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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

69, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(12)

 その他のガミラス航空戦力はどう変わったのであろうか。

艦隊用攻撃機は対艦ミサイルに全て置き換わったといっても艦隊防衛用の戦闘機はやはり、必要である。

また、情報収集用の偵察機も必要であるが、これは、魚雷発射管から打ち出す無人探査機が主に用いられ、
これが偵察力の主力であるが、正体不明の未知の目標を偵察する必要がある場合、無人探査機で大まかな
偵察は行えるが、接近してのその物体や現象の細かい探査を行うためにはどうしても有人機が必要となる。

こうした場合、有人の戦闘機がその用途に用いられるのだ。

こうした戦術用途に必要な特性は敵対艦ミサイルを迎撃出来る圧倒的な火力と敵艦載機(戦闘機が主)を排除
出来る軽快な格闘性能である。

こうした新しい航宙艦隊戦略に合わせて生まれたのが空間格闘戦闘機DWG262「ツヴァルケ」である。

 1.空間格闘戦闘機DWG262 「ツヴァルケ」
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この機体は以前、艦載戦闘機の花形だったDWG109「デッバッケ」とは異なり全長と全幅が殆ど等しいくらい
幅が広い。

これは、高機動を実現するために高機動ノズルを多数装備すると同時に質量中心を機体の中央付近に出来る
だけ近づけ、機体の質量分布を機体中心にまとめる事で、長いスパンを持つ主翼端にある高機動ノズルからの
噴射を効率良く機体の機動に繋げるための設計である。

武装は13mm機銃×6門、30mm機関砲×4門 対空ミサイル×6基(ミサイルの種類はその時々の任務によって
変えられる。)と、非常に重武装である。

これは前主力の艦隊用戦闘機、DWG109「デバッケ」と比べると火力、高機動性が大きく増しており、短時間で
敵の対艦ミサイルを迎撃し、敵艦載機との戦闘も時間をかけずに済ませ、ミサイルを内臓式にする事で
ミサイルを装備していても機体の質量分布が外側に拡がって機体の高機動性を損なう事のない様に考えられて
いる。
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DWG109「デバッケ」の固定武装はDWG262「ツヴァルケ」に大きく劣っており、対戦闘機戦には充分だが、
一度の攻撃で目標に致命的な打撃を与える能力が不足していた。

更に、ミサイルの搭載位置も外翼下面でDWG109「デバッケ」の全幅がいくら少ないと言っても、ミサイルを
外翼に装備すると機体の重量分布が外側に広がり、機体の運動性能を損なうのは否めない。

また、これまでに発表された資料では不明だが、DWG262「ツヴァルケ」は内翼や外翼にもミサイル搭載用の
ハード・ポイントがあるのではないか?と考えられる。(内翼×1ヵ所、外翼×1~2ヵ所?)

外翼にハード・ポイントを設けて(対空)ミサイルを装備すると内臓ミサイルの発射の邪魔になる様に見えるが、
戦闘時にはハード・ポイントに装備したミサイルをまず消費するので内臓式ミサイルの使用には問題とならない。
(もちろん、外装ミサイルの発射後はそのミサイルを懸下していた専用パイロンも投棄する必要があるが・・・。)

 ガミラスの戦闘機は大気圏内外両用での使用が前提に設計されているが、前主力戦闘機のDWG109
「デバッケ」は航宙艦隊での使用が主と考えられていたと思われるれ、大気圏内での戦闘は苦手だったと
思われる。

しかし、DWG262「ツヴァルケ」はその形態から見て完全に大気圏内外での両用使用が前提になっている。

こうしたDWG262「ツヴァルケ」はその万能性からメルトリア級航宙巡洋戦艦の艦載機として運用されているのが
確認されている。(搭載機数は不明・・・1機以上、予備機を含めると最低2機は積んでいたと考えて良い。)

その他、今は前線基地の防空戦力としても使われている。(ビーメラ星系、「ゲシュタムの門」のコントロール
衛星に遺棄されていた機体があった所を見るとかなり以前からDWG262「ツヴァルケ」は局地防衛用にも使用
されていたと考えて良いのではないだろうか?)


ではDWG262「ツヴァルケ」登場前の航空宇宙戦力の戦闘機は何を使っていたのであろうか?

航宙艦隊の艦載機としては多層式航宙母艦専用に設計されたDWG109「デバッケ」が使用されていた事は
既に述べた。

しかし、この機体は大気圏内での戦闘が苦手であったと考えられる。

であれば、前線基地の局地防衛はどうしていたのであろうか?

ガミラスではこうした大気のある場所も含めた局地防衛用の機体を用意していた。

それが空間駆逐戦闘機DDG110「ゼードラーⅡ」である。
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この機体は長い航続力と重武装を持っていた。
(7.9mm機銃×2門、13mm機銃×2門、47mm機関砲×4門、空対空ミサイル×6基)

しかし、あまりの重武装に機体が重くなり過ぎ、運動性が下がってしまって対戦闘機戦では不利になって
しまった様だ。

それは、「ヤマト」と「ガミラス冥王星前線基地」との戦い、地球名「メ2号作戦」時、「ヤマト」艦載機との戦闘で
簡単に駆逐されてしまったのを見ても判る。
(「ヤマト」艦載機:99式空間戦闘攻撃機「コスモファルコン」 後述 )

たぶん、局地防衛も大方はDWG262「ツヴァルケ」が使用されていたものの、太陽系(ガミラス呼称:テロン)
攻略などは辺境での作戦と考えられ、防空戦闘機は二線級の空間駆逐戦闘機DDG110「ゼードラーⅡ」が
あてられていたと考えるのが順当であろうか?

 次回からは「地球」側の航空宇宙戦略とその使用艦艇・機体について考察してみるつもりだ。


      70, 「宇宙戦艦ヤマト2199」 世界における航空宇宙兵力の位置付けと意味(13) → この項、続く
by yamatoss992 | 2013-07-26 21:00 | 考察

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