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宇宙戦艦ヤマト前史

yamato2199.exblog.jp

宇宙戦艦ヤマト登場前の地球防衛軍の苦闘を描きます。

 「精神文明」と聞くと何か大袈裟な物を想像してしまうが、簡単に言えば「超能力者の集団」だと思えば良い。

だが、単に普通の人が超常能力を発揮する様になっただけでは単に様々な武器で武装した人の集団と変わらない。

今まで(ガンダム以前)のアニメや特撮で描かれた超能力者は上記の様な存在だった。
(下記は”一例”に過ぎない、超能力漫画やアニメ、特撮は無数にあった。)
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しかし、1979年、”革命”が起こった。

機動戦士ガンダムの内で語られた「ニュータイプ」と言う概念である。

この超能力者は念力やテレポートが使える訳では無い、常人より感知能力が高かったり、反射神経が良かったり、
危険回避能力が高かったりするだけである。
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しかし、今までの超能力者を扱った作品と決定的に違う所があった。

人にもよるが他のニュータイプと”心”を繋ぎ、お互いにその”心”を本当に判り合える能力を持っていた亊である。
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ガンダムの世界では詳しくは語られ無かったが、この能力は人と人の心を結び付け一つの心に統合してしまう可能性を
持つと考えられる。

つまり、ニュータイプの進化の先には”多個体一精神生物”が居るのである。

全人類がたった一つの”心”で動く、以心伝心、コミュニケーションの要らない世界になってしまうのだ。

これを見事に表現してくれたのは皮肉にも巷で悪評プンプンの実写版ヤマトであった。
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(私はこの作品をそれなりに評価している。 これは宇宙戦艦ヤマトでは無く、Space Battle shipe ヤマトなのだ。)

これに登場して来たガミラス人こそ、ニュータイプの行き着く先であると私は考える。

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私の今回、発表した「イルダ・走る!」ではジレル人がその能力を磨き続けた結果、”ジレルの総体”と呼ばれる存在、
”多個体一精神生物”になった事を示した。

その正体はガミラス人やその植民星に住む人々の心の片隅に宿る”精神共生体”である。

ガミラス人達は自分の内にジレル人の心の欠片があるとは夢にも思っていない。

そして、イルダの様に”ジレルの光”に”覚醒”した者は別としてガミラス人達はその様な能力が自分達にある事に
気付きもしない。

完全に精神的に隔離され、ただ一人になったガミラス人は”ジレルの総体”の力は発揮出来ないのだ。

ではどうやって”ジレルの総体”は強大な力を発揮出来るのか?

そのキー・ワードは ネット・ワークである。


                        172.ヤマト2199世界に於ける”精神文明”の有り様についてー(3)→この項続く


# by YAMATOSS992 | 2014-12-26 21:00 | 考察

 今年の年末は「星巡る箱舟」に大慌てさせられたが、2199挿話は別の物と割り切って強引に話をまとめた。

それでも、ヤマト世界の裏に”ジレル人の築いた精神文明が在ると言う設定のイルダ・走る!-(1)~(14)はお楽しみ
頂けただろうか? 少し不安になる処ではある。

しかし、自分で書いて措いて言うのも何だが、実は私はヤマト2199世界に”精神文明”や”心理操作能力に
長けた種族”は存在しない方が良いと考えている。

何故なら、"物質文明”は”精神文明”に全く歯が立たないからだ。

それは(14話)「魔女はささやく」で描かれた様に物質文明ONLYでは精神文明に打ち勝つ、いや、闘っている実感すら
無いまま、ヤマト乗組員はその心をミレーネルの精神体に”記憶の檻”に閉じ込められ、ヤマトはいとも簡単に制圧されて
しまうのを見ても明らかだ。(本来、ここで物語はガミラス側の勝利、”詰み”である。)

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たまたま、船外に出ていた主人公、古代・進(主人公は精神力が強いのが相場。)と森・雪(殆ど記憶が無く、
閉じ込める”記憶の檻”が作り難かった?)が居たので反撃する事が出来たがこれはもはや僥倖と言うべき物で本来なら
有得ない勝利だったと言える。

ミレーネルの能力だけが傑出した物であったのなら話は別なのだが、あれがジレル人の標準的能力だとしたなら、
ジレル人がその”読心能力”を疎まれ、周囲の星々から迫害を受けて滅んだなどと言う説明は納得出来る物では無い。

ジレル人の能力が”読心”だけだったとしても悪意を持って接近する迫害者の存在は直ぐにジレル人の知る所となり、
彼等は身を隠す、ないしは逃亡してしまって決して捕まる事は無いだろう。

ゲシュ=ダールバム(波動砲)を使って星ごと吹き飛ばす事をエーリク大公が画策した事を本文で述べたが、
これとて、あくまで私の創作で当時のイスカンダルがガミラスにゲシュ=ダールバム(波動砲)の保有を許したとは
思えないし、”博愛主義”のイスカンダル自身が他の星を滅ぼす事を積極的に行ったとも思えない。

この様に”精神文明”の問題を真面目に突き詰めて行くとヤマト2199世界はどんどん壊れていってしまう。

だが、出淵監督はそれを承知で「魔女はささやく」の回を用意したと考えられる。

何故なら、この”心理戦”が行われる物語は日本(のみならず米国でも)の特撮・アニメでは定番でシリーズの内に
一、二回はこの”心理戦”の回が必ず用意されていたものだった。

だから、氏はそのオマージュとして「魔女はささやく」を発表したのだと私は考える。


(例)
 1:無敵鉄人ダイターン3-第36話 「闇の中の過去の夢」・・・(記憶操作」の例)

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   古城に誘い出された主人公、波乱万丈は過去の記憶の内に閉じ込められ、心地よい記憶の後に一番思い出した
   くない”記憶”を突き付けられ発狂寸前になるが父の所業の償いを行っている自負が自分を取り戻すきっかけとなり
   万丈は辛うじて勝利する。(この時の敵・メガノイドは精鋭では無く、落ちこぼれだった。)

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 2:無敵超人ザンボット3-第23話 「燃える宇宙」(最終回)・・・(「認識すり替え」の例)

   敵の親玉ブッチャーを倒した神ファミリーだったが戦いはまだ終わって居なかった。

   ブッチャーの宇宙船、バンドックがブリッジをブッチャーと共に失っていたにも関わらず攻撃して来た。

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   しかもその攻撃は通常のものでは無く、神ファミリーは幻影に翻弄され、挙句の果てには”認識”を操作され
   同士討ちを演じてしまった。
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   ザンボット3とその母船、ビアルⅠ世はお互いを敵が放った宇宙怪獣と”誤認”させられミサイルやビームを
   撃ち合って大きな傷を負ってしまう。

   しかし、2号機のパイロット、神江宇宙太(かみえ うちゅうた)が負傷した事により正気を取り戻し、ザンボット3の
   闘っている相手がビアルⅠ世である事に気が付く、更にその”存在”の認識を消す事によって姿を消していた敵、
   バンドックの大まかな位置を1号機パイロット、神勝平(じん かっぺい)に知らせ、敵の位置へミサイルを誘導、
   命中させる事に成功する、その結果、バンドックが仕掛けていた”認識”操作は破れ、神ファミリーは再び一つに
   まとまってバンドックに向かって行くのだった・・・。


3:人造人間キカイダー・・・(「意志の誤誘導」の例)
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  キカイダー毎、ジローに対して敵対組織”ダーク”の首領、プロフェサー・ギルは悪魔の笛(?)を吹いてジローに
  対し「・・・ダァークに生まれし者は、ダァークへ還れ・・・」と暗示を掛ける。

  ジローは良心回路があるので素直には従えず苦悶する。
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  これは毎回、一番の山場でジローがどうやってギルの暗示から逃れるのかが見どころだった。


4:スタートレック 「宇宙の怪!怒りを喰う!?」(・・・「精神寄生体の存在」の例)

  USSエンタープライズは宿敵、クリンゴンのバトルクルーザーに出くわす。

  しかし、事故ったらしく、いきなり爆発、中破してしまった。幾許かののクリンゴン人を”転送”装置で救助した後、
  エンタープライズはフェーザー砲でバトルクルーザーを破壊した。
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  その後、覚醒したクリンゴン人達は何故、自分達の艦を破壊したのか!と怒りを地球人達に向けて来た。
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  多数派の地球人達は銃(フェーザー銃)でクリンゴン人達を脅そうとしたが、双方共武器が剣に変わってしまう。

  互いに憎しみと怒りに駆られて闘う二つの種族、しかし、エンタープライズのカーク船長やスポック副長はこの戦いは
  どうやら陰で糸を引く存在があるのに気付く。

  それは”怒り”や”憎しみ”を糧とする”精神寄生体”でクリンゴン側もその存在を認知、二つの種族は和解し、
  友好的交歓をする場面を見せつける事で”精神寄生体”は”寄生”を諦め、船外に退去して行った。

  (申し訳ないがあらすじは相当に省略している。)

これ等はほんの一例に過ぎない、初代「鉄腕アトム」から始まって「デビル・マン」あたりまでは把握しているがその後も
手を変え品を換えこの相手の”心”を欺く戦法は使い続けられてきた。

次回はそんな中から生まれて来た新しい”精神文明”の在り方について語ってみたいと思う。


                        171.ヤマト2199世界に於ける”精神文明”の有り様についてー(2)→この項続く


                                                                                                                    


# by YAMATOSS992 | 2014-12-22 21:00 | 考察
惑星イスカンダルの王都、イスク・サン・アリアの中央に聳え立つクリスタル・パレスの女王居室でスターシャ・
イスカンダルは旧式な通信機を使って何処かと連絡を取っていた。
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しかし、目の前のスクリーンは黒く、”SOUND・ONLY”(を意味する文言)が表示されてた。

妹の顔を見て話したかったスターシャは”黒い画面”に文句を言った。

「可愛いいユリーシャ、顔を見せて頂戴、これで”はデスラー総統”と話しているみたいで気分が悪いわ。」彼女は気軽に問いかけた。

デスラーも何故かホット・ラインでは音声通信のみを多用していた。

しかし、返って来た答えはやけに堅苦しい物だった。

「イスカンダル女王、スターシャ・イスカンダル猊下に措かれましては御機嫌麗しゅう事、 
このガミラス皇室、女皇・ユリーシャ・ガミロニア、心よりお喜び申し上げます。」

「通信の件に付きましては今ガミラスは復興作業に技術者達が皆、邁進しており、この”ホット・ライン”の改善に力を
割く事が出来ない状態にあります。 どうか、御理解下さい。」ユリーシャの声は事務的だったが彼女の姉を思う気持ちに
嘘は無かった。

「やはりそちらは大変なのですね。 しかし、貴女は大きな力を手に入れたようですね。 その力、平和と安定に使うなら
この上ない威力を発揮します。 でもそれを領土の拡張や侵略・略奪に使う様なら貴女自身だけでなく臣民全部を
巻き込む災厄に発展しますよ。」さすが、イスカンダルの女王、スターシャ・イスカンダルだった。

「やっぱりダメ、ヒスには悪いけれど、こんな堅苦しいしゃべり方、私には出来ないわ。
姉さんも気が付いていたのね?」ユリーシャは鎌を掛けた。

「気が付きました。 サンザー系内の精神空間がこれほどザワついたのは私が生まれて以来初めてだったからです。

で、どうします? 大きな”力”を持つ精神個体が二つも覚醒してしまった。 これを放置して置くとガミラスの支配圏は

二つに別れて争いが起こり兼ねませんよ。」彼女はユリーシャを試す様に言った。

「”二つ”じゃありません。 覚醒した”精神体”は”三つ”です。でも、これで”天下三分の計”が行えます。」

「”覚醒した精神体は三つ”? ”天下三分の計?”ユリーシャの言葉に眉を顰めた。

**************************************************

”天下三分の計”とは西暦二百年前後に地球の中国で唱えられた戦乱を収める為の一方策である。
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大きな勢力が中国全土の派遣を争っていたが故に戦乱が長く続いていた訳だか、それを三つの国(魏、呉、蜀)で天下を分割して治める事により力の均衡を保って天下に平和をもたらす事を”蜀”の軍師・諸葛孔明は画策した。

即ち、一国が天下統一を目指すと他の二国がそれを抑えると言う考え方である。

現実には国力の差などの問題があって実現は出来なかったが、その思想は「三竦み理論」として今でも色々な場面で
適用されている。

「成程、”ジレルの総体”、”イルダ・ディッツ”は判るけど、もう一つは何?」女王は興味を魅かれた様だった。

「はい、それは”私”です。 ガミロイドはNetワークで繋がっています、しかし、その精神は芽生えに過ぎず、
”ジレルの総体”や”イルダ・ディッツ”の侵入を簡単に許してしまいます。

でも私はガミロイドNetワークに物理的に侵入出来ますので、もし、そのような”干渉”があった場合、
直ぐに対処出来ます。」スターシャ・イスカンダルは妹がヤマトとの旅で如何に成長したか、それを実感した。

「その”力”を使って今度の旧デスラー支配圏を巡る”行幸”を行うのですね。」スターシャは妹がかつての
ミーゼラ・セレステラ専用艦を「皇室ヨット」に改装させている事も知っていた。

「いいえ、今回は”精神文明”に頼った戦いは一切しません。

物質文明による攻撃は同じ物質文明で排除しなければ相手は決して納得しないからです。

精神文明の”力”は未知の”力”、不用意に使えば、悪戯に”未知なる恐怖”を広げるだけです。

 
エーリク大公・時代の様に・・・。」彼女は妹が再び砲火の前に立とうとしているのを知ってスターシャは愕然とした。

「大丈夫よ、姉さん。 ”ジレルの総体”はガミラス人の心の片隅で静かに眠る事を欲しているし、”イルダ・”は
”星一つ滅ぼす力”を持ちながら普通のガミラス人で居たいと望んでいます。 両者とも、もはや敵対関係では無いわ。」
ユリーシャがスターシャを慰めた。

「私? 私の心理操作能力はまだ弱い、ですが、私を狙う”精神生命体”は”イルダ”が排除してくれます。
物理的な力に対しては、どう対処するのか? それは、あの「ヤマト」が教えてくれました。」

ユリーシャは沖田を初めとするヤマトの乗組員の顔を懐かしく思い出していた。
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「そうね、あの『使命の信託』を持つ船、「ヤマト」に範を取るなら大抵の危機は避けられるでしょう。」

あの総統デスラーがヤマトの波動砲と同じ原理のゲシュ=ダールバムを持って自星系の兄弟星エピドラを消し去り、
また、ヤマトを葬る為には手段を選ばず、最初は巨大質量を落としバレラス毎ヤマトを葬ろうとし、更にその大質量を
ヤマトが波動砲で迎撃すると今度は修理の為ったゲシュ=ダールバムで再びヤマトを狙った事を思い出していた。

結局、原因不明の事故でデスラーのゲシュ=ダールバムは暴走し、軌道衛星都市第二バレラス毎、吹き飛んでしまい、目的は果たせなかったが、同じ”兵器”を持ちながらその使い方はデスラーは”破壊”、ヤマトは”救済”、と、全く真逆の
使い方をしていた。

スターシャはかつて沖田が告げた言葉「兵器その物に善悪はない、その”力”を生かすも殺すも人の”心”しだいです。」
と言った事を思い出していた。(『使命の神託ー(17)』)

<『使命の神託』、あのデスラーもかつては確かに持っていた。 だから私は彼の帝星膨張政策にも反対しなかった・・・、
でもどこかでボタンの掛け違いが起こったのね・・・。>スターシャはデスラーの自分に向けられた一途だけれど
”一方的な愛”が、これまでの惨禍の遠因だと思うと居ても立っても居られなかった。

**************************************************

「女皇、ユリーシャさま。 出立の用意が整いました。」ユリーシャの個室に女衛士が迎えに来た。

「分かったわ、エミル、ちょっと待って頂戴。」それに応えるとユリーシャは頭に付けたヘッド・セットを通して
ガミロイド・Netワークに潜って行っていた会談を続けた。

<失礼しました。 会談を続けましょう・・・。>

<では女皇がお出掛けの間、人々の人心収攬は我々”ジレル”に任せて頂くと言う事で宜しいのですな。>この前、
ユリーシャの感情の爆発による”精神的な津波”で”ジレルの聖域”から流されそうになった”ジレルの総体”は
ユリーシャの力を思い知っていた。

<その”監視”と他の精神体の侵入の監視が私の役目ですね。>イルダ・ディッツもユリーシャの”力”の凄さには
一目置いていた。

「姉には”天下三分の計”は力の”均衡”だと説明したけど私はあなた達を信頼しているわ。

これは寧ろ、”分業”と考えて、頂戴。」彼女は二人(?)の役割をはっきりと告げた。

 <ザー・ベルク!  ガーレ・ガミロニア(高貴なる女皇)お気を付けて!>二人(?)の懐刀に見送られて
女皇ユリーシャ・ガミロニアはガミラスの支配圏内を巡る”行幸”に出かけて行った。
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イルダ・ディッツはユリーシャに宛がわれた住居の中で寛いでいた。

<しかし、あの姫様がガミラスの指導者、”女皇、ユリーシャ・ガミロニア”になるとは思っても見なかったわ。 しかも、
ほとんど非武装の単艦でガミラス帝星領内を巡回して回るとは大した度胸ね。>

イルダは過去に幼い彼女を遠目に見た事があるだけだったが、それでも現在の彼女の成長振りは驚くべき物があった。

”ヤマッテ”での旅、イルダは、それがユリーシャを単なる”お姫様”から”女皇”に変えたのに気が付き、短い間だったとは
言え、”ヤマッテ”に乗り込めた姉、メルダを羨ましく思った。

<それに引き換えこっちは”魔女の館”かよ!>ユリーシャからイルダに与えられた新居はあのミーゼラ・セレステラ
宣伝・情報相がかつて住んでいた家だった。

こじんまりとして飾り気も無い屋敷だったが、きちんと清掃されており、物理的な面での不快感は無かった。
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ただ、ここがガミラス帝星全土に”ジレルの魔女”としてその名を轟かせていた「最後のジレル人」ミーゼラ・セレステラの
住居だったと言う事は彼女に実質的心理操作能力が無かったのを知っていてもイルダにとってあまり気持ちの良いもの
では無かった。

<そう、ぼやき為さんな、ユリーシャ様など、元・セレステラ専用艦を改装して”行幸”にお出掛けになったんだよ。>
”ジレルの総体”が精神感応で話しかけて来た。

<使えるものは何でも使う・・・か! これはユリーシャ様らしいや!>イルダは自分の”怯え”が根拠の無い馬鹿々しい物
であるのに気が付き高笑いした。

<それより、何だ? お前が私に接触して来るとは何かあったか?>イルダは軽い気持ちで聞いた。

<頼みがある、イルダ・ディッツ、私をやはり”ギルティ”と呼んで欲しい。そして何時までも私の傍らに居て欲しい!>
”総体”の申し出は余りにも以外なものだった。

<はぁ! それは告白か? お前は”ジレルの総体”は男なのか?>あまりの申し出にイルダは笑い飛ばした。

確かにジレル人も雌雄一対の種族だった、しかし、種族全員の心が一つに溶け合ってしまった今では総体の性別など
意味の無い物になっていた。

まして、”総体”としての”肉体”などあろうはずが無かった。

だが、単独・覚醒したイルダと行動を共にし、その能力開発を行っている内に今まで余り感じて居なかった”再び孤独”に
なる恐怖を”総体”は感じる様になっていた。

イルダの”心”は本来、能力開発が進むにつれ、”総体”に取り込まれるはずだった。

現に何人もの”覚醒者”が確実に”総体”に吸収・同化していた。

しかし、イルダの場合は”総体”と融合する気配は微塵も無かった。

その理由を考えた”総体”は自分が、お互い”同等の存在”として付き合える相手を欲している事に気が付いたのだ。

しかし、ユリーシャ・ガミロニアは怪し過ぎてて手に負えそうも無かった。

やはり、体内細胞にジレル人のDNAの一部を宿したガミラス人、イルダ・ディッツの方が”相方”?には相応しかった。

<私は”恋”をするつもりだし、結婚もしたい、子供だって生むつもりだ、勿論、女皇の懐刀としての任務は優先する、
しかし、私には”寿命”がある、お前の様に何千年もの間、生きる訳では無いんだぞ!>イルダは冷たく言い放った。

<その点は大丈夫、私は”精神”の領域にしか興味は無い、お前の”肉体”が何をしても関係無い、その点について
完全にお前は自由だ。 それにお前の肉体が滅びてもその”心”と”記憶”はジレル・Netワークの内に残るから
ガミラス圏が続く限り、お前も私も不滅だ。>”総体”はイルダの不滅性を保証した。

<ちょっと待て! ジレル人の”記憶と心”を宿したガミラス人が肉体的に死んだ場合、”記憶”はNetワーク内に
保存されるが”心”の方は新しい者が入って来ると古い者が捨てられ、新陳代謝すると説明されたぞ!私の”心”も幾許も
無く消滅するのではないのか?>イルダは前に聞いた説明と異なる内容を聞いて訝しんだ。

<私とお前が両者共に強く”融合”したい!と強く願わない限り、我々が一つになる事はない、>彼は確約した。

<私達の気持ちしだい・・・ねぇ・・・。>イルダは複雑な気分だった。

確かに初めから精神体が一体ならば”孤独”を知る事は無いだろう、しかし、同じような”精神体”と何度も”接触”すると、今度はそれと離れた時、今まで自分が如何に”孤独”であったかを思い知る事となる。

異種族との交際なんてまっぴらだわ、虫唾が走るわ!イルダの心ははっきりしていた。

<確かに、落ち着いて考えてみれば私も”お前”と位近い精神的な接触をした事は無いわ、姉や父とも長い時間を
掛けたから判り合えるけど、確かに普通の人とではチョット付き合った程度じゃここまで判りあえないわね。>イルダは
本心を偽って彼に話した。

<では、私の傍らに居てくれるのか! 永遠に!>彼は驚喜した。

<今の状態が続くと言う事はあなたの望みが叶うと言う事だわ。>イルダは冷静に分析した。

<でも、普通のガミラス人は”心”が肉体に”閉じ込められて”いるからこそ、相手の心を知ろうとして”努力”する。 
”恋”に酔い、”恋慕”の情があればこそ”猜疑心”に苦しんだりもする。 相手の”心”が読めないからこそ、”判り合おう”と
する事も”恋”の”楽しみ”の一つなのよ。>イルダはフォムト・バーガー少佐との短かった”恋”を思い出していた。

<人は”判りあえない”から”判りあおうとする”、”一つの精神に纏まって、”個人”と言う存在がなくなれば、今度は
”判りあえない”存在を求める、”知性”とはなんと身勝手で贅沢な”存在”なのだろう。>とイルダは思った。

<そうは思わない”ギルティ”?>イルダは悪戯っぽく問いかけた。

                                                                                                                                                         169.イルダ・走る!-(14)ーこの項了  
                                                                                                                  



# by YAMATOSS992 | 2014-12-18 21:00 | ヤマト2199 挿話
 ユリーシャは続けた。

そうしたらそのガミロイド、オルタと名乗ったけど自分の存在を問うと答えられず混乱していたわ。>オルタが出会った
”この船の女神”はやはりユリーシャの意識だったのだ。

<”自分”と言う意識を持ち、その”存在理由”を考えるのは”心”がある証拠よ。 

多分個々のガミロイドだけではその”意識”は薄い、ヤマッテで出会ったオルタが自己を持ちながらも存在意義までは
語れなかった様に・・・、でもガミラス本星では違う、膨大な数のガミロイドがNetで繋がっているわ。
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これは”ジレルの総体”の機械版と言って良い”能力”を秘めているわ。

今のまま、ガミロイドを生産し続ければ数十年もすれば機械版の”総体”が生まれ意識を持って行動するでしょう。>
ユリーシャは恐るべき事態を予言した。

<でも私はそれを望まない、今、”生きているガミロイド”は心を持つ知的生命体として尊重すべきだけれど
もはや膨張政策を止めたガミラスにとって”代理兵士”はもういらない。  生産は中止させるわ。>

イルダはユリーシャの物言いに何か違和感を感じた。

<高貴なるイスカンダ、・・・ユリーシャ様、失礼ですがその御言葉、旧総統・デスラーのようですが?>イルダは疑問を
持ったら黙って居られない性質だった。

<あら! 知らなかったの? 私はデスラーが去った後の混乱を最小限度にする為、ガミラス人が文句なく従がえる
”存在”としてガミラスで”皇室”を開く様、ガミラス政府高官達から要請されたの。>今や、女皇となった彼女は
イルダの知る悪戯好きな茶目っ気たっぷりの第三皇女では無かった。
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<我々の”秘密”を知られた、貴方を殺す!>ジレルの”総体”がユリーシャに向かって鋭い精神衝撃波を発した。

だがその”心の槍”をイルダは”心の盾”を作って弾いた。
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<全く、もう、貴方達は”精神体”となっても物理的暴力から離れられないのね。  ”ジレルの総体”、これじゃ平和の為に
”その種族全体”を捧げた御先祖様に顔向け出来ないわよ。>

”総体”もその宿り先であるガミラス人が死んだり、新しい子供が生まれる事で”総体”全体としての”記憶”は変わらない
ものの、”意識”は常に新陳代謝していた。

<イルダもイルダよ! 心理操作によって血を流さない戦闘を学んだはずなのにどうして最後は暴力なの?
テロン人の方がよっぽど潔い戦士だったわ。>ユリーシャは約半年間を共に過ごしたヤマトの仲間を思った。

彼等は予想された苦難の旅への恐怖から波動エネルギーを大量破壊兵器に応用してしまった。

最初はその事に強い不快感を持ったユリーシャだったが、彼等はその筒先をガミラス自体に向ける事は無かった。
(木星、浮遊大陸をその試射で破壊した時、ユリーシャの意識はまだ戻って居なかったのでこの件は知らなかった。)

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最後の使用に至ってはデスラーの”暴挙”から一般ガミラス臣民を救う為に使った。

「言葉ではなく、行動で!」彼女はかつてヤマトの沖田艦長と交わした約束を思い出していた。

しかもヤマトはイスカンダルでこの上ない力、波動砲を捨て、”コスモリバース・システム”への改修を快く受け入れた。
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「一度出来た旅がもう一度出来ないはずはない!」沖田の決意を後で姉から聞かされた彼女の頬に涙が伝わった。

彼女は自分の父を知らなかった。 

生後、間も無く王都を疫病が襲った時、イスカンダルの王と王妃は三人の王女をクリスタル・パレスに彼女達を
隔離すると宮殿の外で病魔と闘ったのだ。

結果は二人の努力にも係らず王都イスク・サン・アリアに残っていた僅かなイスカンダル人は全滅してしまった。

だが王と王妃は自分達の体を使って”ワクチン”の培養に成功し、三人の王女にそれを摂取、病魔から彼女達を
守る事には成功していた。  

だから姉達から伝え聞く”偉大”だった父の姿を”偉大で強い「漢」”沖田に重ねて涙した。
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そして、その圧倒的な感情の”津波”はイルダの精神も”総体”の集合体精神も飲み込んで行った。


                    169.イルダ・走る!-(14)ーこの項続く  
                                                                                                                  



# by YAMATOSS992 | 2014-12-14 21:00 | ヤマト2199 挿話
  <それは各々のガミラス人の心の片隅にジレルの”総体”が宿っていたからだ。>”総体”は事も無げに恐ろしい事を
告げた。

<”総体”の意識が宿ったガミラス人同士が結婚し、子を成した場合、その子の遺伝子にジレル人の遺伝子の一部が
入る事が解った。 もちろん、心理操作する能力の部分とジレルの記憶の部分だけだが・・・。>”総体”の言葉にイルダは
両肩を腕を交叉させて震えた。

<私の中にも”総体”が居る・・・。>それはまだうら若い乙女にとっては気味悪い事この上ない事だった。

<いや、君と私は独立した存在だ、だからこうしてお互い精神感応で話しているんじゃないか。>

<だが君の身体の細胞の内の遺伝子には”ジレルの総体”を形作る部分があるのは確かだ。>”総体”はイルダを
慰めようとしているのか、絶望させようとしているのか、良く解らない話をした。

<ウイルス、他の生物の細胞に取り付き、自分の遺伝子を注入して自分を量産させ、最後にはその細胞を喰い尽す
ウイルスだ! お前達は!>イルダの怒りは収まらなかった。
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<心外だな、ウイルスは”宿主”を殺してしまう寄生物だ。 しかし私はガミラス人の心の片隅を借りて存在を守っている
だけで”宿主”に害は与えて居ない。>”総体”は自分の正当性を訴える事でイルダの心を”総体”内に取り込もうと
考えていた。

<確かにガミラス帝星に害は与えてはいないが恩恵も与えては暮れてはいないな! これでは本当の”共生”とは
言えない。>イルダはバッキリと”総体”がガミラス帝星に”寄生”する存在だと告げた。

”イルダ”と”ジレルの総体”、二つの巨大な”力”が対峙し、一発触発の状態になった。

クスクスと微笑む声をイルダは感じた。  ”ジレルの総体”も第三者が近くに居るのを感じた様だ。

<誰だ! そこに居るのは!>二人は揃って尋ねた。

<あらぁ、気が付いちゃった~っ 二人とも何て禍々しい気配を放っているの。 コワイ、コワイ。でも・・・。>

<部外者の私ですら気が付く程の強大な”力”を持っているのにそれを民の為に使おうとは思わないの?>声の主は
二人を強く糾弾した。
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<だから、誰だと聞いている! ”ジレルの聖域”にこんなにもたやすく入って来た貴様は一体何者だ!>イルダより
”総体”の方が動揺していた。

<まぁ、精神文明に偏った貴方には私が誰だか何時までも判らないでしょうね。  でもイルダ、イルダ・ディッツ、
あなたの方は私が誰だか気が付いたんじゃなくて?>その”声”は決して大きくは無かったが女王の様な威厳を持って
辺りを圧した。

<貴方は・・・ユリーシャ・イスカンダル・・・違いますか?>イルダは恐る々尋ねた。

イルダはガミラス高官の娘としてイスカンダル王室に対する忠誠は骨の髄まで叩き込まれていた。

<スゴイ!スゴイ!やっぱ判っちゃた! ウ~ン、若い子は頭が柔軟ね。>声の主はやはりユリーシャ・イスカンダル
だった。
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<私はお前がどうやってこの”聖域”に入ったと聞いている!>”総体”は彼には理解不能の状況に戸惑っていた。

<貴方はもう一つの入り口があるのを忘れている様ね、自分も利用している癖に・・・。>彼女はおかしな事を告げた。

**************************************************

三人(?)は近くの工事現場に心を飛ばした。

そしてそこで働くガミロイドの心(?)に侵入した。

<ほら、彼らの内にチラチラした小さな炎の様な輝きが見えるでしょ。>ユリーシャが一つの事実を指摘した。

<馬鹿な、あれが”ガミロイド”の”心”だって言うんですか? ガミロイドは機械ですよ。 それもジレル人に心理操作され
ない様、主なコマンドは遠隔操作で行う様に設計されています。>イルダは反論した。

<確かにガミロイドは対ジレル人用の兵器として開発されたわ、でもジレル人の掃討が終わった今でも量産は続いて
いる・・・これはどういう事かしら?>ユリーシャが切り返した。

<それは・・・ガミロイドは人型を模したものなので人の使う装置や武器がそのまま使えるます。

だから、ガミラスの領土拡大に伴う人的資源の不足に対応するのに最適だったのです。>イルダの答えにユリーシャは
拍手した。
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<良く理解しているわね。 でもその答えでは七十点しか挙げられない。>ユリーシャはイルダの答えに不足している
部分を付け加えた。

ガミロイドは標準的なAIを備えたオートマタ(自動人形)であり、単純なプログラムを膨大な多重処理によって人間と
同じ様な複雑な行動を可能にしている。

初期のガミロイドは対ジレル人用の兵器だったので心理操作されない兵士として主なコマンドを遠隔操作で行って
いたが、ジレル人掃討作戦が時と共に下火になっていった時、ガミラス人達はガミロイドの”汎用性”に着目し、
戦闘以外の下級兵士が行う任務位はこなせる様、ガミロイドにどんどん新しいプログラムを付け加えて行き、結果として
操作盤からの指令は優先されるものの、操作盤からの指令が来ない時は完全自立型のAIを備えた、プログラムの
膨大な積重ねによって動くオートマタ(完全・自動人形)となった。

<過剰な多文書多重処理によってガミロイドに”心”が芽生えたとおっしゃるのですか! 殿下>イルダにとって
ユリーシャの言葉は衝撃的だった。

<事実だ、もっとも私には理屈は判らないが彼女が言った通り”ガミロイド”には”心”がある。>”総体”が新たな証拠を
提示した。

<イルダよ、我々がディッツ提督救出の為、戦艦を一隻態々新造し、運航するにも下級兵士はガミロイドで代用したのを
覚えているな?>”総体”はかつてはぐらかしたイルダの質問に正面から答えた。

<私なら彼らガミロイドを心理操作出来たからさ。 そうでなければあの作戦に必要な人数は集まらなかった。>
動かぬ証拠を突き付けられたイルダはプライドを大きく傷つけられた。
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<彼等の処理系に我々と同種の”意識”は芽生えない、貴女はそう信じたい様ね。 でも事実は違う、当時、私は事故で意識を失ってしまい、姉様からの使命であったテロンの船をイスカンダルに導く事が出来なくなっていた、だから
テロン人は仕方なく、テロン艦、ヤマッテの自動航法装置なる機械に私の脳を繋ぎ、イスカンダルへの航路を私が眠って
居ても導き出せる様にしたの。>彼女は重大な秘密を明かした。
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<そんな、非道な、テロン人はやぱり野蛮人だったのですね。>イルダは怒りに燃えた。

<彼等も必死で生存の為の努力をしただけよ。 あなた達、ガミラスの非道から故卿を守る為にね。>

<でも先に発砲して来たのがテロンの方です! それも宣戦布告も無しに!>ユリーシャはイルダの子供の様な主張
には答えず話しを続けた。

<私の意識は確かに身体を動かせる状態では無かったけれど自動航法装置を介してヤマッテの艦内Netに侵入する事は簡単に出来たわ。  
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そしてヤマッテの隅々まで探索出来た。  

しかし有る時テロンのテクノロジーとは全く異なった存在に出会った。  

今思えばあれはヤマッテが捕獲修理したガミロイドだったのね。  
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でも当時の私はそんな事には気付かず、「貴方はだーれ?」と素直に質問したの。

                                                168.イルダ・走る!-(13)→この項続く
# by YAMATOSS992 | 2014-12-10 21:00 | ヤマト2199 挿話

by YAMATOSS992