でしょ?」新見は妖しく哂った。

「判った。」秋山はそれだけ言うと新見の頭の後ろに手を当てると彼女を自分の方に引き寄せた。

新見はうっとりと目を瞑り、その時を待った。

しかし、次の瞬間、自分の胸の谷間に硬質な物が押し込まれて来た違和感に新見は慌てた。

「な、何をするの! 『約束』は『反古』!」

「そのデータ・スティックには俺が集めた『欧州連合を主体とした各陣営』のデータ、もちろん、土星空域で得られた
『ガミラス』の最新情報も入っている。

技術部第十三課に所属する君には役に立つ情報だろう。」その言葉に新見は怯んだ顔をした。

秋山は新見の所属を知っていて懇談の相手に選んだのだ。

技術部第十三課、これは芹沢宙将が独自の権限で作り上げた私設・秘密情報部の『表の顔』だった。

秋山のあの口振りからすると彼は『裏の顔』も知っていると見て間違いないと新見は思った。

<何とかして凋落しなければ今後の任務に差し支える・・・。>焦った新見は直接行動に出た。

「私を『満足』させるって、『約束』したでしょ。」新見は秋山にしな垂れかかっり誘惑」した。

「ああ確かに、そして俺は『約束』は必ず守る! だがその『約束』、期限は未定だ。」秋山は再び新見の両肩を掴んで
自分から引き剥がしてドアに向かって歩き始めた。

「そんな! じゃぁ何時、相手をしてくれるの?」新見は自分が完全に失敗した事を悟った。

彼女の本当の任務は国連宇宙海軍主席参謀に指名された『秋山・真彦』三等宙将の首に首輪をつける事だったからだ。

これは彼女が直接呼び出されて口頭で受けた芹沢一等宙将の密命だった。

「俺はアンタの後ろで糸を引いているのが誰だかなんて今は興味はない! だがこれだけは言っておく、俺は『芹沢の
オヤジ』を裏切る事は絶対にない! 」後ろを向いたままの姿で秋山は言い切った。

「おっと、それとアンタを『満足させる』のは『俺』だとは一言も言っていないぜ。」秋山は肩越しに振り返りつつ、言った。


「はぁ、それはどう言う事?」新見は完全に秋山に翻弄されていた。

「その『データ・スティック、詳細に調べれば、君の知りたい『個人・情報』も判るって事さ。」秋山はホテルの部屋の扉から
顔だけ突き出してウインクした。

両手で小さなデータ・スティックを掲げ持ちながら床にへたり込んだ新見は小さくつぶやいた。

「・・・古代くん。」



                                  141.夢幻の 宇宙戦艦・・・『扶桑』 (フソウ) ー (6)→ この項続く


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by YAMATOSS992 | 2014-06-20 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(5)

 「なんですって! 国連宇宙海軍の首席参謀に指名された・・・!」 菅野一尉が連れていた女性士官は呆れて言った。

「そんな目で見ないでくれ! これは沖田のジジイの企みだ!」秋山は先程のシェーア提督との会見を報告した。

「新見君、彼は特別なんだ、何しろ『史上最年少の提督』だ、我々とは違う・・・。」菅野は寂しげに言った。

「お前らしくないぞ、やっかみか・・・。」秋山は何か裏切られた様な気がした。

「やっかみ・・・か、まぁ、『無い!』と言ったら嘘になる、しかし、秋山、やはり、お前は俺達『ボンクラーズ』のエースだよ! 
おめでとう!」 菅野は改めて握手を求めた。

『ボンクラーズ』とは士官学校のヤンチャな連中を総称して言う、秋山の代では『古代・守』、『菅野・一郎』、『御蔵・以蔵』
そして『秋山・真彦』だった。

秋山はその『ボンクラーズ』の呼び名に自分も入っているのかと思うと少し戸惑いを覚えたが、差し出された菅野の手を
思い切り握り返した。

しかし、菅野の力の方が強く思わず悲鳴を挙げた。

「痛ってな。 まるで『ガミラスのビーム』を喰らったみたいだぞ。」 秋山は先程、シェーア提督から教えられた『敵』の名を
口にした。

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「『ガミラス』って、まさか今、襲来して来て居る”エーリアン”の名称が判ったのか?」 菅野は驚きを隠せなかった。

「それって第一級の機密事項じゃないのですか?」 新見と呼ばれた女性士官が恐る恐る聞いた。

「いや、今頃、人類の支配圏全てでこの『敵』の名は全人類の力を結集する目的の為に発表されているはずだ、機密でも
何でも無い!」秋山は言い切った。

「ところで、こちらの方はまだ正式に紹介されていないんだが・・・。」秋山は菅野と新見の顔を見比べた。

「私は名乗る程の者では・・・。」新見が手を下半身の辺りで指を組み、もじもじした。

「『胸と尻のデカイ女』は『頭が悪い!』ってお前の持論だったよな?」菅野は秋山を肘で小突いた。

「それは違う! 『頭が悪い!』なんて失礼な事を言った覚えはない!」いきなり昔の自惚れを持ち出された秋山は
慌てた。

「じゃあ、何ておしゃったのですか?」新見女史が悪戯っぽく聞いた。

「『虚ろだ』と言ったのです。」秋山は決まり悪そうに応えた。

「それは『同じ事』ですわ。 私だって好きで巨乳、ボテ尻になった訳ではありません。」新見はプイッと横を向いて見せ、
業と機嫌を損ねた振りをした。

「あ~ぁ、防衛軍一の『才媛』を怒らしちまった! 知らないっと。」菅野も秋山を見離した。

「『才媛・・・。』 ちょっと来てくれ!」 秋山は新見の手を握ると強引に引っ張って繁華街の中に消えて行った。

新見もあまりにも秋山が強引なので何の抵抗も出来ず、引き摺られて行った。

後には何が起こったのか、訳も判らず呆然とした菅野一尉が残されていた。

「悪い! ちょっと彼女を借りる! 後で奢るからかんべんな!」 遠くから秋山の声が聞こえた。

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「有難う、3792号室だな。」秋山はカード・キーをフロントで受け取ると新見女史を引き立てる様に部屋へ向かった。

二人がエレベーターに消えるとフロント係の若い男が言った。

「こんな真昼間から『制服』のままで『逢引き』とは防衛軍も余裕ですね。」

「反対じゃよ。『恥も外聞もなく』打合せをしなければならない位、『ガミラス』(だったかな?)は強敵なのじゃろう。」 
老マネージャーは先程流れた緊急ニュースを思い出していた。

二人が部屋に着くと新見女史は乱暴に部屋に放り込まれた。

目の前には豪華なダブル・ベッドがあった。

それを見て流石に新見女史も秋山の思惑を図りかねて言った。

「あんたの相手なんてまっぴらよ! 私を安く見ないで!」普段使わない乱暴な言葉使いを精一杯して凄んで見せた。 

「新見・薫 三等宙尉、あの真田志郎の後輩に当たる『才媛』か・・・、博士号をいくつも持っていると聞く、だから今の俺は
君の『才』の部分に用がある、『媛』の部分には要がない、だから『操』の心配はしないでいい。」 秋山は手にしていた
タブレットを素早く操作しながら新見女史の顔を見もせずにその啖呵に答えた。

「それが無神経だって言うの! 確かに私は『年増』よ、でも確かに『女』でもあるの!」 新見は恋人(と思っている?)の  
古代・に放っておかれている寂しさも手伝って怒りを爆発させた。

そんな彼女の『怒り』を無視して秋山は彼女の顔前に先程まで操作していたタブレットを差し出して言った。

「これを見てくれ、君の意見を聞きたい。」

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最初は不貞腐れていた彼女だったが、そのタブレットの画面を見ると顔つきが変わった。

「秋山三等宙将、これは『ガミラス』でしたっけ、敵の『ビーム兵器』・・・。  しかし、ずいぶんエネルギー密度の低いビームですね。 こんな兵器に我々は大損害を出したのですか?」 新見女史は眼鏡のツルに手を遣り、タブレットの画面を
凝視した。

「そうだ。 天王星軌道上でのファースト・コンタクト、土星圏での米ソ連合艦隊による迎撃、悔しいが、全て退けられた。」秋山は拳を握りしめ、無念の想いを表した。

「だとすると、エネルギー密度が低いのにそのビームに高破壊力を持たせる為には我々が使用しているレーザーや
荷電粒子砲とは異なった『理論』が必要になって来ます。」 新見女史は自信ありげだった。

「なんだその『理論』とやらは?」 秋山がじれったそうに新見の両肩を掴んだ。

「『反物質』です。 たぶんこの『ビーム』はその中でも取扱いの易しい『陽電子ビーム』だと思われます。」 新見は
仮説を述べた。

「『反物質』? 『陽電子ビーム』・・・?」 秋山は何かまだ腑に落ちない様だった。


                                  140.夢幻の 宇宙戦艦・・・『扶桑』 (フソウ) ー (5)→ この項続く


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by YAMATOSS992 | 2014-06-16 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)

 「しかし、『ギュンター・フォン・シェーア・大将』、その指揮の実力は本家、『ラインハルト・シェア・中将』に勝るとも劣らん。

だから、儂は『あれ』を彼に預けてみたいと思うのだがお前はどう思う? 土方・・・。」沖田はとんでもない事を
言い出した。

「『あれ』って新造の戦艦『艦番588号』の事じゃないだろうな、あれはまだ未成艦で『艦名』すら決まっていないぞ。
それに戦隊を組ませる僚艦もいない実験艦だ。 
戦力としての期待は出来ない。」土方は沖田の意見に否定的だった。

「しかし、『彼』を付けたら少し状況が変わるんじゃないかな。」沖田は再び薄く微笑った。

「『彼』? 誰の事だ?」土方は訝しげに尋ねた。

「『秋山真彦』三等宙将・・・。」沖田は痛ましそうに目を瞑った。

「史上最年少の提督か! 確かに『彼』ならこの難局を打破出来るかもしれん。
しかし、彼は『芹沢の懐刀』だぞ。 奴が簡単に手放すとは思えん!
人事局も『彼』にこれ以上名を成さしめるのに反対するだろうし・・・。」土方は言葉を濁した。

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「フッ、人事局も芹沢一等宙将も安全な地球本土に居座っておる。
しかし『秋山』は自ら願い出て観戦武官を買って出たと聞く。
彼が『芹沢』派であるかどうかなど今は問題では無い!
この問題に対する積極さが肝心なのだ。
芹沢一等宙将も人事局も 木星プラント群を守っている国連宇宙海軍総司令官の望みとあらば聞かざるを得まい。」
沖田はギロリと目を光らせた。

土方は艦隊司令を解任されても黙っていない親友、沖田の闘志に「この漢(おとこ)が味方で良かった。」 と つくづく
思った。

**************************************************

重い木製の扉が目の前にあった。

しかも、その前に立っただけではその扉は開く事無く閉ざされ続けた。

<今時、手動開閉かよ・・・。>彼は呆れつつ、ドア・ノッカーを三回叩いた。

「だれか?」 内部から厚い扉に遮られてやっと聞き取れる返事がした。

彼は部屋の内部にいる住人に聞こえる様、出来るだけ大声で名乗った。

「ギュンター・フォン・シェーア国連宇宙海軍総司令官閣下、日本艦隊付武官『秋山真彦』三等宙将、お召しにより参上
いたしました。」

「よし! 入室を許可する。」 簡潔な返事が返ってきた。

秋山三等宙将がドア・ノッカーを兼ねる扉の引手に手を掛けると引っ張ったが重い扉はビクともしなかった。

<何か仕掛けがあるのでは?>と一度、引く手を離すと扉は内側から軽く開いた。

扉の内側には一人の老人が立っていた。

帝政ドイツ海軍の軍服、彼こそ国連宇宙海軍総司令官、ギュンター・フォン・シエーア大将に間違いなかった。

「引き戸と押し戸の区別もつかんとは50点の減点だな、まっ、入りたまえ。」シェーア提督が秋山に入室を促した。

しかし、秋山は入ろうとはせず、「私はこれで失礼します。」と言って敬礼し、回れ右をするとその場を去ろうとした。

「話も聞かずに帰る、いや、逃げるのか?」シェーア提督は容赦なかった。

「私は『減点主義の愚劣な司令管』の元では働きません!」秋山も負けていなかった。

「沖田三等宙将の推薦でも・・・か?」シェーア提督は秋山が思いもよらない事を言った。

<沖田三等宙将・・・、何故、芹沢一等宙将の敵が俺を国連宇宙海軍総司令の元へ推薦したんだ?>

同じ三等宙将といっても若い秋山には老獪な沖田ほどの経験は望むべくもなかった。

沖田は今回の敵との戦いが今まで地球人同士で戦って来た宇宙戦とは比較にならない苛烈な物になるであろう事を
予測し、それに耐えうる指揮官として秋山を選んだのだ。

<何故、日本宇宙海軍はこの若者を活用しようとはしないのだ?> シェーア提督は目の前で直立不動の姿勢を取り
続ける秋山を見て思った。

**************************************************

 日本宇宙海軍の昇進は加点方式である。

小さな功績でも積み重ねれば確実に昇進に繋がり人材育成に役立つ・・・そうした目的で導入された制度だったが
『秋山真彦』の様な天才が入って来るとは予想出来なかった。

彼は『古代・守』の同期だったが、様々な兵器・艦艇の改良、運用方法の確立などの分野で功績を上げ、たちまち同期の
出世頭に成ってしまった。

古代・守がまだ一尉なのに『秋山・真彦』は三等宙将、提督になってしまったのだ。

人事局は将兵の得点を一括管理していたが、膠着した組織は『秋山』が功績を上げる度に得点を与え、気が付いたら
三十代前半の『提督』が生まれて来てしまっていたと言うお粗末な話であった。

ただ、芹沢一等宙将は秋山を気に入り、『参謀』として身辺に置いた。

そうすれば、秋山の功績は自動的に芹沢の物になり、秋山の異常な昇進にブレーキが掛けられる、そうした含みを
人事局も狙っていた。 (芹沢は最高位なので幾ら加点されてもこれ以上の昇進は無かった。)

だが、秋山本人は芹沢に世話になった恩義は感じながらも第一線で働きたいと言う思いが強く、観戦武官として
最前線の木星の防衛ラインにやって来ていた。

今、彼がエネルギー・プラント同士を繋ぐ通路の窓から見つめる方向の土星圏では米・ソの連合艦隊が敵と剣を
交えつつ、敵の情報を取っていた。

しかし、先程、最後の一隻、米戦艦『ワシントン』が撃沈された旨、報告が入った事を先程会談したシェーア提督から
聞かされたのだ。

<一矢も報いれなかったのか・・・。 悔しかったろう・・・。> 同じ軍艦乗りとして彼らの無念が胸を締め付けた。

「おい、そこに居るのは秋山?秋山じゃないのか・・・。」彼は後ろから声を掛けられ、振り向くと懐かしい顔があった。

「菅野、菅野一郎じゃないか! 士官学校以来だな!」 普段は尊大な無表情な顔をしている秋山も士官学校同期生に
会うと子供の様に顔を崩した。
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菅野は妙齢の女性を連れていた。

「仕事だよ。仕事。 勘違いするなよ!」 秋山の顔が不思議そうに変わったのを見て菅野一尉が言い訳した。




                                  139.夢幻の 宇宙戦艦・・・『扶桑』 (フソウ) ー (4)→ この項続く


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by YAMATOSS992 | 2014-06-12 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(0)

 土方が思いをはせたのは人類がまだ地面に縛り付けられていた時代、戦闘用の航空機がやっと飛び始めた時代の
事だった。

今は西暦2191年だったから275年もの昔、1916年当時、大英帝国と帝制ドイツ帝国は対立し、北海の制海権を巡って
戦いを繰り広げていた。

当時、前に語った様にまだ航空機が未発達で海戦の主役は戦艦と巡洋戦艦(注・1) だった。

独・艦隊の総勢力、99隻、48,280t、に対し、英国側総戦力は151隻、84万4,450tとその戦力には約2倍近い開きが
あった。

これは当時、大英帝国はビクトリア朝時代で大英帝国が最も力があった時代であったため、 『二国標準法』 なる
とんでもない法律を実施する力があったためである。

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(『二国標準法』とは自国海軍の戦力は常に世界一であるのは当然として、第2位、第3位の国が手を組んで挑戦して
来てもこれを排除出来る戦力を常備すると言う物。 これを実現出来た事に、当時の大英帝国の国力の凄さの一端を
見る事が出来る。)

弩級戦艦が生まれ、それまでの戦艦は一気に旧式化し、各国とも弩級艦の建艦ラシュを迎えるとこの『二国標準法』も
全ての国が同一スタートラインに立った事に成り、一度は”実質無効”の状態になったが、英国はそれを挽回、
弩級艦のみか、超弩級戦艦まで短期間で容易に建造し”面目”を保った。

そして、帝政ドイツは確かに世界第2位の海軍力を保有していたが、このような事情であまりに大きな戦力差に
キールやヴィルヘルムスハーフェンといった軍港の奥深く、息を潜めてその身を隠さざるを得なかった。

これは艦隊司令長官の愚策と言うより、艦隊運用にドイツ皇帝が直接、口を挿む悪習が主な要因だった。

そんな中、巡洋戦艦部隊だけは英国沿岸都市の攻撃の為に出撃を許可されていたが、暗号解読書を英国が入手した
事により出撃が露見し、その結果、ドッカーバンク海戦が起こった。

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独・巡洋戦艦部隊は善戦したが、敗北、弩級装甲巡洋艦『ブリュッヒャー』を失い、旗艦・巡洋戦艦『ザイドリッツ』にも
大損害を被ってしまった。

この責任を取ってフリードリヒ・フォン・インゲノール大将が職を辞し、次任のフーゴー・フォン・ポール大将も病死すると
ついに第3戦隊司令官だったラインハルト・シェア中将が異例の中将のまま司令長官となった。

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シェアは前任者達とは違い、まず、皇帝の艦隊運用への口出しを封じる事をやってのけた。

これによりドイツ海軍総司令官は自分の意思決定だけで艦隊運用出来る様になった。

そして彼は大英国大艦隊(グランド・フリート)を殲滅とは言わずとも大損害を与えてその勢力を自国艦隊のそれに
近づける事を考えた。

またあわよくば、英国沿岸に接近し沿岸の都市群に大量の弾雨を降らせる事をも目論んだ。

時に1916年5月30日、英国が独・艦隊の動向を海上、陸上から常に監視しているのは重々承知の上での堂々とした
出撃だった。

(最も、シェア総司令官は抜け目なく事前に17隻ものUボートを先行させ、偵察・警戒させる事は怠らなかったが。)

この海戦に参加した戦力は以下の通りである。

大英帝国の大艦隊(グランド・フリート)を指揮するジョン・ジェリコー大将配下の部隊は28隻の弩級戦艦を主力として
9隻の巡洋戦艦を遊撃部隊として運用していた。

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対する帝制ドイツ帝国、大洋艦隊総司令、ラインハルト・シェア中将は16隻の弩級戦艦、5隻の巡洋戦艦と6隻の
旧式な前弩級戦艦を加えて戦力の不利を補おうとしたが大幅な劣勢は否めなかった。

戦闘の詳細は省くが、この二つの艦隊がぶつかった結果、

英国側の損害は沈没艦だけで弩級・超弩級巡洋戦艦3隻(火薬庫への引火による大爆発)、装甲巡洋艦3隻、駆逐艦8隻(合計排水量 113,300 t)に対し、

ドイツ側の損害は巡洋戦艦1隻(浸水による沈没)、前弩級戦艦1隻、軽巡洋艦4隻、魚雷艇5隻(合計排水量 62,300 t)
であった。

どちらにも弩級・超弩級戦艦の沈没はなかったが、巡洋戦艦は英国側は3隻も失い、それも火薬庫の大爆発と言う
『 爆沈 』という形の沈没を喫した。

(弩級巡洋戦艦 『 インディファティガブル 』 、超弩級巡洋戦艦 『 クイン・メリー 』、弩級巡洋戦艦 『 インヴィンシブル 』。)

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ドイツ側は巡洋戦艦戦隊の旗艦『 リュッツオウ 』が沈んだが、これは大口径弾を多数喫した為に起こった浸水が原因であって決して『 爆沈 』ではない。
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そして他の巡洋戦艦も大損害を被り、攻撃力は皆無に等しい状態になったが『 沈没 』艦は出ていない。
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艦艇の損害は英国側がドイツ側の約2倍におよんだが、シェアの元々の目的、英国グランド・フリートに大打撃を与え、
彼我の戦力差を縮めるまでには至らなかった。

また、英国沿岸都市への砲撃も果たせなかった。

この事からこの海戦の勝者は戦術的にはシェア提督だが、戦略的にはジェリコー大将の勝利とされている。

しかし、この評価は戦争は兵器がするものでは無く、人間がするものであると言う当たり前の事を表していない。

ドイツの国力は英国に大きく劣り、世界第二位の海軍を整備するも、とても真正面からは立ち向えない戦力だった。

そして、ドイツには英国並みの国力は無かった、だが、全力を尽くす信念だけは本物だった。

だから、弱少な戦力を精神論だけで兵を奮い立たせるどこかの国とはドイツは違って、冷静に考え、どうしたら勝てるか、
いや、敗けないかを模索した。

出た結論は”不沈艦の実現”、だから独・艦は武装を抑えても装甲を増やし、ダメージ・コントロール装置を充実させた。

そして軍艦を正しく機能させる為に乗組員の訓練を徹底して行った。

その結果、ダメージ・コントロール能力は高まり、防御力は増したが、それだけでは無く、射撃精度も大幅に向上し、
海戦での砲弾・命中率は信じられない位にに上がった。

また、砲弾を跳ばす装薬も大概の国では薬袋と言って発射薬を布の袋に詰めた物を使っていた。

だが、ドイツの戦艦の砲の発射薬は金属の筒で薬袋を包み、引火し難くしていた。

こうした努力が『ユトランド沖海戦』の”戦術的勝利”を生んだのだ。

対する英国は巡洋戦艦の脆弱さを補う物として高速戦艦、『クイーン・エリザベス』級を建造した。
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これは巡洋戦艦の装甲が装甲巡洋艦並みでしか無かったのを最低、自艦の砲と同等の砲で撃たれてもそれに耐え、
速度は巡洋戦艦並みを維持すると言う理想的な物だった。

これを5隻も揃えた英国の国力は大変な物だったと言える。
(この内、理由は不明だが、クイーン・エリザベスはユトランド沖海戦には参加していない。)

英国はハードウェアに力を注ぎ、ドイツはソフトウエアを充実させた訳だ。

もちろん、これはラインハルト・シェア中将、一人の力ではなく、長年、対英国戦略を研究して来た結果なのだが、
シェア提督はその意味を正しく理解し、自ら実践、戦術的勝利をあの大英帝国から捥ぎ取ったのだ、やはり傑物の一人と
言えるだろう。

(注1)戦艦と巡洋戦艦の違い。
通常はある程度の距離をおいて自艦と同等の砲力を持つ敵艦から攻撃されても防御出来る軍艦を『戦艦』と呼ぶ。
(砲は保有軍艦の中でも最大級口径の砲を積んでいた。)

『巡洋戦艦』は『戦艦』と同等の砲力を持つが装甲は装甲巡洋艦並みに薄く、代わりに速度が『戦艦』より約5ノット優速で
英国の海相『フィッシャー提督』は『速力こそ最良の防御』と豪語したがそれが幻想であった事が『ユトランド沖海戦』で
実証された。

ドイツの巡戦は初期の弩級戦艦並みに装甲が厚く、細かく分割された水密区画と注排水装置、それを使いこなせる
良く訓練された乗員を擁していたので独・巡戦の防御力は英・巡戦のそれとは比べものにならない位、高かった。

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「シェーア提督は『運命の人』と言う訳だ。

約300年前の祖先と同じ様に圧倒的に優位な敵と戦うのだから・・・な。」土方は新しい国連宇宙海軍総司令を頼もしく
思った。

「彼には『ユトランド沖海戦の立役者、”ラインハルト・シェア中将”の血が流れているんだな。

少しは希望が持てる様な気がして来たぞ。」土方は嬉しそうに盃を飲み乾した。

「残念ながら、シェア中将とシェーア提督とは血の繋がりは無いそうだ。」沖田が悪戯っぽく微笑んだ。
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「何! じゃあの帝制ドイツ海軍、軍服は・・・。」土方は唖然とした。

「兵の士気を高めるための『宝』だそうだ。 レプリカだよ。」沖田は今度は真顔になって言った。

「しかし、これは絶対の”秘密”だぞ。」沖田は土方に念を押した。



                                  138.夢幻の 宇宙戦艦・・・『扶桑』 (フソウ) ー (3)→ この項続く                    

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by YAMATOSS992 | 2014-06-04 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(2)