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宇宙戦艦ヤマト前史

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宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

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 「だ・か・ら、桐生くん何時起こるか判らない戦闘を恐れて艦長の命を掛ける訳にはいかないんだよ。」真田副長が
噛んで含める様に言った。

「だったら、あのガトランティス艦にこの宙域から退去して貰えれば良いのではないですか?」桐生も負けて居なかった。

「あの艦は機関が故障していてワープ出来な・・・って真田副長、あのガトランティス艦の機関を修理してやって速やかに
退去して貰えば良いのでは無いのですか?」島航海長が再度ガトランティス艦の救援を進言した。

<フム、確かにこのままあのガトランティス艦と同じ宙域に居るのは危険だ。 かと言ってヤマトは今、艦長の容体・悪化でワープ出来る状態に無い。 それならあのガトランティス艦を修理してやってさっさとこの宙域から去って貰えれば
こちらにとっても相手にとっても都合が良い。>真田副長は素早く頭を巡らせた。

「よし、それで行こう。 岬くん、ガトランティス艦はまだ後方にいるか?」副長はレーダー席に着いている岬・百合亜に
尋ねた。

「はい、右舷後方四十光秒にピタリと着けています。」と岬は応えた。

「桐生くん、市川くん、先方を呼び出してくれたまえ。 交渉は私がする。」真田副長が矢継早に命令を発した。

やがてヤマト艦橋のメイン・パネルに先ほどの姫と侍従長の姿が映った。

「我が艦に救援を頂けるとの事だが、如何なる次第ですかな。」ボ・ルドウ侍従長は慎重だった。

姫の方は珍しそうにメイン・パネルに写った異星人の姿に見入っていた。

「貴艦の機関故障、我々で修理可能な物なのかどうか確かめさせて欲しいのです。 そして修理出来るものなら修理
させて頂きたい、但し、その理由は聞かないで下さる事がこの援助の条件です。」真田副長は率直な希望を言った。

あまりにも美味い話を怪しんだのか、ボ・ルドウ侍従長は腕組みをしたまま俯いてしまった。

姫がボ・ルドウ侍従長の様子がおかしいのに気付いて顔を覗き込んだ。

そしてその顔を見ると思わず言った。

「爺・・・。 泣いているの?」

「いや、お恥ずかしい、久しぶりに、本当に久しぶりに”船乗り魂”に触れる事が出来、このボ・ルドウ感激のあまりつい、
涙を見せてしまいましたわい。 ご提案、快諾いたします。」ボ・ルドウ侍従長はヤマトの提案を丸呑みしてくれた。

**************************************************

ヤマトとガトランティス艦の距離は一光秒以内に詰められていた。

ヤマトから山崎機関士と新見情報長、桐生通訳が先遣隊として当該艦の故障状況調査のため複座から三座に緊急改修
した百式空間偵察機で発進した。

一応、護衛として山本・玲のコスモ・ゼロαー2 が付いてたが百式空間偵察機がガトランティス艦に着艦し、三人が
ガトランティス艦内に入ってしまったら山本には手出しのしようが無いのだ。
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<ガトランティス艦・・・。確かにこの前の艦隊とは違う所属の様だが本当に信用して良いのか・・・。>山本・玲は
大マゼラン雲・外縁で戦ったガトランティス艦隊を思い出して不安を募らせた。

その頃、山本・玲のコスモ・セロ αー2 の前を飛ぶ百式空間偵察機の中は奇妙な事に為っていた。

操縦を山崎機関士、本来の複座席には桐生美影、最後部の緊急用補助座席には新見情報長が座っていた。

本来なら新見情報長が操縦を担当し、複座席には山崎機関士、桐生・美影は緊急用補助座席に詰め込まれるはず
だった。

だが桐生・美影には通訳と言う本作戦のキー・マンとも言うべき役割が振られていた。

ガトランティス艦に到着次第直ぐに任務を果たして貰わなければならない。

そこでタブレット・端末を操作出来る余裕のある本来の複座席をあてがわれた。

しかし、大男の山崎機関士では緊急用補助座席には入れなかった。

そこで新見情報長が割を食って緊急用補助座席を使う羽目になったのだ。
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「先輩、申し訳けありません。帰りは私がそっちに座りますから御勘弁下さい。」桐生が紋切り口調で言った。

「いいのよ。 その代りキッチリ仕事してね。桐生さん!」新見情報長が愛想笑いをしながら応えた。

その遣り取りを聞いていた山崎機関士は言葉こそ平穏なものの、裏で交わされる女の闘いを見た様な気がして
素直に”怖い”と思ったがガトランティス艦が間近に迫っているのに気付き減速して相対速度を零にした。

そしてその艦の後部にV字型をした艦載機発艦軌条と思しき箇所がある事を見つけてゆっくりと接近して行った。

**************************************************

山崎達は格納庫から艦内に案内され、案内の兵は山崎達の目の前でヘルメットを脱いで見せ、ここが気密区画である事を示した。

それに応えて山崎達もヘルメットを脱いだ。

そこに一人の男が跪いていた。

その男はガトランティスの言葉で何か口上の様なものを述べた。

「地球艦の皆様、本艦を救援して頂けるとの事、感謝の念に堪えません。」素早く桐生・美影が通訳した。

「私の名はヤ・ラルトウ、この艦の副長を任せて貰って居ります。」

<副長? ここは艦長か、あの”姫様”、侍従長が出てくる場面じゃない!>新見情報長は何か馬鹿にされた様な気になって怒りをぶちまけた。

「艦長はどうしたの! 失敬な! ここは艦長が出てくる場面でしょうに!」桐生・美影が新見の怒りをどう通訳したら良い
ものやら、迷っている内にヤ・ラルトウ副長の方から弁明が為された。

「お怒りごもっとも。実は貴艦と接触したボ・ルドウは侍従長であると同時に本艦の艦長なのです。
ですから本来ならボ・ルドウが皆様のお相手をすべきところなのですが、お互い一度は対立した関係です。
本艦の艦長は皆様の安全を保障すると言う意味で”証人”として貴艦に向かって居ります。」桐生の通訳を聞いた新見は
<嵌められたわ! これで好い加減な修理は出来ない!>と覚悟を決めた。
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「桐生くん、早速、トラブル箇所へ案内してくれと伝えてくれたまえ。」山崎機関士はサッサと仕事を片付けてヤマトに戻るつもりだった。

ヤ・ラルトウ副長は一行を機関室に案内した。

「これは・・・。」山崎機関士が息を飲んだ。

「まぁ・・・。 これでは不調になるのも無理無いわ。」新見情報長も呆れていた。

桐生・美影は機関に関しては全くの素人だったがそれでも眼前に置かれたガトランティス艦のエンジンが真面な状態に
無い事は一目で判った。

エネルギー伝道管がエンジンを蜘蛛の巣の様に取り囲んでいたのだ。

「何分、古い機関です。 修理を繰り返している内にこの様な無様な姿に為ってしまったのです。」副長は恥ずかしそうに
説明した。

<艦体は新しいのにエンジンだけが骨董品・・・。これは一体どういう事だ・・・。>山崎機関士は大きな疑問を持ったが、
込み入っている伝道管を整理してやれば機関が息を吹き返すのは明確であり、新見情報長も同意見だった。

「ヤマトに応援を頼もう! それと応援隊に」エネルギー伝道管の予備を十三本ばかり持って来て貰う様に副長に
頼んでくれ。」山崎機関士はヤマトとの交信をヤ・ラルトウ副長に行う様、桐生・美影に通訳を頼んだ。


                                       176. やってきたのはお姫(ひい)様 ー(4)→この項・続く
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by YAMATOSS992 | 2015-01-31 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(2)
 「痛いなぁ、もう。 少しは加減してよ。 爺・・・。」ムクリと起き上ってフレーム・インして来たのは姫様(?)だった。

「『悪い事』は悪い! 『道を外したら正しき道に戻す!』 これは正統ガトランティス王家の当主であらせられる父君、
グエゼ・クエセジャード様が私に持たせた特権であり果たすべき義務で御座います。 お姫(ひい)様、私目の采配が
お気に召さなければ私目を何時でも解任、処刑されて結構です。」ボ・ルドウ侍従長は最敬礼しつつ自分の正統性を宣言した。

「よう判った! 後の交渉はお前に任せる! わらわは室に帰る!」レティファン・クエセジャード姫は至極御機嫌斜めで自室に引き下がろうとした。

しかしボ・ルドウ侍従長は姫の襟首を掴んで引き戻した。
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「いけません! 交渉前に最高責任者が逃げ出す事はなりません!」どうやら侍従長は姫の教育係も兼ねている
ようだった。

「テロンの皆様。 改めて御挨拶いたします。私の主人は正統ガトランティス王家第二王女レティファン・クエセジャードと
申します。 私は姫付きの侍従長のボ・ルドウ、我々は姫の婚礼のための航宙途中ですが船の機関に不調を生じ、難儀
致しておりました所ですわい。」彼は自分が頭を下げると共に姫の後頭部を押さえて無理やり頭を下げさせた。

「それは我々に救助を求めるという事ですか? お助けしたいのは山々ですが、我々も地球のために先を急ぐ旅です。 
大したお手伝いは出来ません。」真田副長が申し訳無さそうに、しかし、断固として救援要請を断った。

「副長、意見具申します。差し出がましい様ですが相手の機関の様子を診てやる位はしてやっても良いのでは
ないでしょうか?」島航海長が進言した。

島にとってこの状況は今は無き父親、島大吾が残した言葉、”船乗りは決して仲間を見捨てない!”と言った言葉が
当てはまる状況に思えてならなかった。

「これは失礼した貴艦は重大な使命を帯びての旅の途中の御様子、その足を止めさせた事、重々お詫び申し上げる。 
貴艦は早々にこの宙域を離れられよ。 我等に掛かった追っ手が迫って居りまする、何の関係も無い貴艦が戦闘に
巻き込まれでもしたら貴艦に対して申し訳が立ちようもありません。 貴艦の無事な航海をお祈りして居ります。」
それだけを告げるとボ・ルドウは一方的に通信を絶ってしまった。

**************************************************

「ガトランティス艦に”動き”はあるか?」真田副長は探知主任の岬・百合亜に尋ねた。

「ありません。 当該艦は本艦の後方六十光秒を通常航法で追尾してきます。」岬は即答した。

今、ヤマトの艦橋内はくだんのガトランティス艦を救援するか、否かで意見が真っ二つに分かれてしまっていた。

勿論、救援派の先方は島航海長である、彼は亡き父の「星の海を往く船乗りの理」に忠実であろうとしていた。

反対しているのはヤマトの任務達成を急ぐ真田副長だった。

先方が折れてくれ、しかも戦闘の可能性まで匂わされてはここに留まる理由は無かった。

「間も無く”定時ワープ”の時間だ。 航海長、最大ワープの準備に入れ!」副長は断固たる調子で命令を発した。

ヤマトは軍艦である、上官の命令は絶対だった。

『本艦ハ二十:00ニ最大わーぷニ入リマス。各部署・各員ハわーぷに備エテクダサイ。』機械音声の警告放送が艦内に
流れる中、島は抗命しようか、どうしようか葛藤していた。

今は冷凍睡眠槽で眠っている古代戦術長は元気な時には”間違った命令”には決して従おうとはしなかったからだ。

古代の親友である島・大介もまた、”転移命令の拒否”を口に出そうとしたその時、真田のインカムに通信が入った。

「真田君! 艦長の容態が急変した。 再手術の必要があるかどうか、しばらく様子を診たい、今、ワープ、それも最大
ワープなどで艦長の身体に負荷を掛ける事などもってのほかじゃ、直ぐに中止せい!」佐渡酒造医師からの緊急報告
だった。

「了解しました。ワープは中止します。」それだけ言うと真田副長はインカムを切った。

<ワープ航路の算定とワープ先空間の安全確認は今までの通常航行中に既に済んでいる、後はワープ実施の命令を
出すだけなのだが艦長が不調ではワープは見合わすしかない、かと言って他の乗組員にその事を知らせるのは艦の
士気上好ましい事では無い・・・。>真田副長は当惑顔で考え込んだ。

「どうしたのです? 副長・・・。 何かあったのですか?」島航海長がワープ中止と言う言葉に戸惑いながら聞いた。

考え込んでいた真田はその声で我に返った。

<艦長の病状悪化の件、隠し通す事など出来はしない・・・。 ここに居る者は皆百戦錬磨のベテランだ、ここに居る
メンバーだけには真実を打ち明けよう。>真田副長が腹を括って第一艦橋にいる全員に沖田艦長の病状悪化の
報告・容態を説明し、これは第一艦橋内の緘口令である事を告げた。

「何時、次のワープが実行出来るか判らないんですか?」新人の市川・純が怯えた様に尋ねた。
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「大丈夫、艦長は何時だって必ず”死神”を打ち負かして来たじゃないか! それにあの人は必ず約束を守る
漢(おとこ)だ。その漢(おとこ)が”地球をこの目で一目見るまでは絶対死なん!”と言い切ったんだ。絶対大丈夫さ!」
島航海長が副長の話の重大性に沈黙していた皆を励ました。

その様子を見た副長は島の成長振りに喜びを覚えた。

「副長、進言して宜しいでしょうか?」桐生美影が手を挙げた。

「ん!何だね、桐生くん、言ってみたまえ。」副長は機嫌良く発言を許した。

「真に言い難いんですが、先ほどのガトランティス艦、”追手と戦闘する事になる”と言っていました。 この宙域に
長居すると我々もその戦闘に巻き込まれる恐れが大きいのではないかと思います。 艦長の容態は心配ですが
ここは一刻も早くワープして戦闘を回避すべきと考えます。」桐生・美影は皆が内心恐れている心配事を堂々と口にした。

                                         175. やってきたのはお姫(ひい)様 ー(3)→この項続く
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by YAMATOSS992 | 2015-01-24 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(4)
 <この光点(レーダー・ブリップ)気になる・・・。>森雪が倒れた今、探査主任を任された岬百合亜にはそれがヤマトの
いや、地球の敵対勢力が放った戦闘艦である様に思えてならなかった。

ただ、目標との距離はヤマトの後方、六十光秒と遠く、直ぐに危険が迫る事は考えなくても良かった。

しかし、岬百合亜は森雪のサポートとはいえこの席に座って長い時間を経ており、ガミラスでのバレラス突入戦では
見事、探知主任を務め挙げたベテランだった。

<この前のガトランティス特殊兵器装備艦かもしれない・・・。>彼女はその経験からこの光点に警戒心を強め早目に
上官に報告する事にした。

「航海長、艦尾一時の方向に所属不明艦が追尾しています。」

「岬くん! メイン・パネルに出してくれたまえ!」古代戦術長も倒れた今、副長の次席として交代勤務の時、艦橋の
指揮を任されていた島航海長が落ち着いた声で指示を出した。

「第三種戦闘配備! 第三主砲塔、目標の追尾を始めろ!」まだショック・カノンの射程外ではあったが南部砲術長は
目標の自動・射撃・追尾を指示した。

この直の技術班担当は真田副長でも新見情報長でもなく、言語分析担当の桐生美影だったが専門外とは言えヤマトに
対する脅威を見過ごす事は無かった。
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彼女もヤマト周囲の空間に空間の歪みが形成されつつあるのを見逃さなかったのだ。

「航海長、ヤマト周囲に”空間転移の穴”が形成されつつあります! 未知艦がワープ・アウトしてくるのか、投射転移で
艦載機やビームなど攻撃性の物体が送り込まれてくる可能性が大きいです!」桐生美影は警告を発した。

「何! 大島君!桐生君から貰ったデータを精密解析! 転移物体の出現予想方向を至急特定してくれたまえ!」
島航海長は気象解析席に座った大田健二郎の交代要員、大島夏樹に命じた。

「了解しました。 あれっ、おかしい、転移孔と思しき反応は左舷二時方向から観測されます!」大島の声は
戸惑っていた。

<敵性艦は後方のはず、何故前方から攻撃が・・・!>それが艦橋にいた皆の考えだった。

しかし島航海長の判断に迷いは無かった。

「取舵一杯! 測的手第一、二、主砲を右舷に指向、右舷戦闘準備に入れ!」ヤマトの舵を思い切り切りながら
北野宙雷士に指示を出しつつ、言った。

「艦長へ報告! 敵性艦と接触の公算大、艦長の指示を乞う。」その直後である見覚えのある極太ビームがヤマトの
左舷を前方から後方へ擦過した。
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「例のガトランティス艦の武器か! しかし敵艦の反応は後方・・・一体どうやって?」北野宙雷士が思わず呟いた。

「原因究明は後だ。今は眼前の脅威に対処する事に注力せよ。」様態の思わしく無い艦長に代わって真田副長が艦橋に
上がって来た。

「また前方からビームが来ると思いますか?」島が真田に尋ねた。

「いや、そうとは限らん! ドメル将軍との戦いを思い出せ!」副長は慎重だった。

確かにドメル将軍はヤマトの周囲全部に渡って転送エリアを設定し、攻撃機を送り込み、縦横無尽の攻撃を仕掛けて
来た、それに比べればガトランティス艦の攻撃など単調なものだった。

「再び投射転移の反応が増大しています!」桐生が上擦った声で報告した。

「大島君! 敵ビームの発生予想点は? 右舷か?左舷か?」舵を執る島は操舵の寄る辺を求めて大島夏樹に尋ねた。

「それが・・・発生予想点は左舷なのですが、ビームの方向は本艦を指向していないのです。」大島は敵の意図を
図りかねると言った声で報告した。

「敵さん、どうもこちらに用がある様だな。」真田副長が言い終わるか終らないかの内にヤマトの左舷前方千mに出現した
極太のビームはヤマトの進路を遮るかの様に左舷から右舷に走った。

敵の意図が判らずヤマト艦橋には沈黙が満ちた。

<遊んでやがる!>この沈黙に普段は冷静な島航海長が心の底で毒づいたが、それは新人の市川・純・通信士によって破られた。

「敵艦よりコンタクト! 回線を分析官に回します。 翻訳をお願いします。」
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「回線受領しました。 言語照合、ガトランティス、但し前回接触した艦隊が使用していた物とは違う亜種とでも言うべき
言語ですが翻訳は可能です。」 桐生美影は本業の言語学の才を存分に発揮していた。

メイン・パネルに映ったガトランティス人の姿にヤマトの艦橋に居た人々は息を飲んだ。

地球年齢で言えば十六歳程度のロー・ティーンの少女だったからだ。

「テロン人よ。正統ガトランティス王家の名において”停船”を命ずる。逃亡が不可能なのは今までの威嚇攻撃で判った
はず。 速やかに”船”を開け渡・・・。」物騒な要求を述べていたのがまだ年端もいかぬ少女だったのも驚きだったが、
その少女が後からスクリーンの視界に入って来た男に有無を言わさず殴り飛ばされて画面から消えたのには
もっと驚いた。

何が起こっているのか判らないでいるヤマト乗組員はただメイン・スクリーンを見つめるだけだった。

如何にもガトランティスの戦士といった装いに身を包んだ老兵が視界の外に飛ばされた娘にまず呼びかけた。

「姫! 如何に正統ガトランティス王家と言えども”星の海を征く者の理”を疎かにしてはなりませんぞ!」彼は姫様(?)を
一喝するとスクリーン中央に向きなおり、口上を述べた。

「私は正統ガトランティス王家、第二王女レティファン・クエセジャード付侍従長ボ・ルドウ。 テロンの方々、我が主人の
非礼、平にお詫び申し上げる。 我が主人は若輩者故、まだ”星の海を征く者の理”を理解出来ていないのです。」

<宇宙人とだって必ず友達になれるさ。>島はその言葉に亡き父の言葉を改めて思い出していた。

                                          174. やってきたのはお姫(ひい)様 ー(2)この項続く
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by YAMATOSS992 | 2015-01-17 21:00 | ヤマト2199 挿話 | Comments(2)